★★★☆☆
人間は
・神秘的な偶然
・印象に残る偶然
・都合のいい情報
・信念と合致する情報
・目前の証拠
を過大評価したり好んだり誇張したりする。
一方
・都合の悪い情報
・印象の悪い情報
・非生起事例(起こっていないこと)
を過小評価したり避けたり省略したりしてしまう
自分も心当たりがある。
上記のバイアスに気をつけないと、物事の本質を見誤ってしまう。
誇張、演出、捏造、(都合の悪い情報の)省略、などはまさにマスコミの特性でもある。
■迷信の例
・子供ができないために養子をもらった夫婦はその後妊娠しやすい
・バスケットのシュートは「波に乗る」と連続して成功する
・代わった選手のところに打球が飛ぶ
・逆方向のバスばかり多く来る
※行きたい方向のバスがすぐ来たときは逆方向のバスを見ることはない
・牛肉を食べることが心臓病に関係している
※ステーキの肉の脂が動脈を詰まらせるイメージ
・超常現象
※カナダの大学生80%、アメリカの大卒者67%が信じている
・虫の知らせ
■総意誤認効果
・自分の信念や価値観を過大評価し、他人もみんなそう考えていると推定してしまう
・知らず知らずのうちに選択的に偏った情報を入手している
・自分の判断が正しいという評価を維持したいと考える
・人は他人の考えをあえてとがめたりしないから適切なフィードバックが行われない
・人は自分と似た人を好む
・大統領の政策顧問でさえ反対意見や批判を控えることがある
■誤信を防ぐ
・逆の場合を考える習慣
「全く逆の結果だとしても自分の信念が支持されたと解釈するだろうか?」
「私と反対の信念を持つ人だったら、この結果をどう解釈するだろうか?」
「別の理論ではこれをどう説明づけるか?」
人間の本性は、予期できない現象や意味のない現象を嫌うのである。その結果、私たちは秩序がないところに秩序を「見いだ」そうとし、偶然の気まぐれだけに支配されているものに意味のあるパターンを発見してしまうのである。P.14
曖昧な状況を自分の都合の良いように解釈する方法のひとつは、自分にとって都合が良い結論につながる情報が見つかるまで情報さがしを止めないことである。P.136
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