「ローマ人の物語2」★★★★☆ | Jiro's memorandum

Jiro's memorandum

泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート


あとがきにおいて、ローマの興隆を精神論に求めない、システムに要因がある、とする著者の考えに共感。

確かに、リーダーや民族の精神が健全だったから強くなり、堕落したから衰退した、という説明をよく目にする気がするが、実際のところ本当かどうかわからない。主観的で言ったもの勝ちという感じもする。

システムが有効に機能したかどうか、仮説を立て検証する方が論理的であるし、もしその仮説が間違えていたとしても、思考を巡らせることには意味があると思う。それが歴史から学ぶということではないか。

ローマのシステムについて簡単には言い尽くせないが、その開放性は重要のようだ。とかく他民族に対し排他的になりがちだが、ローマでは、ローマに住むだけで市民権を取得できた。この寛容さが様々な戦いで勝利をおさめた大きな源泉ではないかと思う。