「ストレスフリー超大全」(樺沢紫苑)
ビジネスやスポーツで成功した!(ドーパミン的幸福)というのが人生の幸せだと人々は考えがちだが、もっと優先すべきはセロトニン的幸福だよ、という点にまず共感。
また、不安はじっとしていても解消されず、なにか行動しないと解決しない(そもそも、不安は行動を促すエネルギー)、という点に共感。
各論の中では、職場の人間関係は良くないのがスタンダード、という考え方がとても参考になった。顔色をうかがったり、あれこれ考えず、淡々と報連相をまめにするのが一番だ(顔色うかがって報連相を躊躇していたら逆に心象悪くした、ということもある)。
以下、備忘
不安とは、脳科学的に言うとノルアドレナリンの分泌。
ノルアドレナリンは「闘争か、逃走か」の物質。原始人が猛獣に遭遇したとき、ノルアドレナリンが引き起こす「不安」「恐怖」がピンチを脱するエネルギーになる(猛烈に行動をせかす)。
したがって、不安を消すには、行動すること(何もせず安静にしているのはNG)。
悩みは行動しながら解決(不安があるならまず行動)
①話す・・・相談など(おしゃべりだけでもストレス発散)
②書く・・・不安を書き出す(脳内が整理され、自己洞察も深まる)
③体を動かす・・・100m全力疾走でもスッキリする(不安は何かをしなさいというエネルギーなので、全力で何かに取り組めば不安は軽減・解消)。セロトニン活性化、リラックス、ネガティブ感情消散。
ストレスフリーの定義
①寝ているときにストレスがない状態になっている
②次の日にストレスや疲れが持ち越されていない
適度なストレスは、脳を活性化し、集中力、記憶力を高める。ストレスがない人生は自己成長しない人生。危険なのは、過剰なストレスを感じ続けること。
几帳面でまじめな人ほどうつになりやすい。「耐え忍ぶ人」ではなく「しなやかな人」に。
悪意を向けてくる人(残念な人)は、スルーする。
すべての職場は人間関係がよくない(性格が違う人の集まりなので、全員が仲良しというのはあり得ない)。
職場の人間関係は最低限のコミュニケーションがあれば十分。人間関係は「ドライ」でいい。仲良くなろうと意識するより、報・連・相など仕事に必要なコミュニケーションをすることのほうが、100倍、1000倍重要。
8人以下の職場であれば「全員と仲良し」は十分あり得る。会社全体の人間関係が悪くても、所属チーム内でコミュニケーションがとれていれば、仕事上に支障なし。10人を超えると、チームは分裂・破綻する。
ex:「2枚のピザ理論」(ジェフ・ベゾス)。ピザ2枚で空腹を満たすことができない人数で会議をしてはならない。
職場で理解されるもっとも確実・簡単な方法は「仕事で成果」を出すこと。職場の人が望んでいるのは、「良好な人間関係」よりも「仕事ができるかどうか、きちんとこなせるか」。その対価として「信頼」が与えられる。「人間関係がよくない」と言う前に、一人前の戦力になることが大切。
夫婦円満は生活のベース、仕事の集中力を高める。1日30分、夫婦での対話を(15分は少なすぎる)。
「嫌な出来事」はアウトプットしない(短期間に何度も話したりすると強烈に記憶してしまう)。話すとしたら仲の良い人に一回だけ。
寝る前に「3行ポジティブ日記」を推奨。脳はマルチタスクできないので、「楽しい出来事」を考えている限り「つらい出来事」は思い出されず、頭の中から追い出すことができる。
一件落着させると忘れやすい。
ex:「ツァイガルニック効果」…目標が完了されていないタスクのほうが、完了したタスクよりもよく覚えている。
■精神科医がたどり着いた「とっておきの考え方」
1.人生を楽しむ人になる方法
「素直さ」が人生を楽しんでいる人の共通点。偏見や先入観を持たず、「とりあえずやってみる」。楽しいこと、おもしろいことに出会える機会も増える。
いつも行く場所、いつも会う人、いつも食べるもの、など日々生活している領域(コンフォートゾーン=快適領域)から出てみる。
2.決断グセをつける
いい人生を送ったと思える人は、自分で重要な決断をしている。
迷ったときは、徹底的に情報を集めるしかない(調べるクセをつける)。かつ、確証バイアスを避けるため多方面の情報を集める。次に、人に直接聞く。
決断基準のおすすめは①ワクワクするほうを選ぶ②難しいほうを選ぶ③ドラマチックなほうを選ぶ。
3.「生きる意味」を考え続ける
そもそも、まず「生きている」という現実がそこにあり「生きる意味」「生きる目的」など最初から存在しない(あっても後付け)。
しかし、「これが自分の生きる意味だ」「生きる目的だ」と思う瞬間はある。
「生きる」とは「生きる意味を考える長い旅」。自分と向き合わないと「自分がしたいこと」「方向性」がわからず、他人に流された生き方になってしまう。
4.「死」について考える
死から逆算する。どうせ死ぬんだったら「やりたいことをやろう」、と考える。
楽しいことを先延ばしせず、後悔しない1日を過ごし、毎日全力で生きる。
5.「幸せ」を手に入れる方法
・セロトニン的幸福…やすらぎ、癒し、気分、健康
・オキシトシン的幸福…つながり、愛情
・ドーパミン的幸福…やる気、成功、目標達成
多くの人はドーパミン的幸福しか考えないが、優先順位は、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン。
セロトニン的幸福を得る習慣
朝散歩(15~30分)、朝日、よく噛んで食べる、瞑想、マインドフルネス、笑顔(よく笑う)
オキシトシン的幸福を得る習慣
スキンシップ、コミュニケーション、ペットとの触れ合い、親切、ボランティア
日々の安定した精神状態(セロトニン的幸福)と、安定した人間関係(オキシトシン的幸福)の2つがあれば、お金持ちになれなくても、社会的に成功しなくても、幸せに生きていける。
◆「7つのエッセンス」
1.「それでいい」を口グセにする
※究極の自己肯定の言葉
2.「今」にフォーカスして生きる
※過去を振り返ると「後悔」、未来は「不安」
3.自分で決めて「自分の人生」を生きる
※親の言うとおりにする、他人の顔色をうかがう、他人と比較する、人と同じことをする・・・これらはすべて「他人の人生」を生きること
4.自分を大切にして生きる
※優先順位は、自分、家族、その上で仕事
5.自分から心を開き「相談」をする
※自分で決める=孤独に生きる、ではない。他人の意見も大切に(悩んだときは特に)
6.必ず「動きながら」考える
※止まったまま考えていても状況は良くならない。TODOを見つけて行動。成功者ほど「小さな行動」を積み上げているもの
7.毎日を「ポジティブ」に締めくくる
※お金持ちになっても「ネガティブな出来事」ばかりに注目していては幸せになれない。「楽しいこと」「よかったこと」に注目できる人が幸せな人生を送る。寝る前に3行ポジティブ日記(1ヶ月続けて効果がなかった人はいない)。
「名医が考えた! 免疫力を挙げる最強の食事術」(白澤卓二監修)