「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前[中]」(塩野七生)
41歳で執政官に上りつめ、42歳からはガリア属州総督として、ガリア平定のため、現在のスイス、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、さらにはイギリスまで躍進。
体の大きいゲルマン人を相手にしたり、数十万人規模に集結したガリア人部族を相手にしたり、ドーヴァー海峡を渡ってブリタニアまで2度遠征したり、と完全アウェー状態で勝利を重ねる(ライン河を渡る橋を建築したり、数百隻の船を作ったり修理したり、と豊臣秀吉の土木工事を連想した)。
ハンニバル戦記のハンニバルも強かったが、ガリア戦役のカエサルもすごい。リーダーシップ、情報力、戦略眼、感情に流されない判断力、そして勇気、などがポイントか。
ハンニバルは蛮勇で戦争の天才、というイメージだが、カエサルは知的で戦巧者かつ統治巧者という印象(とはいえ、さすがに地域が広くて、各地でたびたび反乱が起きてしまうのだが)。
カエサルの業績は、遠いローマにいる人々にとっては十分にショッキングで興奮させる出来事だったようだ。
カエサルの戦功にローマ中が熱狂した。
以下、備忘
「大英帝国の歴史はカエサルのブリタニア上陸によってはじまった」(ウィンストン・チャーチル)