2024/05/17 NHKニュース

 1930年代から、旧満州、現在の中国東北部に国策で農業移民として渡り、日本に戻ることができずに亡くなった人たちなどを追悼する法要が、都内で行われました。

 主催した会は、会員の遺族が高齢化していることから解散を決め、関係者が集まって行う法要は、ことしで最後になるということです。

 東京・台東区の本龍寺(ほんりゅうじ)で法要を行ったのは、1932年に群馬県や長野県、東北地方などから、旧満州、今の中国東北部に農業移民として送り込まれた満蒙開拓団「弥栄村開拓団」(いやさかむら)の遺族らです。

 満蒙開拓団では全国からおよそ27万人が移住し、そのうちの8万人がソ連の侵攻など戦中戦後の混乱で死亡したとされ、終戦当時、およそ2000人の村を作っていた弥栄村開拓団でも多くの人が犠牲になりました。

 きょうは遺族などおよそ20人が参列し、お経が唱えられる中、焼香するなどして犠牲になった人たちを悼みました。

 法要を主催した「弥栄会」は、このあと開いた総会で戦後79年となり、会員の遺族が高齢化していることから解散を決め、関係者が集まる法要もことしで最後になるということです。

 会の前島進(まえじま・すすむ)会長は「続けたい人はいると思うが、高齢化でやむなく解散します。私たちは戦争であちこち逃げた経験があるので、いまのウクライナやイスラエルの戦争を見ると、なぜ戦争をするのかと考えてしまいます。戦争をしないようにしてほしい」と話していました。