手洗いとうがい、野菜と くだものを | すずめがチュン

すずめがチュン

アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

たくさん 摂る、


 心がけていたのに・・・・・


   とうとう、風邪をひいた、


    元々の身体が、ちっとも上等でない上に、


   出会った風邪菌の方は、あいにく


      元気なモノだったらしい



  もう三日、 寝たり起きたり


     以前のように


   一日休んだら、次の日は すっかり


     良くなる、というわけには


       いかなくなってきた


 仕様がない・・・・・


     しばらく、大人しくしてるしかない



   飲んだら眠くなる、風邪薬をのんで


    少し咳も、治まり


  眠りに 就こうとしてる中で、うとうとと


    短い夢を見ている、


     また咳がでて・・・・


   目が覚める


     夢を・・・・・忘れてしまった、



 妙に・・・・


   気になる、 なんだろ


     思い出せない・・・


 また、横になり


   目を閉じる・・・一瞬、


      ある顔が浮かぶ、



    あっ、あの顔、


   あの顔だ! そう思ったとたん


    前に見た夢を思い出した



  その夢で会った、初老の女性が、


     今の夢で、また現れた?


   でも・・・・夢の内容を


          思い出せない、



  反対に、最初の夢を


    ありありと思い出す・・・



 四年前の、夢の中で


   その女性は、別れ際


     私に一本の


    ウツギの 苗木をくれた、



  すると 翌日、


    ほんとに、ウツギがやってきた、



   そのころ 我が家では、


     庭師さんが入り


      念願の 庭作りの最中で


  いよいよ その日は、


     注文してあった、庭木も植わり


    あとは


       道具をかたづけて・・・・と、


   作業も、終わりかけた頃、


     庭師さんは、クルマに戻ると


      一本の苗木をかかえてきて・・・・



    「これ、奥さんにプレゼント、更紗ウツギ、というんだけど


     きれいな花が咲くんだよ」 と、



   ウツギという名前に、思わず鳥肌が立った、



    きのう、夢の中で もらった空木が、


      時空を超えて


    きょう、私の庭にやって来た!んだと、


  

 それから、毎年、


    夏の始めには、うすピンクの蕾をつけ


    白い八重の花を


     たくさん咲かせて、甘い香りを


      漂わせている、



その空木の


 夢の始まりは・・・・


  ある小さな山を、登っていくところから



   お椀をふせたような山の


    道は、麓から


   右回りの螺旋をかくように


     上まで ぐるぐる廻りながら


       のびていた


 私は、そこまで・・・・・どうしても


   行かなければならない用があって


     急ぎ足で登って行くのだが、



    登り始めてすぐ


     この山が、見えていた山とは


   ちがう事に気づきはじめた



    木などない、草っぱらの丘のような


      山に見えたのに、


   一巡りするうちに、


     いつの間にか、山には


      大きな木が生え、


    道は、その重なった葉が、陽をさえぎる


      寒々とした山道に


      変わっていった



   もう一巡りすると、


     辺りに、霧がかかりだし


     なんだか、暗くなってきている、


      もうそんなに・・・


     長い時間 歩いてるんだろうか、


      早足で歩きながら


     霧のかかった木の間に


      ナニかを・・・・・


       見た、

   

   立ち止まってはいけない!


    だんだん、心細くなる気もちを


     打ち消し、歩き続けて


   また一巡りしたのが わかった時、


     木の間に見えたモノが


      ・・・・・・わかった、



   まばらに生えた木の間を、


     ぬうように這っている


  霧の中から、


     アタマを 出しているのは


       大小、何百という墓石だった、



   その墓石は


      山肌に立っているのではなく、なぜか


    そこだけ中空になった、山の断面に


      びっしり並んで立っていた、



   墓石の上には、どんよりとした


      密度の濃そうな、空気があって


    そこを巡る恐怖に、初めて


     足がすくんで、進めなくなった



   上を見ると、


     山の続きが のっかっている


      続きの山は・・・



      明るい色だ!


    そう思った瞬間


   そこを目指して夢中で、駆けだした、



 頂上にたどり着いた時


   下りるには、もう一度


    あの恐ろしい山道を


   通らねばならないことなど


    とたんに忘れてしまったくらい、



そこには・・・・・


    素晴らしい景色が待っていた



 一面の、よく耕された 畑には


    きれいな畝がつくられ、


  その畝には


    様々な作物が、見事に 育っていた、


  ところどころに、


   陰を作る、枝を広げた木


    その木の下に、人が見える



  近づくと、


    その人は、鍬をおろして、私を待っていた、


      声をかけようとして


   向こうに、


      たくさんの人が居て びっくりする


     初老に見える、その女性が


      この人たちの長で、


      畑の持ち主だというのが


       何故かわかった


  日焼けした観音様、そんな顔、


     ぷっくりしたまぶたの


       切れ長の細い目


      その目で、ニッコリすると


     なにか・・?という風に、私を見た



   「 あの、ここから下りていきたいんですけど・・・・」


     と言うと、


  「 ああ、それなら、今あそこに子供たちがいるでしょ、


    遠足にきてる・・・、


    あの子たちに、ついて下りれば大丈夫よ!」


     と言って、


   そこまで、連れていくと、


    畑の脇を囲むように植えてあった


  なにかの苗木を、ひとつ


    無造作に、スポっと抜いた、


   それを白い紙袋にいれると、


  「 これは、ウツギという木、家に帰ったら植えなさい」


    そう言って、手渡しながら


    もうひとこと


  「 あなたは、大人しいからね・・・・」


     と言い、


   「ありがとうございます、あの、お名前は?」


     と聞くと、


  「 學 」、という言葉が返ってきた



   言われた通り


  子ども達のうしろを、ついて


    帰り道は


   螺旋でなく、直線で


     かけ下り、


    あの不思議な世界は


     通らずにすんだ




  ヘミシンクをするようになって、


   この女性に


   あと、二回会います。




   つづく