「 THE GOOD LIFE 」(ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ)
何が幸せな人生を決めるのか。
人々の健康と幸福を維持する要因を解き明かすため1938年に始まった「ハーバード成人発達研究」は今も継続中。被験者は当初の724人から今では三世代にわたる子孫を含む1300人超になっているとのこと。
結論は、人間関係。しかも圧倒的、決定的のようだ。
結論は、人間関係。しかも圧倒的、決定的のようだ。
特にパートナーとの関係、そして家族、友人。改めて、そうだな、と思う。
おもしろいな、と思ったのは、他人と些細な会話をするだけでも気分がよくなるということ。結構、あるあるの経験ではないだろうか。人類は生き延びるために仲間を必要としてきた、という長い歴史を考えれば納得できる。
マイケル・ジャクソンは、冨も名声も人類最高レベルだったが、幸せな人生を送ったのだろうか、とふと考えたりする。
以下、備忘
84年にわたる本研究や他のさまざまな研究・調査の結果、身体の健康、心の健康、長寿との関連性において、際立って決定的な因子が浮かび上がってきた。それは、社会的成功や運動習慣、健康的な食生活ではなかった(これらも重要ではあるが)。明らかに、絶えることなく重要性を発揮している因子が一つだけあった。よい人間関係だ。
生きるためのたった一つの原則、人生において投資すべきたった一つのことを集約すると次のようになる。
健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要だ。以上。
大事なのは人間関係の質。守られているという感覚。心の通う人間関係の中で生きることが、心と身体を守ってくれる。
ホモ・サピエンスには、生存競争を勝ち抜いた多くの動物と共通する特徴がある。それは、身体と脳が仲間との協力を促すように進化したこと。人類が生き延びたのは、社会性があったから。
人間には栄養が必要で、運動が必要で、目標が必要で、そして仲間が必要。
シカゴ大学による通勤電車を舞台にした感情予測の実験
「見知らぬ人と話す」「誰にも話しかけない」どちらが気分よく過ごせるか?
被験者は「見知らぬ人に話しかければ不快な経験になるだろうから、黙って過ごすほうが快適に過ごせる」と予測した。
しかし現実は正反対。隣の人に話しかけた被験者の大半は、普段の通勤時より気分のいい体験になったと答えた。
人間は、面倒事を過大評価し、人とのつながりがもたらすメリットを過小評価する。
世界5地域で実施された研究によれば、どの地域にも共通して、人間関係が良好な人ほど、年齢に関係なく死亡リスクが低かった。
20年後の2010年、ホルト=ランスタッドの研究においても、良好な人間関係は生存率を50%以上高めているという結果が出た。
「いい仲間と一緒なら、どんな道も長くない」(トルコのことわざ)
2008年、80代の夫婦を対象とした対面調査の研究結果
幸福の二大予測因子は、他者との交流の頻度と質とわかった。
単純にパートナーと過ごす時間が長いほど幸福度が高く、とりわけ仲睦まじい夫婦に顕著。
研究と臨床を通して見つけた、生き生きとした関係を取り戻す効果的な人付き合いの原則
提案1 寛大になる
自分がしてもらいたいことを相手にする。
寛大な行動は脳内にいい気分を生み出し、他者を助ける気持ちにつながり、好循環をもたらす。
提案2 新しいダンスのステップを習う
新しい親密な関係を築こうとする。
新しい経験に向けて心を開いていく。
提案3 好奇心を強く持つ
他者の人生に対する本物の深い好奇心は大切な人間関係を育む。好奇心が会話の幅を広げ、知らなかった顔が見えてくる。相手は、理解されている、認められている、と感じる。
「人に好かれる六原則、第一原則は『誠実な好奇心を寄せる』」(カーネギー)
今、ここへの「注意」が人生を豊かにする
ヒトは、過去を思い起こし、未来を予測するという認知能力があるからこそ、毎日が非常に多忙だと感じてしまう。
注意を引く物事の数が多すぎる。マルチタスクは脳に大きな負荷がかかる。心がさまよっていると不幸になる。
人間関係を育むための効果的な解決策、それは、時間と注意を今、目の前にある時間のために使うこと。
「私たちが支配できる時間は、今この瞬間しかない」(ティク・ナット・ハン、ベトナムの禅僧)
マインドフルネスが効果的。
大切なのは「共感する努力」
毎日、ほんの少しずつ注意と気配りを増やそう
1.人生を豊かあにしてくれる人間関係を1つか2つ思い浮かべ、相手に今まで以上の注意を向ける
生きるためのたった一つの原則、人生において投資すべきたった一つのことを集約すると次のようになる。
健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要だ。以上。
大事なのは人間関係の質。守られているという感覚。心の通う人間関係の中で生きることが、心と身体を守ってくれる。
ホモ・サピエンスには、生存競争を勝ち抜いた多くの動物と共通する特徴がある。それは、身体と脳が仲間との協力を促すように進化したこと。人類が生き延びたのは、社会性があったから。
人間には栄養が必要で、運動が必要で、目標が必要で、そして仲間が必要。
シカゴ大学による通勤電車を舞台にした感情予測の実験
「見知らぬ人と話す」「誰にも話しかけない」どちらが気分よく過ごせるか?
