「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

 

 

 「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」(ジョン・ムーア)

 

 

「スターバックス成功物語」をきっかけに、スタバに足を運ぶようになり、自分の中で好感度と好奇心(スタバが成功している秘密をもっと知りたい)が上昇中。

 

ということで、この本も読んでみた。

 

 

読んだ結論というか感想は、こんな風に言ってしまうと身も蓋もないが、結局のところ、お客さんを満足させるためにやるべきことを、誠実に、手を抜かずにやっている、ということ。

 

 

この本を読んで、思い出した本は2冊。「シュガーマンのマーケティング30の法則」「時間最短化、利益最大化の法則」

 

「シュガーマンのマーケティング30の法則」は、消費者に対して正直であることの大切さを強く主張しているが、スターバックスはそんな会社かな、と思う。

 

「時間最短化、利益最大化の法則」に書いてあったことで思い出したのは、思考アルゴリズムが共通した人が自然と仲良くなり集まるということ。つまり、スターバックスの企業文化に共感した社員、スタッフがいいチームを作っているのだと思う。

 

 

スタバの価値観に合う人、合わない人がいると思うが、スタバはどこの店も、フレンドリーで、てきぱきしていて、魅力的だな、と思えるスタッフが集まっているように感じる。ここからは推測だが、おそらく仕事もちゃんとやる人たちなのではないだろうか。さらには、そういう店員さんに好感を持つ人も思考アルゴリズムが似ていて、だから居心地がよくて何度も店に来るのではないだろうか。そしてさらに、そんな人たちと一緒に働きたいと思う思考アルゴリズムの似た人たちが(例えば、前向きで、自分に自信のある人、当然スタバが大好き)、スタバの店員になるのだろう。

 

たぶん、スタバのノリは無理、という人たち(例えば、一生懸命がきらいで自分に自信がない人)はスタバの求人に応募しない。

 

 

 

以下、備忘

 

 

 

1.ビジネスと正面から向き合う過程でブランドは生まれる。

スターバックスのブランドは情報操作によってつくりだされたものではない。高品質のコーヒー豆の調達とロースト、濃厚なコーヒーを楽しむ方法を顧客に伝えること、居心地よくくつろげる空間を作ること、などに必死に取り組んだ過程でブランドが生まれた。



4.ありのまま伝えよ。つくられた話はもういい!

商品が素晴らしい理由をこしらえようとする、大げさに表現しようとする、そういうマーケティングがいまだに多い。
話を作りあげる会社は短命で必死なビジネスになる。一方、真摯な態度でやっていることをありのまま伝える会社は人々から慕われる息の長いビジネスになる。



10.最大ではなく、最高になれ。

最高を目指した結果、最大になるケースは案外多い。だが、その反対は見たことがない。



18.注目に値することが注目される。

スターバックスが提供する“心に残る顧客エクスペリエンス”は「注目をひく法則」に従っている。
スターバックス体験(エクスペリエンス)を味わった顧客は友人や家族に話すことが多い。テレビCMや広告キャンペーンよりはるかに効果的な宣伝になる。



21.約束以上のことをせよ。

スターバックスには「10分ルール」があり、営業時間より10分早く開店し、10分遅く閉店している。



29.「壁」の声に耳を傾けよ。

役員のハワード・ビーハーは、店に入ってしばし黙って立っているだけで、その店の採算性や従業員のやる気が瞬時に分かった。
「壁」の声とは、音と光景、会話と音楽、そして活気のこと。壁が何と言っているか、お客さまにも確実に聞こえている。



31.すべてが大事であると心得よ。

「気にしなくても大丈夫。そんなことに気がつくお客はいませんから・・・」などと口走る従業員はスターバックスには見つからない。
気づくお客様は、必ずいるのだ。



40.経験に勝る情熱を持っている者を雇いなさい。

スターバックスは、経験に富んだ人よりも、活力、誠実さ、やる気を持ち合わせた人や、誰からも好かれる性格を持ち合わせた人を重視。
経験豊富な人は「いいや、そんなことできるわけがない」と簡単に言ってしまう。純真さで仕事に取り組む熱意のある人は「やってみよう」と言い、過去に失敗したことがあるからといって禁じたりしない。
経験豊富な人は時として謙虚さを欠く。そして、もうこれ以上学ぶものはないと思ってしまいやすい。

 

「あなたの望む場所に到達したことがあるという人ではなく、そこへ連れて行ってくれる人を雇うほうがいいい」(アップルコンピュータのガイ・カワサキ)



45.すべてを正しく行え。利益は結果的についてくる。

・事業を構築することに集中してブランドが生まれると、利益は生まれる

・最大ではなく最高を目指すと、利益は生まれる

・広告よりもビジネス活動でアピールするようになると、利益は生まれる

・単に顧客の最低限のニーズだけでなく、ウォンツを満足させることを目的としてビジネスを行うと、利益は生まれる

・顧客の中でロイヤルティを超えて親愛の情が育つと、利益が生まれる

・顧客との交流からニーズやウォンツを見いだして対応すると、利益が生まれる

・ビジネスのおかげで企業が信頼できるものになると、利益が生まれる

・自己満足に陥らず、現状維持に抵抗し、うぬぼれを打ち砕く企業文化を育てると、利益は生まれる

・利益追求以外のすべてを正しく行うと、利益は生まれる

 

 

 

 

 
 
 
 
 
お客は本当に真実を求めている。…お客が噓に気づけば、あるいは嘘っぽいと感じただけでも、信用は失われていくのだ。
噓偽りのない正直なセールスを続けることが、この本で紹介したどの心理的トリガーよりも成功に役立つだろう。
 
 
 
1位の会社はなるべくして1位に、2位の会社はなるべくして2位に、なっている。1位は2位以下の理由が理解できるが、2位以下は1位の理由が理解できない。
 
世の中の「いいもの」は、2割の「本当にいいもの」と8割の「いいといわれているだけのもの」で成り立っている。
 
プロ選手と芸能人は、たまにしか会わないのに親友になる。それは、お互いが一流だから(厳密には、一流選手と一流芸能人の仲がいい)。一流だからこそ、一流の価値観で互いに惹かれ合う。よく似た「思考アルゴリズム」を持っているということ。
 
「努力なんてムダ」という思考アルゴリズムの人に囲まれていると努力しなくなる。高い目標に向かって頑張る思考アルゴリズムの人に囲まれていると、自分も高い目標に向かって頑張れる。
 
 
 
 
以下、余談
 

 

この日は午前休みをとって東京体育館プールにスイム練習へ。この機会に明治公園のスタバ訪問。オフィス街ではないので、平日朝のこの店はガラガラ。平日朝のこの店は穴場だ。週末は激混みだろう。

 

 

カプチーノ。泡がふわふわ。味は普通よりちょっとおいしい程度か(やはりスターバックスラテが今のところ自分の中で最高)。

 

 

2階テラス席で8時から1時間ほど滞在。とても静か。ぼんやりと、公園の緑を眺めたり、国立競技場の上を流れる雲を眺めたり、雨音に耳をすませたり、このブログを書いたり。と、極上の時間。