この間夜遅く本屋に行った時に目についたので、


一瞬だけ、


心を上手に透視する方法/トルステン・ハーフェナー
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を読んでみようかという気まぐれが起こりましたが、考えてみるとこの本の出版社はサンマーク出版なんだよね。


これはあくまでもおれの認識なんですが、あの出版社の本はどうも7つの習慣で言う「個性主義」ばかりをフィーチャーした本ばかりの様な気がするんだよね。つまりは問題の根本を考えずに、小手先のテクニックで全てが解決できると言わんばかりの本が多いような気がする。それを大々的に広告を打ち、こんなに絶賛の声が上がっていると好意的な意見ばかり取り上げて実際以上にいい本だと錯覚させているようなそんな感じがする。


人の心が判ったらどれだけいいだろうとは思いますが、小手先のテクニックに頼るようじゃダメダメっすよ!

つーか、おれは一挙手一投足を「その動作に隠された心の動きは・・・」なんて注視されたりしたらむかつきますしね。


ってな訳で、この本を読もうと思ったのは一瞬の気の迷いだった。


そんな迷いからさめて、人の心を理解する為の「人格主義」に基づいた本は何か無いかと探していて見つけたのが、


人の心が手に取るように見えてくる/出口 光
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だったのですよ。



この手の他の本だと、観察する場所や判断基準が多すぎて、結局ものの役には立たないことが多いんですが、この本の場合はたったの2つの判断基準に照らすことで4つの類型のどれに該当するかが判ってくるって言うシンプルさがまず第一の魅力ですね。だから、あえて質問する必要すらないのですよ。この位のことなら、ものの5分も話せば、言葉の端々から伝わってくるものですから。


で、判断基準はこの2つ。


1,あなた(その人)の心はクール(冷静)かホット(情熱的)かと言われたらどちらですか?


2,あなた(その人)の心はウェット(情緒的)かドライ(合理的)かと言われたらどちらですか?


この本では4つの類型を「四魂」とか呼んでるんですが、おれは7つの習慣的に、4つのパラダイムと呼びます。


で、その4つのパラダイムとは下記の4つです。


1,勇(ホットかつドライ)=達成本位(行動し、大義を成し遂げることが大切。主人公・勇者タイプ)


2,親(クールかつウェット)=関係本位(集団の中での調和を保つことが大切。調停者)


3,愛(ホットかつウェット)=愛情本位(気持ちが通じ、必要だと思い、思われることが大切。ヤンデレ)


4,智(クールかつドライ)=興味本位(真理を追究し、答えを手に入れることが大切。頭でっかち)



と言うことはあれですね。


行動力バツグンで熱血だけどワンマンで人の言うことを聞きやしないあんちくしょうは勇で、


一見穏やかで気配り屋さんだけど、人の和を乱すと烈火のごとく怒るあの人は親で、


愛情豊かだけど、気持ちを裏切ったりすると刃物を持ち出しかねないあの娘は愛で、


興味のあることは知りたくてたまらなくて、知ってしまうととたんに熱が冷めるおれは智だってことですね。



だけどこれは人のパラダイムを峻別し、人をうまく操る為のノウハウではないと、著者は何度も何度も繰り返し述べているんだよね。


この4つのパラダイムはそれぞれ善悪両面あるし、得手不得手もあるし、このうちのどれかがオールマイティーって訳でもないんですよ。


違うからこそ、自分には出来ないことが他の人には出来る。


違うからこそ、自分が誰かの力になることが出来る。


違うからこそ、1+1が2よりも大きくなることだってある。


だから、7つの習慣的に言えば、それぞれの持ち味を活かして助け合い、補い合い、相互依存できるようにならないと、この世に大きなものを作り上げることは出来ないんですよ。


それを念頭に置けば相手を理解したり、相手の持つパラダイムも尊重しようという気持ちも生まれてくる。そう言う関わり合いの中で初めて人の心は磨かれていくのですよ。



なかなか難しいことではあるけどね。


とりあえず、周りの何人かの人については、どのパラダイムを持っている人なのかは判ってきた。


でもそこまでではまだ道半ばでしかない。


それを知ってどう自分の心を動かしていくか。


どう行動していくか。


何をどう変えていくか。


が大切なんだよね。


少しずつ先へ進んでいきたいと思います。