★★★★☆
日本メーカーの「プロダクト・アウト」に対してサムスンの「マーケット・イン」。
特にサムスンの海外市場調査は筋金入りです。各国の文化や価値観の理解から徹底しています。これはBRICsはじめ新興市場における市場シェア獲得に非常に効果を上げていて、新興市場ではサムスンはトップブランドとして認知されているけれどパナソニックやソニーは名前も知らないという状況になっています。サムスンは各国の消費者に合わせて価格や機能を設定していますが、日本の製品は過剰品質で売れません。
官僚的だったサムスンの改革のきっかけは1997年のアジア通貨危機の際の経済危機でした。韓国の国全体が大きく変わりました。日本に必要なのも、黒船や敗戦に匹敵する存亡の危機なのかもしれません。
危機の経営 ~ サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション/吉川 良三
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