「日本の幸福度」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

★★★☆☆


読後の感想というか結論を一言で言うと、やっぱりお金より自由に好きなことをやるのが一番幸せなんだな、ということです。


本書は、様々なデータと幸福度との相関性を調査しています。

幸福のパラドックスというのがありますが、所得水準と幸福度の相関性はあまり高くありません。年収が一定水準を超えると相関性は全くなくなります。時系列でみると、日本の実質GDPが40年間で6倍になる間、生活満足度は横ばいで推移しています。つまり、経済的に豊かになったが幸福度に変化なし。

幸福のパラドックスの要因としては、絶対所得よりも相対所得(他人との比較)に幸福度が左右されることや、所得が増えてもすぐにその生活に慣れてしまうことが挙げられます。

失業が幸福度に与える影響についても所得は3分の1に過ぎず残りは非金銭的なものです。また、同じ所得水準なら自営業のほうが会社員より幸福度は高いそうです。

その他では、時間割引率が高く(せっかち)、危険回避的(心配性)な人ほど幸福度が低い。利他性のある人は幸福度が高い。女性は子供なし無職の人の幸福度が最も高く、次は子供あり無職。

以上まとめると、自由で楽天的で心が広い、そんな人が幸せのようです。

日本人とアメリカ人では、アメリカ人のほうが幸福と感じている人が多いという結果もあります。国民性の違いはありますが、労働市場が流動的で好きな仕事につきやすい、という違いもあるのかなと思いました。



日本の幸福度  格差・労働・家族/著者不明

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