「 もしもし、お姉ちゃん、アノサ~、日曜日 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

 なんかある?」


今日も、唐突に はじまる、妹の電話、


 「え・・、ないけ・・・」ど、と言い終わらぬ内に、


「 夜さ、霧島に行かない?、面白~いひとたちが、


 集まるんだって、でね、シャンソンも聴けるらしいよ、


  ぁ、食事つき、3000円、五時に迎えに行くけど、 


 そっちに・・・、どお?」


毎度、話にムダがない、


 聞きたいことは、全部言ってくれてる、


まぁ、良しとしよう・・・・


 あと、足りないのは、


  始めの、あいさつだけだ、


「 いいよ!、行っても」


 面白~い人たち?って、・・・・あんな風な、


 そう、そんな人たち!


妹の言い方には、


 そんな匂いがするのだが・・・・、



こんな時の石橋は、たたかない、


 すぐ渡る、鼻歌で、



日曜日の 朝、


 ひどい頭痛で、目が覚めた、


カーテン越しに 見える空は、


 明るくない・・・・曇ってる、


どおりで、


 寒いはずだと、エアコンの温度をあげ、


  コチコチの、首や肩をほぐしながら、


 しばらく飲まずにいた、頭痛薬を、今日は、


  飲むことに決める、


夕方からのお楽しみに備えて、



 今晩のオカズを、焼き魚にしたのは正解だった、


  昨夜の内に、タレに漬けておいた 切り身のブリは、


  でかける30分前に、焼くだけだし、


 あとは、味噌汁、これもしじみ汁だから、簡単、


それで足りなかったら、


 冷蔵庫から、お節の残りの、煮豆や、きんぴらごぼうでも


  なんでも出して、食べてちょ~だ~い、


 わるいわね~、今晩、ア・タ・シ・おでかけだからさ~、


 と、ひとり言に 節つけて、


  唄いながら、


五時前には、ちゃちゃっと全部すませて、


 家を出た、



約束した場所に向かっていると、


 ちょうど、こちらに向かってくる、


 妹のクルマが見えた、


どちらも、待つのも、待たせるのもイヤ、


 という性分で、


  こんな時は都合がいい、


 イライラしないで済む、


「 ちょっと、早く着いちゃうかもね」


 「 うん、その時は待ってればいいよ」


いつもは、薄着の妹も、着こんでいる、


「 霧島は、さむいと思ってさ、」


 「私も、ほら、オーバー引っ張り出して着てきた」


ポケットには、カイロまで入れて、、


 更にバッグには、予備をもう一個、と


 これは念のため、玄関を出てから、また引き返して


  持ってきた、




出発して、30分後、


予想通り、予定より、


 20分も早く着いてしまった、


「 時間まだだから、待つ?、電話してもいいけど、


 忙しかったら、ワルいしね、」


 「 うん、そうしよう」


 20分が、長くても、短かくても、


どっちにしても、久しぶりだもの、


 さっきの話の、続きをすればいい、


まだ終わってないんだから


 カイロのお蔭で、身体もぬくぬくだしね、


話し込んでる内に、20分はあっという間に過ぎて、


S君が、窓をコンコンと叩くまで気づかなかった、



 目的の別荘は、そこからほんの 二三分、


 何度か 枝分かれした道を、


「 たしか、右に、右に、二回入ったよね、お姉ちゃん覚えといて」


「 わかった!」


 帰るときのために、忘れないようにする、


辿りついた別荘には、


 五六台のクルマが、もう横付けされていて、


 玄関には、クツが溢れていた、思ってたより多い?


  Sくんのあとからついてゆく、


寒々とした、玄関とはうって変って、


 暖かい空気と、美味しそうな匂いが充満してる


  部屋に入った、


 薪ストーブと、大型の石油ストーブ二台、


それぞれ、上には、大なべがのっかっていて、


 20人ほどの人達が、


それを取り囲んでいる、どう見ても、


 アットホームな感じの、ホームパーティだ、


もしかして、違った!


あら!・・・妹もそんな顔で、あたりを見回すと、


 固まってしまった、


来ちゃったもんは、仕方ないよ、


 そんな風に、妹の背中をおして、勧められた席につく、


ひょっとしたら、オモシロ~イの面白いは、


 楽し~い、の意味だったのかも・・・・しれない、



いかにも、料理好きという感じの夫婦が、厨房に居て、


 そこから、次々と出される料理は、


 どれも、予想以上に 美味しかった!



突然、マイクの音が響いて 振り向くと、


 気づかない間に、


窓際に、キーボードが セットされていて、


その前を、少しだけ開けて、


 皆、おもいおもいの場所に、移動し始めると、


厨房にこもりっきりだったご夫婦も、


 グラスを持って、出てきて、


やがて、ミニコンサートは、始まりました、



とても、76歳だとは思えない軽やかな演奏、


 自分もハミングしながら弾かれる、6曲は、


よく知られた映画音楽、


 シャルウイダンス、第三の男、ロミオとジュリエット、ひまわり、


  など、いいねぇ~!・・・



続いて、この吉村先生の、お弟子さんだという、


 宮己さんの唄って下さったシャンソンは、6曲、


  なぜ、私に愛を語らせない、小雨ふる道、黒いワシなど、

  

   題名が、すでに、シャンソン!



他に、あと二曲、


 恋心と、ピアフの愛の賛歌を、


その、愛の賛歌の歌詞が、知ってるものと違って、


 あまりにも、ステキだったので、


 お尋ねしたところ、


原曲に沿って訳された、なかにし礼さんの歌詞、


 正に、ピアフですね、



 空が落ちてきても  大地が破れても 


 私にとっては  どうでもいいの


 朝がめぐるたびに  あなたの愛があり


 震える私がいれば  それでいいの



あなたの為なら  この黒髪も  金に染めます


あなたの為なら  夜空の月も  盗んでみせる


あなたの為なら  友を裏切り  祖国も捨てる


人が私を笑おうと平気 なんでもできる



 別れの日が来たり  あなたが死んだ時


 私は迷わず  命を絶つわ


 青い空に抱かれ  神の意志のままに


 永遠にふたりは  愛し合って生きる



いいですよねぇ~・・・


 いつも唄ってる、もうひとつの方が・・・・・


おままごとの愛に、思えてくるくらいの迫力ですね、


 大拍手の内に、コンサートは終わりました、



 で、その晩はそれで終わり、


  何もなかったの?というと、


   ・・・・・ありましたよ、



  つづく