「お出かけしない?」 と、誘われて | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

 一度はことわったものの、


    「 出かけなさいよ」 と、


   だれかの囁く・・・声がする



  えっ・・・・でもアタマ重いしねぇ


   それに、新聞の


今日のあなたの運勢、


  「 人混みに要注意。予想以上に疲労する」


    て、書いてあったよ


   ほら、こんな日にでかけたら、


    また帰ってきて、薬飲むことになると思う、きっと


     と言うと、



    「 そんな事ないって、行ったら何かあるから、


      いいコト」


  「 いいコトって?・・・・なに」


    「 それは、わからない、 行かないと」


  「・・・・・あ、そぉ」


    「 前にもあったでしょ、こんなコト」


  「 そう言われれば・・・・・あったような」


    「 ね、だから行っておいで」 と、言われて


      ふと、その気になり


     あわててケイさんに電話する、



平日のデパートは


    思った以上に、人が少ない


     ユウ君をのせたバギーで、どんなに


       服の間を練り歩いても


      ダレの迷惑にもならないし、


  「 よかったねぇ」 「うん、」


    と、普段は、あまりできない試着も


      それぞれ、二三回試すうちに


     ぴったり、


      気に入ったモノがあった、


   すると


    「 お客さま、このお品は、きのうから丁度


      値下げになっておりますが」


     ということは?・・・・


  「 え、ほんとに?」


     「 はい!・・・」


     結局、用意した半分の金額で


      済んでしまった


    

   これだ、いいコトは・・・・なるほどね!


     服を受けとりながら


       そう思った、



  「 ラッキーだったよね」 「そうそう、ねぇ~」


      思いがけず、安い買い物ができた!


    それだけで、


       自分たちって、もしかしたら、とっても


        運のいい人間?


          と思える母と娘、



     「 あれっ、お母さん、頭痛よくなったんじゃない?」


  「 ほんとだ・・・・ いつの間に」


    いつの間にじゃなくて、あの時だろう


     お安くなっております、って聞いた時


     

  「 マルちゃんの お迎えまで、まだ時間


     あるでしょ?」


     「 ある、ある、たっぷり」


   「 お茶しようか?」


     「 いいね」


    見ると、お利口なユウ君は、いい具合に


     寝てしまっている、


    シメシメ・・・


     バギーを、そろそろ押しながら


      いつものお店に入った、



  そこで、


    いつものケーキとコーヒーを


      いただきながら・・・・


     二人、今日の幸運について


      またぞろ 話してると、


        店の奥から、ダレやらが


           近づいてくる・・・・



 「 アケノちゃん、やっぱり!」


   「おお、E子ちゃん!」


 「 なんで、ここにいるのよ、アケノちゃん」


   「 なんでって・・・今日はたまたまよ、空いてたから


     入れたの、 E子ちゃんこそ、ひとり?」


 「 そう、私もたまたま、病院の帰り、ひとりだから


   いつもは入りにくいんだけど、


    きょうは、入ってみたところ」



    お互いの偶然がかさなって


   じつに 半年ぶりに、


     気になっていた互いの様子を


       確かめることができた、



   雪国育ちの


    透き通るような白い肌が、


     なんだか・・くすんで見える



     「 E子ちゃん、放射線治療やったんだっけ?」


  「 うん・・二回ね」


     「 あのさぁ、もう やらない方が、いいと思う」


  「 そう、じつはアタシも、そう思ってるのよ、それ、


    アケノちゃんに話したかったんだ」


     「 そうなの?、よかった!抗がん剤もよくないみたいね」


  「 そうよね…副作用も、ひどいもの」


     「 うん、お医者さんてね、自分が癌になったら、


       絶対、抗がん剤治療はやらないんだって」


  「 そぉなの・・・・」


     「 でもね、スゴい先生もいるのよ、北海道の江別市に、


        郷先生って方なの、


       この先生ね、抗がん剤、まず自分の身体で試すんだって


         どぉ! スゴいよね!


        それでね、これは大丈夫、って思ったものしか


          患者さんに投与しないんだって、」


  「 信じられない・・・神様みたいな先生ね」


     「 そぉでしょ、この話ブログで読んだとき、涙がでたもの」


  「北海道か・・・遠いね」


     「 お薬も、あんまり出さないらしい、


       だからお医者さんなのに、貧乏・・・」


  「 あらまぁ!」


     「 薬じゃ、治せないってことよね、


       食べなきゃ・・・・・・ごはん食べてる?」



     益々、ふくらんできた感じの E子ちゃんは、


       じつは、びっくりするくらいの


        小食、


    「 ごはん粒ね・・・昔から、ダメでしょ、


      相変わらずたべないけど、お味噌汁が


       ダイスキになっちゃったのよ」


  「 あら、いいじゃない! それがいいんだって、


    ねぇ、納豆は?」


    「食べてる、たべてる、毎食」


  「 そうなんだ、へぇ~・・・じゃ大丈夫!」


    「 でしょ、」


  「 うん、ご飯とみそ汁よ、 みそ汁万歳!」


    「 納豆、バンザ~イ!」



   バンザイなんて、久しく言ってないな・・・


     癌もちのオバサンふたり、


    バンザ~イ、なんて言える日は


      そうそうない、



     なんて・・・・嬉しい日!


      出かけてきてよかった、



 最近、テレビも新聞も信用してない・・・


   ネットで、当たり前のように流れてる情報が


     申し合わせたように、


    どのテレビ局でも、新聞にも


      取り上げられてない事に、


     おかしいと思いだし、不信感が


      募るようになってきた、

 


   考えてみれば、こういうモノから手にする情報は


     所詮、他所からのモノ、


    今まで、何の疑問ももたず、そのまま鵜呑みにし


      自分自身の中に、収め 蓄積してきたことに


       身震いがする、



  ひとり、ひとりが、


     それだけで 完全である、というのだから


       そうであるための、必要な情報を


         感知し、知る能力もすでに


           備わっているはず、


              では・・・・



     きっと、そう・・・・


      そう、思いませんか?



    目をつむり、一日をふりかえる内に


      なぜか、大きな安心に包まれているような


         気がしてきた、


     そして、


      ダレかの囁きを いつか、心待ちにしている


        自分がいる、




  ネオンさん、ロンパゲさん、


  お元気ですか!





    つづく