2025/04/07 中日新聞朝刊

 【愛知県】終戦後に中国で残留を余儀なくされ、日本に帰国後に亡くなった中国帰国者の慰霊祭が6日、名古屋市天白区の八事霊園にある中国帰国者公墓「平和の碑」であった。中国帰国者の遺族や関係者ら約30人が、故人の冥福と平和を祈った。

 中国帰国者は、1930年ごろから日本の国策で旧満州(中国東北部)に渡った開拓移民のうち、終戦後の混乱で旧満州に取り残された人たち。養父母に育てられた「残留孤児」や中国人と結婚した「残留婦人」として現地で暮らし、日中国交正常化後の80年代以降に帰国が本格化した。

 公墓は95年に建てられ、中国のお彼岸にあたる「清明節」の前後に毎年、慰霊祭を実施。現在は、県にゆかりがある中国帰国者やその家族らを中心に、21柱の遺骨が納められている。参列者たちは、住職が読経する中で順番に焼香し、故人に思いをはせた。

 公墓管理委員会の事務局を務めるNPO法人「中部日中友好手をつなぐ会」の木下貴雄理事(60)=名古屋市港区=は「中国帰国者はもともと言葉の壁があり、高齢になる中で日本語を忘れてきている人も多い。社会で支える仕組みづくりを進めていきたい」と話した。(牧野良実)