(42) 新しいメガネは、まことに | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

具合がいい!


 ピカピカだし、何よりズリ落ちてこないのがいい!



鏡にくっつくようにして、右左と向きを変え


 新品のメガネの、かけ心地を試すうちに


ついでに、あんまり、じっくり眺めた事のなかった


 自分の顔まで、眺めることになった。



合わせ鏡を使うと、完全な横顔と 後ろが映る、



  そこに、少し頬のこけた横顔が・・・


「そうか、・・・こんな顔なんだ、他人が見てる自分の顔は」


  と、しみじみ眺め・・・・そのうち自分も


 その中の一人になって見ている気がして・・・


   自分がふたり?


  んん?・・・ナニこれ?・・・・と、一瞬とまどう。



憂鬱で始まった一日も、夜には気分晴れ晴れ!


  約束どおり 妹がやってくると、


    すぐまた夢の話になった。



「ねぇ、・・・どんな夢だったの・・・」


   「あぁ、例の夢ね、わけの、わからない夢だったけど、


     やたら長いのよ・・・・


    初めのほうで、○○が出てきた、」


「え、兄ちゃんが?」


   「そう、どっちも今よりずっと若い感じで、二人並んで


    歩いてるんだよね、」


「ふぅ~ん、どこを?・・・」


   「堤防、ほら天降川公園沿いの、あの堤防を


    家の方に向かってた、


     ・・・なんか、抱えてね


    それ、ゴトンと落としちゃって、紙包みがほどけて


     慌てて、包みなおすんだけど・・・・


    それが、上手くいかないのよ、道の真ん中で」


「うん、クルマとか来たら困るでしょ、」


   「そう、で、焦って包みなおしながら、中身を見たら、


    掛け時計だった、素敵な!


    それを、・・・コレ、ちょっと欲しかったな、と思いながら


     包んでるわけよ、しゃがんで」


「うん、」


   「でまた、二人で歩きだして、日当山橋のトコまで来たの、


    そしたら、○○が、『ねぇちゃん、おれ、ちょっと向こうに用があるから』


     と言って、橋の方に歩き出すから、


    慌てて、『これ、あんたが貰ったんだから、持ってってよ』って


     紙包みの時計 渡したんだけどね、重かったし」


「ふぅ~ん、それ持って 兄ちゃんは行っちゃったの?」


   「そう・・・行っちゃった、時計抱えて、スタスタと、」


「でも、その時計、ほんとは欲しかったんでしょ、」


   「そう・・・少しね、惜しいなって思ったけど


     渡した、サッと・・・・そうしたって事は、


    時計はもう要りませんっ、て思ったんじゃないかと、」


「あ、そうか・・・そう言われればね」


   「そうでしょ!、時間は無くなるって言ってるし、


    時計なんて要らないでしょ、


       なんか、面白いね、なぞなぞみたいで・・・・


    

   それからが、よく分からないのよ、


    そこからトコトコ、堤防を下りてったみたいで、下に二三軒ある


     家の中庭で、椅子に座って、おばさん達と


       お茶飲んでた。


    一人は、知ってるオバサンで、ホラ、昔家で働いてくれてた


      ○○おばさん!


     あ、覚えてないか・・・・その頃あんた、まだ赤ちゃんだもんね、



    その○○おばさんが、軒下を指差して、


     『あそこの雪だけは、いつまでたっても融けないんだよねぇ』


    て言うから、近づいていくと、


     その雪が、ボロッと融けてね、中から葉っぱが見えてきた。


    つぎに、上の雪も落ちたら・・・・・


     花?なのよ・・・キャベツ顔の!


     右のは、おばさん顔で、左のはおじさん顔の


    特に、おじさん顔の方は、と~っても優しい顔だったけど、


     それが、口をあんぐり開けて、歌うわけ、アタマふって


      ・・・ダンシングフラワーみたいに、



「ハハハ、なんだろ、それ?」


   「ねぇ~、なんだろね、


    ケイちゃんに話したら、レタス顔というのは・・


     アミ、小さな宇宙人の中に出てくるらしいよ、」


「そうなんだ、でも、キャベツでしょ、レタスじゃなくて」



   「うん、だから、なんだろね・・・・って思ってるんだけど


     それから、まだ、続きがあるの、


    しばらくして、あ、帰らなきゃ!って思いだして


    急いで、堤防を登って行くんだけど・・・・


    上まで行ったら、道がなくなってた、」


「どういう意味、なくなるって?」


   「堤防じやなかった、ってことよ、石垣だったの


    向こう側には、川が流れてた、」




「へぇ~~っ・・・」


   「でね・・・・、その石垣の一つ一つが、また


    きれいな六角形の、蜂の巣なわけ!」


「なんで?」


   「それは、わからない・・・・


    すると、いつの間にか、ちゃんとした堤防の上に立ってて


    向こうの方に見える、昔の堤防を見てた。


   昔の堤防と、今立ってる堤防は、同じモノなんだけど・・・


    何故か、川を挟んで、あっち側と、こっち側に分かれてて、


   向こうのは、右端が消えてて


   こっちのは、左端が消えてた!ってとこで、終わり」




「なんか、わかったような、わからないような・・・」


   「ねぇ・・・それが、夢なんだろうけど、


    どうしてだろう?、夢の中では違和感ないのよね、全部が」




「そうそう、そんな感じはするよね」


   と、毎日みる夢の中で、こんなによく覚えてたのは


   久しぶりで、




   さて、どんな意味があったのか、


    とにかく、長い、長い夢だったけど。


  


   つづく