八重咲変異 | ようこそ 家づくりの羅針盤

八重咲変異

 

火曜日の最高気温24℃はいったい何だったのだろうか?

4月の気候から真冬の気候へと逆戻りの東京。

三連休のはじまりの金曜日の最高気温は4℃。

三日間で20℃も気温が下降すると身体に変調をきたす人も多いのではないでしょうか。

 

春がきたかとセンサーが勘違いするのは動物に限ったことではなく、リズムを狂わされている植物たちも多数見受けられます。

 

当家の原種シクラメンは全体的に成長が思わしくありません。

昨年の夏、30℃を超える高気温の日が約2ヶ月間続いた影響を受けて夏越しがうまく行かなかったのかもしれません。

 

 

原種コウムのアルビッシマムの花。

葉の数は昨年よりも多いのですが花の数は昨年以下。

気象庁による今季の長期予報によると、夏の暑さは昨シーズン以上なのだとか・・・

当家ベランダの夏の陣。いよいよ変化へ適応力が試される時を迎えそうな2024年です。

 

 

とっくに終わっているはずの原種のネリネ・アルタはまだ花が残っていて、これが今季の見納め。

昨年までは観察できなかった種子がいくつか出来上がっているので初めての種子蒔きからの育成にも挑戦してみようと思っているところです。

 

 

その横ではラケナリア・クリプランデンシスが高気温の影響で一挙に花茎を伸ばしたところでストップモーション。

昨シーズンはその花が約15cmの長さにまで達したので、今季は記録の塗り替えがあるかどうか。

蕾が8つ見えるので全てが開花すればかなり見応えのある姿が期待できます。

 

 

さて本日のテーマなのですが、毎年バレンタインデイからホワイトデイにかけて花を見せる原種のアネモネ・パブニナに不思議な変化が起きつつあることをご覧いただこうと思います。

 

 

今季初めての開花を迎えたのですが、ちょっと変な咲き方なのです。

 

 

この個体の昨年の3月下旬の花はこんな姿でした。↑

濃いピンク色の花で、咲き進むにつれて色が変化するタイプ。

まあパブニナによくある花色ではあるのですが、発色が比較的鮮やかで多弁化する傾向があったので、花が終わって葉っぱだけが残った昨年4月にホルモン調整剤のジベレリンを散布しておいたのです。

ひとつの球根から普通の花と多弁化する花が見られたので、変化に対する素質がある個体なのかもしれないという勘でした。

ジベレリンの使用は主にネリネとシクラメンが対象だったのですが、少し余っていたのでアネモネ・パブニナの葉面と土壌にも散布してみたのです。

休眠を終えた昨年の10月、特に変化も無く普通に葉が展開してきました。

 

 

今春の開花シーズンも違えずに4つほど蕾が上がり、その一番花が咲いた姿がコレなのです。

いわゆる「八重咲」に変異してしまったのです。

花の色にも変化が見られ、いわゆるフラッシュが入っているのが観察できます。

アネモネ・パブニナから突然に八重咲が出現するという情報は聞いたことがあるのですが、この眼でそれを確認するのは初めてのこと。

ちょっと驚きました。

まるでクリスマスローズのような咲き方です。

開花してから数日が経過しましたが、今日現在でまだ「蕊」が見えて来ません。

「八重咲」というのは特定の遺伝子の成長が抑制されたことによって雄蕊が花弁化してしまう現象のようで、こういう変異は決して珍しいことでは無いらしいのですが、自分の手元で植物を育成していて初めて経験することです。

これはジベレリンの悪戯なのでしょうか?

そう云えば、ネリネや原種シクラメンのローフシアナムなどにもジベレリン投与の効果とみられる花や葉の数が増えるという現象が確認できました。

ちょっと不思議な現象です。

変化に対する驚きもさることながら今後異常な生育をしないかどうか心配もあります。

おそるおそるパブニナの今後の開花を観察してみようと思います。

 

春の珍事のレポートでした。