ジオ「新しい会社に入ってそろそろ1ヶ月だろ?どんな感じだ?」
こたか。「いやあ、そうは言っても入社後の研修を2週間、今は配属先の研修を2週間受けてる最中の十日目ってところだし、まだ実感はないんだけどね。でも、総じて若い人の多い会社だなって思うよ。配属先の1つ年上が今まで見かけた最高齢。たまにエリアマネージャー的な人も何人か見たけど、皆カジュアルな格好だったね」
ジオ「ほう?会社名は漢字のみで硬い感じだが、割とフレッシュでソフトな感じなんだな。研修先はどんな風だった?」
こたか。「渋谷に程近い、今思うとコンパクトなビルだったね。築三十年くらいにはなるはずなのに、程よくお金をかけられているのかそんなに劣化もしてなくて良い感じだった。でも、巡回時の記録はすべて紙、それを後でPCに入力って言う古いスタイルだったね。あと、「ヤダーッ」
と叫んで逆立ちして足をバタバタさせて暴れたくなるくらいに見辛いメーターが各所にあって早く解放されたいと何度も思ったね」
ジオ「まあ、水道メーター系はそう言うのがあるらしいな。…コンパクトって事は人は少ない感じか?」
こたか。「ああ、ビル管理の人は僕を除いて三人。常駐はしてなくて夜間は警備に警報連絡が切り替わる形になってたよ。それと警備も清掃も同じ会社の人で上手く連携出来てる感じだったね。研修は2週間と時間が短くてあんまり打ち解けて話せなかったなあ」
ジオ「今の現場はどうだ?デカいところなんだったか?」
こたか。「サンシャイン60やあべのハルカス程では無いんだろうけどデカいね。敷地が広くて建物も複数あるし、24時間常駐だし、人も多い。まだ5年も経ってないところだから何処も新しくて野暮ったいとかボロいと思えるところはほとんどない。まあ、二段ベッドとか洗濯乾燥機は平成レベルだなと思ったけど。オフィスのみでなく複数用途利用だから純然たるオフィスビルよりトラブルは多いかな?そして覚えることもね…」
ジオ「そうか。その辺はまあ頑張れ。新しい現場だけに仕事に手書きは少ない感じか?」
こたか。「そうだね。巡回時の記録はすべてタブレットに入力してそれをその後メインのシステムにアップロードしてる感じだよ。作業届なんかもシステム上で授受してるし。メモ書きなんかを手書きでしてる僕が一番好アナログなんじゃないかと…」
ジオ「ほう、イマドキっぽくてイカすな、お前以外は。それで、やって行けそうか?」
こたか。「訓練校では資格試験の勉強やオタ活にかまけて訓練の復習をろくにしないで実技や知識が身についていなくても追い出される事は無かったけど、会社なら仕事が身につかなきゃクビだろうし真剣さがやっぱり違うね。やっていけるかはまだ判らないけど、必死に食らいついてやっていこうと思ってるよ」
ジオ「そうか、ならばやってみせろ。それで周りが安心して見てられるように幸せになってやれ。それが一番の恩返しだ」
こたか。「ああ、やってやるさ!」