「しがみつかない生き方」 | Jiro's memorandum

Jiro's memorandum

泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

★★★☆☆


Android携帯で電子書籍購読2冊目。
慣れてくると結構便利です。


さて、本書の感想。勝間氏も偏っていると思いますが、香山氏もちょっと偏っているかな、と思います。

確かに、誰もが勝間和代や「あきらめなければ夢はかなう」と強調する高橋尚子のようになれないというのは現実です。25年間精神科医として様々な患者を診てきた香山氏の言葉には説得力を感じます。ただ、香山氏の考えにはちょっと残念な感じもしました。


それにしても、世の中便利になって、豊かになって、モノがあふれて、楽しい場所や面白いサービスが増えて、なのにみんな不安を抱え、うつ病が増えるのはなぜなんでしょう。

確か他の本にも書いてありましたが、自由主義で選択肢が増えれば増えるほど自己責任のプレッシャーが増して、そのプレッシャーに押しつぶされる人が増えているのかな、と思います。



以下、香山氏の考え。ランダムに抜粋。

私自身の話をすると、私は基本的にパンのために、つまり衣食住のために働いている。

とりあえず自分に与えられている仕事、役割、人間関係に力を注ぎ、何かがうまくいったら喜んだり得意に思ったりすればよいし、そうでないときには悲しんだり傷ついたり、また気持ちを取り直して歩き出したりする。そんな一喜一憂を積み重ねながら、どこから来たのか、どこにむかっているのかもわからないまま、人生の道を歩いていく足取りの中で、しみじみとした味わいや満足が得られるのではないか、

人生には最高もなければ、どうしようもない最悪もなく、ただ“そこそこで、いろいろな人生”があるだけではないか。

目指すモデルや生き方がどれくらい多様か、というのが、その社会が生きやすいかどうか、健全であるかどうかの目安といえるはずである。

ふつうにがんばって、しがみつかずにこだわらずに自分のペースで生きていけば、誰でもそれなりに幸せを感じながら人生を送れる。それで十分、というよりそれ以外の何が必要であろうか。





しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)/香山 リカ

¥777
Amazon.co.jp