「FREE」 | Jiro's memorandum

Jiro's memorandum

泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

★★★★☆

フリーの周辺でお金を稼ぐことがビジネスの未来になる。というのが本書の主旨。目新しい概念ではないものの、事例など豊富で参考になりました。

限界費用がゼロに近いウェブサービスやデジタル製品にとって最も需要のある「通貨」は注目と評判。これらを獲得するにはフリーの戦略が常套手段。さらに、ビット(情報)の世界だけでなくアトム(物理的なもの)の世界においてもフリーは当たり前の戦略に。
あと、海賊版が氾濫している中国やブラジルはフリーの最先端をいっているという話にまじめに納得しました。


以下、備忘録

コモディティ化した情報(誰もが同じものを得られる)は無料になりたがる。カスタマイズされた情報(その人だけに与えられる特別なもの)は高価になりたがる。
(中略)
潤沢な情報は無料になりたがる。稀少な情報は高価になりたがる。
P.130

ブログ記事は無料だが講演会は高価
音楽のデータコピーは無料だがコンサートは高価
ウェブ上の情報は無料だがその中で関心のある情報(検索結果)にはお金が支払われる(広告料がつく)


「あらゆる潤沢さは新しい希少性をつくり出す」という原則だ。私たちは、自分たちがまだ十分に持っていないものに高い価値をつける。たとえば、職場で無料のコーヒーを好きなだけ飲めることで、よりおいしいコーヒーの需要を呼び覚まし、喜んでそれに高い料金を払う。そして一流シェフの料理からブランド飲料まで、プレミアム商品は安価なコモディティの海から浮かびあがってくるのだ。P.238

偽者が多く出回っている中国(香港を含む)は本物の高級ブランド品の市場として世界で3番目に大きい。


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◇参照:「フリーコピーの経済学」