このブログは前のブログからの続きです。
①母との約束「週に1度の施設訪問」
http://ameblo.jp/kosyokosyokosyo/entry-12248165926.html
②母との約束「週に1度の施設訪問」父編
 
母の認知症歴をざっくり説明。
 
介護度、要介護5
アルツハイマー型認知症
 
若年性アルツハイマーの症状が出始めて
かれこれ21年あまり。
アルツハイマー型認知症と専門病院で
診断できたのが60代前半。
母の検査拒否は10年くらい。
 
当時の同居家族(父、妹三女)が母の
アルツハイマーの症状振り回され、
ようやく受診、薬の服用、介護認定、
介護サービスをうけるようになる。
 
<同居家族が振り回され限界を感じ始めた理由は大きく二つ>
・同居家族にとって家事の負担が大きくなり、自宅がごみ屋敷化しはじめた。
・散歩や買い物中に迷子になり、人様のお世話になるようになった。
 
おととし夏、父が手術入院するまでは、
両親とも自宅で生活。
父の入院で母は住宅型有料老人ホーム入所。
父の退院に伴い昨年3月から父と同じ
介護付有料老人ホームに入所。
 
Q1 要介護5ってどういう状況ですか?
A.寝たきりではありません。
〇自分の身体状況を言葉で人に伝えられない。
例)・トイレに行きたい
  ・お腹がすいた
  ・具合が悪い
〇自分でトイレ、食事、入浴できない。
〇喋れるがその言葉が伝えたい事とあっていない。
〇言われた言葉の意味が理解できない。
例)・指示内容
  「お茶を飲んでください。」
   お茶って何?
   飲むって何? 
   何か言ってるな?
   私に言ってるのかな?
   何?
   どうしたらいいかわからない!?
   パニック!になって、
   大声をあげる、手をたたく、机をバンバン、うろうろするなどの形で不安を表現。
つまり、生活全般にわたって誰かの介助が必要。
 
Q2 動けますか?
A.動けます。
 
不安や恐怖を感じると一瞬でとてつもない
瞬発力や行動力を発揮します。
 
Q3 どうやってコミュニケーションをとっているのですか?
A.五感をフル活用します。
 
・言葉のワンフレーズごとにと身振り手振り
ジェスチャーを多用。
・こちらが必死ならあちらも必死。
そういう思いは通じ合う。
 
ただ、コミュニケーションをスムーズにする前に
絶対不可欠な条件があります。
「信頼関係」
母が相手を信頼していないと、
力ずくでしようとすると、
断固拒否、動かないし動かせない。
 
・介護する側の心がオープンで自然体だと、
コミュニケーションはとりやすい。
・介護する側が自分の都合しか考えず、
押し付けてくると、コミュニケーションは困難。
 
例)
私。
時間がなくて急いでいる。
早く母のお世話を済ませて次の家事がしたい。
「お母さん、早くトイレに行こう、着替えよう!」
私の都合で母のペースを乱すような言動が
あからさまになる。
 
母。
急に身体が重くなって動かない。
無理やり立たせようととしても、
微動だにしない。
ちょっと動かせても、
それ以上動かそうとすると、
ケガ骨折するのではないか?
という身体の硬直具合。
 
この母の状況を置き換えて考えると。

自分がトイレをぎりぎりまで我慢している状況で、
動きたいけど動いたらヤバイって時。
その時自分の体の隅々の状況はどうでしょう?
いろんなところに変な力や大事な力が
かかっていませんか?
そうしてそういう時は、
自分のペースで動きたい。
急ぐと漏れる。
あ~危ない!ゆっくり急いで。
みたいな。わかります?
 
一事が万事母はそういう状況なんです、
きっと。
 
この状況を理解しようとして、
相手の気持ちやからだの緊張具合を見極め、
相手のペースに委ね待つ姿勢。
=あたたかい心持ちで見守る姿勢。
その姿勢は相手にすぐ伝わる。
 
無防備な自分を委ねる相手を選ぶ、
それは人の本能。
その本能に受け入れられるような
自分の在り方は介護する人に、
一番必要でそれができれば、
日常生活は精神的にすごくラクに
なります。
 
※慣れるまでの疲労は半端ないです。
※介護する人が信頼されたら介助は
かなり早くできるようになります。
 
長くなったので、今回はここまで。
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松元佳子