当日、私は所用で中国厦門にいました。
仕事の前に厦門の最初の観光地に立ち寄っていた時のことです。
日本から携帯電話に大地震発生の一報が届きました。
あまりにも突拍子もない話に最初は耳を疑いましたが、現地で情報を集めるうちに、ことの深刻さを思い知らされます。
当時、私の家族は日本に残り、東京ディズニーランドに遊びに行っていて、そこで被災ました。
携帯電話で安否を確認し、現地の状況を聞いてみて、あらためて生々しい惨状を確認することになります。
幸いにも家族がいたディズニーランドの構造は極めて強固な造りだったため、液状化した大地の上を、ディズニーランド全体が島のように浮いた状態で揺れたため、園内事態にはほとんど亀裂も発生しなかったようです。
ディズニーランドの外に出て、初めて惨状を目の当たりにしたと言っていました。
中国国内のニュースでもトップ記事で震災の情報を取り扱っていました。
そして、そこには原子力発電所が爆発している映像が・・・。
あわてて日本の家族にその事実を確認すると、日本ではそんなニュースはやっていないとのこと。
別の場所に確認をとっても、同じく知らないとのことでした。
被災した場所でたまたま情報が拾えていなかったのか、そもそも日本で原発の情報そのものが流されていなかったのかは、今となっては知る由もありませんが、とにかく日本の家族には、なんとかしてできるだけ西に逃げるように伝えたのを覚えています。
すぐにでも引き返したくても、空港も被災していて帰ることすらままならない。
今日の澄み渡った青空を見上げて、やるせない思いで中国の霞んだ空を仰いだことを思い出しました。
(2011年3月11日 午前)
航空機内にて千葉県九十九里浜を見下ろす。
あらためて被災された方々に哀悼の意を表し、黙とうを捧げます。