(25) いつの間にか、部屋のすみに | すずめがチュン

すずめがチュン

アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

ガウンが架かり、セーターを着込むように


 なっている。



 今朝 起きぬけに、クシャミが出た。


とたんに、そ~れ、冬がやってきたぞ!


  大丈夫か、オイ!


   と、頭痛もちの身体が囁いた。


 声は肩の辺りから?、いや首?


    それとも、もっと上 のアタマ?



  わかってるって・・・・


    毎年のことだもの


     ・・・・ったく・・・


   ちょっと寒くなったぐらいで、大袈裟に、


   いくら、朝晩寒くなったって言ってもね


   早々と、ハイネックのセーターなんか着込んでるの


  アタシだけよ・・・・ここいらでは、



    そう言えば きのう、学校がえりの小学生が


      マジマジと見てたなぁ~


    あたしも見たけど・・・・その子、半袖だったから、



  でも、あなた達って、まるで


      温度計だね!


  1~2度の温度差にも、きっちり


   反応してくれるんだから・・・・ほんと・・・エライわ


    そうでしょ、・・・と言いながら


  ピンクのとっくりに、首を通す



    どぉ?、肩さん


      あ、いい?・・・そぉ、


   じゃ、首さんは?・・・・・あれっ・・・・今


    気づいたんだけど、アレないね!アレ、


   首の周りに、のっけてた、ドーナツみたいな


    ・・・・そう、コルセット



     いつの間に、消えちゃった?


    そういえば、もうずい分 見てない気がするな・・・



  と、辺りを見回しても、何処に置いたのか


   忘れてしまっている。



   以前は朝おきて、服を着替え


    それも当たり前のように、首に巻きつけ、


      一日、鎧のように


     軟弱な首を 支え、守ってくれてたモノを、



       どこに・・・・やったのか・・・・


        あ、あった!


      棚の奥に、押し込んであった。



    身体から離れ、しばらく経つコルセットは


     抜け殻のようで、



     眺めている内に・・・ふと、


    そこから、抜け出した首が


      たった今、新しく


     生まれ出たもののように、思えてきた。



  もしかして、私の首、新しく再生された?


     小さな光が、身体の深い処で


        ピカリ!と光った。



      試しに、首を目いっぱい左右に曲げ


       次に、ぐるりと二回、まわしてみる、



    予想通り、めでたく、 再生されたらしい?頸骨は


       少しの軋みもなく


        しなやかに 動いてみせた!


          ・・・・・痛くない・・・


           痛くないぞ!



    と、呟いたとたん、私の中の小さな光は


       ピョン ピョン跳ねだした、


        そして、頭のてっぺんから突きぬけて


       シュポンっと・・・・上に飛び出すと、



       そのままクルクル、輪になり


        アタマの上で、踊りだした!


           ・・・・・しかも、歌っている!


      復活と、再生の踊りを、



    いや、踊っているのも、歌っているのも


        ・・・・・私だ!


       

   再生した首を ふりふり、ヘンテコな節までつけて


      私は、歌って踊る



   さぁ~、ナニしよう♪ さぁ~ナニしよう♪ ったら、


     ナニしよう♪ それっ・・・・・と、


      踊りながら、部屋をでて


          階段を下りてゆく


  

  やりたい事は、山ほどあった、


    時間はあっても、すぐに痛みだす首のために


      長い間、あきらめていた・・・アレコレが



  ほら、アレでしょ、それに、アレと コレと



    でも、まずお茶を一杯だね・・・と


      淹れてる間に、


     イの一番にやらなきゃいけない事を


      思いだした。



そうだ、アレやらなきゃね!



    そうだった、そうだったと、


     一口のんだ 湯呑みを置き



 また、二階へ駆けもどる、


   ささっと、机の上の物を片づけ


     次に、押入れを開け、


    いちばん下に置かれた


   プラステイックの収納箱をひっぱりだした。



 中には、しばらく封印してあった


       画材用具が入っている。


   そこから、色鉛筆と、パステル、何枚かの


    画用紙を取りだし、机の上にのせた。



 広い机の、一番手前に


   まっさらな 画用紙を固定し、


    その上には


   色別に仕分けして、四つの箱に並べた


    100色余りの、色鉛筆を置く、


  パステルの箱は、左におき


     右の隅には、小さなケシゴムと


   それをもっと、小さく削るためのナイフも


     準備した。



 だんだんと、嬉しさがこみあげてくる


   すると、私が座るのを、待ちかねたように、


  色鉛筆たちも、灯の下で、次々と


     輝きはじめた、



 虹色に並び、それぞれに自慢の色をアピールしながら


   私に挨拶する、


  「また、よろしくね!」と 言うと


   中でも、特にお気に入りだった 四本が、


     チビて、短くなった身体で


      かしこまり、


 「また、お会いできてうれしいです!」と言った。



   「ホントにね!またお世話になりますよ、


     やっぱり、この風景が、いちばん嬉しいわ」


      そう言いながら、



    一本ずつ、また ていねいに削り直し


     そのたびに、


   「いい色ね!」


   「 なかなか、ないよ、こんな色!」


    と、 褒めことばも惜しまない。



 すっかり、その気にさせた


   色鉛筆さんたちの 協力のもと、三日かかって


     絵が仕上がった。



   およそ、二年五か月ぶりの エンジェルさん!



 仕上げた夜は、嬉しさと興奮で


   なかなか、眠くならない、棚の上で


     小さな写真のエンジェルさんと、


      画用紙の中のエンジェルさんは


   パッチリと、おんなじ目をして、


こちらを見つめているのだから・・・・



復帰第一作の、絵を


   穴のあくほど 眺めてから、二人の天使に


    おやすみ、と言って、灯りを消し


      床に入った・・・・



 真っ暗闇の中で、眠りにつくまでの間


   いつものコトをはじめる。


  いろいろな存在に、自分なりの感謝の言葉を


   述べるだけなのだが、


     たいてい・・・・途中で寝てしまう


    言い終わらぬうちに、



 その日は、全部が終わっても


   まだ目が 冴えざえとしていた、


      足が冷え切っているせいだった、



  仕方ない・・・・温もるまで、待つしかないね


   と、頭の中では、昼間 読んだ、いくつかの


    チャネリングメッセージの事を


     思いだしていた。



  ふと、これまで沢山の、メッセージを読み


   日々共感しながら、


  夜、祈る時


   一度もその名前を挙げ、感謝の言葉を言ったことが


     ないのに気づいた。



  あらまぁ、いちばん、肝心な事を忘れていたなんて・・・


   早速、思いつく限りの名前を口にし始める、


     大天ミカエル、ガブリエル、ウリエル、・・・・・


    もうひとり、大天使・・・?・・・え~っと・・・・、


     どうしても思い出せない!


    なんだっけ、・・・メッセージの内容は覚えてるのに


     ・・・・・ああ、もう・・・・仕方がない、



   すみません、お名前を思いだせません、


    どなたか、というのはわかってるんですが、


  とおかしな言い訳をしたあとで、深く感謝してます!


    と、付け加えた。


 その、とたん不思議なことが 起こった!



  冷え切っていた足先が、みるみる温かくなってきて


    そのまま、足から腰、腰から背中と


     身体全体に広がって行きながら


   その温もりは、繭のように私の身体を


      くるんで いった。



  名前も思いだせない私に


   有り余るほどの愛で応えて下さったお方の


  名前は、


 

  大天使メタトロン!


     名前は、翌日になって


       やっと思いだしたのです。


     もう、二度と忘れません、


       深く、深く感謝します!




   つづく