「日本の持続的成長企業」 | Jiro's memorandum

Jiro's memorandum

泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

★★★★☆

優良企業の研究をした本の結論というのは、どうしても似たり寄ったりになりますね。ただ、この本はふんだんに事例がちりばめられていて、参考になりました。良品計画では、37億円分の衣料の不良在庫を社員の目の前で焼却処分した、とか。へぇー、という話がちょこちょこありました。

自己否定・自己革新の難しさ、経営トップ・中間管理職・一般社員のベクトルを合わせる組織作りの重要さ、など再認識しました。


■本書が定義した持続的成長企業(株価が30年以上持続的に上昇)
キヤノン、花王、ホンダ、トヨタ、武田製薬、イビデン、村田製作所、ヤマトHD、信越化学

■上記以外で事例として取り上げている企業
エーザイ、シャープ、良品計画、アルバック、パナソニック、シスコ、GE、オリックス、小林製薬、デンソー、他

■組織能力
・実行・変革力
  徹底した行動とたゆまぬ自己変革
・知の創出力
  重層的なコミュニケーションや豊かな関係性による知の創出
・ビジョン共有力
  ぶれない軸を意味レベルで共有

■価値基準
・社会的使命の重視、経済的価値も同時に追求
・共同体意識、健全な競争も共存 ※あたたかさとシビアの両立
・長期志向、現実も直視

■持続的成長を阻む壁
・経験という壁
 成功体験、過去のしがらみ、サンクコスト、近視眼的、イノベーションのジレンマ
・現状という壁
 現状満足、高利益率の呪い
・仕組みという壁
 組織の構造化(階層化・専門化)、ルールの罠、いったん作った制度が金科玉条になる




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