被験者は「見知らぬ人に話しかければ不快な経験になるだろうから、黙って過ごすほうが快適に過ごせる」と予測した。
しかし現実は正反対。隣の人に話しかけた被験者の大半は、普段の通勤時より気分のいい体験になったと答えた。
人間は、面倒事を過大評価し、人とのつながりがもたらすメリットを過小評価する。
世界5地域で実施された研究によれば、どの地域にも共通して、人間関係が良好な人ほど、年齢に関係なく死亡リスクが低かった。
20年後の2010年、ホルト=ランスタッドの研究においても、良好な人間関係は生存率を50%以上高めているという結果が出た。
「いい仲間と一緒なら、どんな道も長くない」(トルコのことわざ)
2008年、80代の夫婦を対象とした対面調査の研究結果
幸福の二大予測因子は、他者との交流の頻度と質とわかった。
単純にパートナーと過ごす時間が長いほど幸福度が高く、とりわけ仲睦まじい夫婦に顕著。
研究と臨床を通して見つけた、生き生きとした関係を取り戻す効果的な人付き合いの原則
提案1 寛大になる
自分がしてもらいたいことを相手にする。
寛大な行動は脳内にいい気分を生み出し、他者を助ける気持ちにつながり、好循環をもたらす。
提案2 新しいダンスのステップを習う
新しい親密な関係を築こうとする。
新しい経験に向けて心を開いていく。
提案3 好奇心を強く持つ
他者の人生に対する本物の深い好奇心は大切な人間関係を育む。好奇心が会話の幅を広げ、知らなかった顔が見えてくる。相手は、理解されている、認められている、と感じる。
「人に好かれる六原則、第一原則は『誠実な好奇心を寄せる』」(カーネギー)
今、ここへの「注意」が人生を豊かにする
ヒトは、過去を思い起こし、未来を予測するという認知能力があるからこそ、毎日が非常に多忙だと感じてしまう。
注意を引く物事の数が多すぎる。マルチタスクは脳に大きな負荷がかかる。心がさまよっていると不幸になる。
人間関係を育むための効果的な解決策、それは、時間と注意を今、目の前にある時間のために使うこと。
「私たちが支配できる時間は、今この瞬間しかない」(ティク・ナット・ハン、ベトナムの禅僧)
マインドフルネスが効果的。
大切なのは「共感する努力」
毎日、ほんの少しずつ注意と気配りを増やそう
1.人生を豊かあにしてくれる人間関係を1つか2つ思い浮かべ、相手に今まで以上の注意を向ける
2.一日の過ごし方を少し変える
例:一緒に散歩する
3.誰かと過ごすときには好奇心を忘れない
パートナーとの関係改善 3つの方法
1.パートナーが優しくしてくれていることに「気づく」
感謝の気持ちを伝えるとさらに効果的
2.いつものルーティンとは違うことをする
例:ベッドに朝食を運ぶ
3.WISERモデルを実践する
特に観察と解釈。気に障っても即座に反応しない、冷静に観察し、自分の感情を解釈し、何が起きているのかを理解する。
家族や親族と強い絆を育む 3つのルール
1.自分と向き合う
批判をしない、相手を受け入れる、相手の立場で考える。
2.ルーティンを大事にする
定期的に会ったり連絡をとったり、定期的なイベントをつくることも良い。
最も強力にして最もシンプルなのは、家族の夕食。
3.家族の一人ひとりが埋もれた宝物のような価値をもっていることを思い出す
友人の存在は、人を健康にする
友人との絆が強くなると、身体への好影響が数値にはっきりと現れる。進化の過程において人類を繁栄に導いた重要な要因。仲間がいることが、危険な環境を生き延びる可能性を常に高めてくれたし、ストレスの多い現代社会においても健康を守ってくれる。生物学的に友情を求めるようにできている。
弱いつながりにもメリットあり。コーヒーショップの店員に「調子はどう?」と話しかける、職場の警備員との短い会話をする、郵便配達員に挨拶する。見知らぬ人との友好的なひとときは、人に高揚感を与えてくれる。
親密な友情は、何気ない交流の繰り返しによって結ばれ、育まれていく。
気軽な人間関係は、何もしなければいつも間にかなくなってしまう。
パートナーとの関係改善 3つの方法
1.パートナーが優しくしてくれていることに「気づく」
感謝の気持ちを伝えるとさらに効果的
2.いつものルーティンとは違うことをする
例:ベッドに朝食を運ぶ
3.WISERモデルを実践する
特に観察と解釈。気に障っても即座に反応しない、冷静に観察し、自分の感情を解釈し、何が起きているのかを理解する。
家族や親族と強い絆を育む 3つのルール
1.自分と向き合う
批判をしない、相手を受け入れる、相手の立場で考える。
2.ルーティンを大事にする
定期的に会ったり連絡をとったり、定期的なイベントをつくることも良い。
最も強力にして最もシンプルなのは、家族の夕食。
3.家族の一人ひとりが埋もれた宝物のような価値をもっていることを思い出す
友人の存在は、人を健康にする
友人との絆が強くなると、身体への好影響が数値にはっきりと現れる。進化の過程において人類を繁栄に導いた重要な要因。仲間がいることが、危険な環境を生き延びる可能性を常に高めてくれたし、ストレスの多い現代社会においても健康を守ってくれる。生物学的に友情を求めるようにできている。
弱いつながりにもメリットあり。コーヒーショップの店員に「調子はどう?」と話しかける、職場の警備員との短い会話をする、郵便配達員に挨拶する。見知らぬ人との友好的なひとときは、人に高揚感を与えてくれる。
親密な友情は、何気ない交流の繰り返しによって結ばれ、育まれていく。
気軽な人間関係は、何もしなければいつも間にかなくなってしまう。
誰か一人、大切な人のことを思い浮かべよう。
もう二度と会えないとしたら、その人にどんな言葉を伝えるだろう?
今このときに、その人のほうを向いてみよう。電話をしよう。思いを伝えよう。