シャンソンが終わり、組み立ててあった、 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

キーボードを、男性陣がてつだって、


 しまい始めると、


女性は、交代で厨房にはいり、


 皿を洗い、瞬く間に、


三つのテーブルの上は綺麗になった、



すぐに、


 お菓子や、おツマミを盛った 皿が並び、


グラスと、新しいワインも載せられて、



これは、いよいよ?


 ナニかが始まりそうだ、


急いで、ソファに場所を替えると、


 面白いことでもあったら、書きとめるつもりで持ってきた、


小さなメモ帳をだして、待つことにした、



けれど、


 ついに、ナニも起こらず、


ほんとは、秘かに期待してた、


こんな人たち、例えば、


 スプーン曲げられますよ、とか、


 実は、 オーラ見えるんです、とか、


 よかったら、過去生、見ましょうか、なんて人が来てて、


そんな人たちの話を、


 二人で、目を輝かせ、大いに 興奮しながら聞く、


 そんな晩の、はずだった、



 ・・・・・やっぱり、楽しいホームパーティ、ってことか、


そう思って、まわりを見ると、


 どの顔も、身体があったまり、お腹も、心も満ち足りて、


   ほんとに 幸せそう、



そうでないのは、


  お目出たすぎる、思い込みのせいで、


  勝手にがっかりしてる、私たちだけだろう、きっと、


 そのギャップが、顔に出ないようにしなければ・・・・


  

 正直な妹の顔は、ちょっと心配だ!



その妹が、さっきからいない、



シャンソンが終わって、


 用足しに行ってから、帰ってこない、


 

見まわすと、部屋のすみにいた、


ダレかと、話している、



 前のカウンターに、並んで座っている人達の、


陰にかくれて、よく見えないが、


その隙間から、


 もう一人の姿も見えた、


長身の妹とちがって、小柄らしいその女性の顔は、


 前の 男性の陰にかくれて、


ほとんど 見えない、


 ピンクの肩掛けが、間から少し、見えるだけだ、


 

妹は、時々、うんうんと頷いたり、


 首をかしげたりしてる、


しばらく見ていて、妹の話し相手に興味がわいてきた、


 なんでもない話なら、時には周りに視線が


向けられてもよさそうなものを、


 もう30分も、 


妹は、前を見続けたままだ!


 ナニを話してるんだろう?



そろそろ、帰ってもいいかな、という気持ちもあって、


 傍まで、行ってみることにした、



思った通り、


 すぐ後ろに、椅子を寄せて、私が座るまで


  気づかない、


ビクッと肩をあげて、「ああ、びっくりしたぁ!」と 妹が言うと、


 目の前にいたその女性も、


ノートから、顔を上げた、


 あれ、こんな人、いたっけ?


小柄で、ぽっちゃりとしたその女性は、


 人のよさそうな笑顔で、軽く会釈した、


ノートには、妹の字で 名前と生年月日が書いてある、



 やっぱり、


どうやら、面白~いひとが、一人はいて


 くれたらしい!


その方が、いいんですか?と言う風に、妹をみると、


 「 姉です、 いいです」と妹は言って、


続けて、


 「 他に、気になるところとか、・・・・ないですか?」


と言うと、



(充琴・みこ)さんは、


 うつむいて、目をつむり、大きな息をすると、


 ・・・・・ぶつぶつ、頭の中のヒトと、話し始めました、


「 わからない・・・・日本語で・・・お願いします・・・・・もっと、もっとゆっくり・・・


 ・・・・はい・・・・はい、」


 ひょっとして、充琴さんの相手は、外国の人?、


その人は、妹に伝えたい事が、山ほどあるみたいで、


 懸命に、まくしたてているのだけど、日本語にして


伝わってくるのは、その半分ほど、と説明しながら、


 その後で、言われたのは、


(三月から四月にかけて、とってもいいことがありますよ)、


(黒い服は、やめなさい、ピンクか水色を着るように、)


(お人好しでいることを、もう止めなさい)、でした、



特に、最後のは、


 何度も、繰り返されたそうで、


妹の後ろに立って、と充琴さんも言ってましたから、


 妹の、ガイドさんですね、


「もうひとり、小さい頃からずっとついてて下さってる人は、


ここにきて、ホッとして、今休んでおられますよ 」とも、


 この方は、あの細川のお婆ちゃんです、きっと、


妹の、二人目のガイドさん、


 知りたい、この外国の方、



せっかくなので、私も、聞いてみました、


 「ナニも今は、とりたてて悩みもないんですが、・・・・」


これは、ほんとです、


 昔はあった、いろいろな悩み、今もそのままの形で


どこかに、ありますが、


 色々な事を知るようになって、


それが、“ 悩み ” では、なくなってきました、


 ちょっと、困ること、ぐらいに縮んでしまって、


  いつもは忘れてて、気にもならない、


 「 ないんですが・・・、充琴さんから見られて、なにか気になること、


 ないでしょうか?」と、


すると、フフと笑って、


 「 去年あたりから、変わりましたね、ずい分、


   楽になってるでしょ 」 と、


 「 はい、そうなんですよ、サボるようになりましたから、


  お蔭で、とっても楽ちんです、変わりました、自分も、周りも」


  と言うと、

 

「もうひとつ、・・・その変えました、というのを忘れなさい」


 と言われるので、そうか、と思い、


 「 前から、そうだった、と思うんですね」


 と言い替えると、


「 いいえ、変わった今の自分、それだけが自分です、今です!」


 言われて、ハッとしました、


今を意識して、今日を生きることを、自分はやっていたつもりでいたのに、


 できてはいない、


「 もっと、伸びきっていいんですよ、ゴムみたいに」


 そうなんですか!、ゴムみたいにね・・・・


 伸びきったところで、いっそ、パツンと切ってしまったら、


 また全然、ちがう人間に、生まれ変われそうな気もする、



時々、夢の中ではそんな人間になってるが、


 アレだな、


なんにしても、もっと伸びなさい、なんて、


 な~んて、嬉しいお言葉だろうか、



ここにきて、やっぱり今晩来て、よかった!


と思うことでした、





  つづく