「時間最短化、利益最大化の法則」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「時間最短化、利益最大化の法則」(木下勝寿)

 

他の多くの本にも「たくさん挑戦しよう」「すぐ行動しよう」というようなことは書いてあるが、本書の説得力はいままでにないような独特な視点で、かなり腹落ちした。

 

成果=スキル×思考アルゴリズム(考え方のクセ)

 

これが本書のベースとなる考え方。自分にとっては、ありそうでなかった、今まで気がつかなかった(もしくは忘れてしまっていた)、新たな視点だ。

 

そして、本書を代表する法則「ピッパの法則」は、一見単純ながら、理屈が通っており、「なるほど」と思わず膝を打ってしまった。

 

次いで膝を打ってしまいそうな目からうろこの法則が「欠落的欠陥の法則」。早速どうやって自分の欠落的欠陥を見つけ出そうか考え中で、少し怖いが、楽しみになってきた。

 

 

そして、木下勝寿さんのほかの本も絶対読んでみようと思った。

 

 

 

以下、備忘

 

 

「ピッパの法則」

 

ピッと思いついたらパッとやる。その場ですぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める。

 

成功する人、成功しそうだけどしない人、成功しない人、がいる。成功しそうだけどしない人は、話す内容は成功する人と同じだが、行動は成功しない人と同じ。成功している社長はアイディアを10個思いついたら、10個実行していた。


仕事が遅い人は、打ち合わせ直後に着手しないので、いざやろうとしたときに「思い出す」のに時間がかかるし、記憶も不鮮明で仕事の精度が低くなる。

 

仕事が速い人は直後に着手する前提で打ち合わせをする。わからないものはわかるまでその場で確認(打ち合わせ終了時点で不明点がない)。記憶も鮮明で仕事の精度も高くなる。

 

仕事が遅い元凶は「後でじっくり考えよう」という思考アルゴリズム。

 

アウトプットをイメージしながら打ち合わせをし、この後すぐ何をどうすべきか、が明確な状態で終える。

 

 

 

「覚えること」をあきらめる

 

自分の頭脳を「記憶する」という機械で代替できるものに費やすのをやめて、その空いた頭脳のリソースをすべて「思考する」ことに集中させる。

 

メモを取ることで安心して忘れることができ、脳の容量に空きを作れる。スマホにメモ、アラート設定、なども有効。

 

 

 

10回に1回の法則

 

世の中は平等。10回やれば誰でも1回成功できる。では、なぜ10回やる前に辞めてしまうのか?

 

・心が折れる →9回は失敗する心構え

うまくいくと思っていると2、3回の失敗でショックを受ける。誰でも9回は失敗する、と一喜一憂せず、淡々と10回続ける。

 

・時間切れ →10回やる前提のスケジュール設定

予め想定より10倍かかる時間でスケジュールを組み、早めにスタートする。

 

・資金切れ →10回実験する前提での資金配分

一度に資金を投入せず、分けて投資する。

 

 

 

起きた出来事を「チャンス」ととらえる思考アルゴリズム

 

100のチャンスがあったとして、成功者はそのうち100をチャンスと認識する。一方で、ひとつも気づかない人や3つしか気づかない人がいる。

 

孫正義氏は「10年に一度のチャンスが来た!」と3か月に1回言うそうだ。

 

 

 

「めんどうくさいこと」を率先してやる思考アルゴリズム

 

やるべきだが誰もやらない、「めんどうくさいこと」=一人勝ちできる仕事。「めんどうくさいこと」はチャンス。

 

 

 

お客様目線の法則

 

「内側の人」になると、徐々にお客様目線が失われていく。

 

商品をつくるのが仕事ではなく、お客様に“伝わるまで”が仕事。いい商品をつくった、だけでなく、お客様に商品のよさが伝わること、が目的。

 

プロ経営者が最もすぐれているのは、画期的な経営戦略を立てることより、何があってもお客様目線を持ち続けられるという「意識」の部分。

 

 

 

欠落的欠点の法則

 

人には長所がある一方、長所を台無しにする大きな欠点(欠落的欠点)がある。ex)セールストークは抜群だが、大事なアポに遅刻する。

 

3大欠落的欠点、①ケアレスミス②スケジュール管理ミス③タスク漏れ。

 

「大したことない」「ちょっとしたミス」「(電車遅延など)どうしようもない理由で遅れた」「たまたま1回だけ」。しかし周囲は重大なミスととらえている。この常識差から生まれているのが「欠落的欠点」。

 

自分の欠点に真正面から向き合えた瞬間、憑き物が落ちたように飛躍的に成長する。

 

「欠落的欠点」に気づき、飛躍的成長を遂げた人は、もっと自分に「欠落的欠点」があってほしいと願う。なぜなら、それに向き合うだけで飛躍的に成長できる、それを直すだけで簡単に成長できるから。

 

 

 

不確実なものを見通せるようにするのがプロの仕事

 

わからないこと、知らないことを徹底研究し、データとデータを組み合わせてエクセルで計算すれば、成功確率をかなり正確に判断できる。不確実なままチャレンジするのはビジネスではなく、ただのギャンブル。

 

 

 

後天的なリーダー

 

「ついてこい」ではなく「縁の下の力持ち」。

 

メンバーが取りこぼしたものを黙って拾う、メンバーが嫌がることを率先して行う、メンバーの責任を自分が負う、などの行動をしていると、あの人がいるから組織がうまく回っている、と認識されるようになり、単に目立つリーダーではなく、本物のリーダーになる。後天的リーダーが、先天的リーダーを超える。

 

 

 

1位の会社はなるべくして1位に、2位の会社はなるべくして2位に、なっている。1位は2位以下の理由が理解できるが、2位以下は1位の理由が理解できない。

 

 

 

世の中の「いいもの」は、2割の「本当にいいもの」と8割の「いいといわれているだけのもの」で成り立っている。

 

 

 

タワーマンションの挨拶の法則

 

タワマンにはお金持ち(高層階)と普通の人(低層階)が同居している。観察結果では、お金持ちほど自分から率先して挨拶し、お金持ちほど礼儀正しい。つまり、礼儀正しいからお金持ちになった。好感を持たれている人は、仕事もうまくいきやすく、結果的にお金持ちになりやすい。

 

大切なのは、大事な場面だけで礼儀正しいのではなく、普段から礼儀正しいこと。

 

 

 

価値観で結ばれた友達の法則

 

プロ選手と芸能人は、たまにしか会わないのに親友になる。それは、お互いが一流だから(厳密には、一流選手と一流芸能人の仲がいい)。一流だからこそ、一流の価値観で互いに惹かれ合う。よく似た「思考アルゴリズム」を持っているということ。

 

勉強熱心な生徒は他のクラスの勉強熱心な生徒と、やんちゃな生徒は他のクラスのやんちゃな生徒と仲よくなる。クラスより価値観や「思考アルゴリズム」で結ばれた友達の方が話が合うから。

 

大人になると同質化は加速する。親しい友人の5人の平均年収を計算すると、ほぼ自分の年収になるという。

 

「努力なんてムダ」という思考アルゴリズムの人に囲まれていると努力しなくなる。高い目標に向かって頑張る思考アルゴリズムの人に囲まれていると、自分も高い目標に向かって頑張れる。