2008/11/15 大阪読売新聞
◆来年度60周年
「生徒は学びたいという気持ちでつながっている」――。来年度創立60周年を迎える神戸市須磨区の夜間中学校・市立丸山中西野分校で14日、文化発表会があり、同分校3年の9人が学ぶことの楽しさや、夜間中への思いを感情豊かに表現した。生徒たちは今、青春を謳歌(おうか)している。
夜間中は戦後、学校に通えない子どものために、各地で夜間学級ができたのが始まりとされ、1949年に全国で初めて神戸市に夜間学級が認可された。同分校は翌年、西野分教場として誕生。一時、市内の夜間中は8校にまで増えたが、現在は2校となっている。
同分校の全校生徒は38人で、戦争で当時学校に通えなかったお年寄りのほか、中国残留孤児やベトナム、ブラジルなどの外国人も多くなっているという。
分校の草京子教諭(55)が夜間中が減りつつある現状をみて、その必要性を訴えようと、生徒全員で声を合わせたり、一人で読み上げたりする「群読」を計画。昨夏から資料を集めて原稿を書き、生徒がそれぞれの思いを加えた。
舞台に上がった21~73歳の男女9人は、当時の校舎の写真などをスライドで映しながら、分校の歴史などを読み上げた。さらに「日本語をもっと勉強して社会にとけ込み、いつか自分の道を見つけたい」「子どものころは国が混乱していて勉強できなかった。今一生分の勉強をしている」など学ぶ喜びをストレートに表現していた。
戦争で学校に通えなかった同市須磨区の長田敬子さん(73)は「勉強は楽しい。行きたい高校があるので、来年受験します」と話し、群読の最後に「西野分校に来て自分の青春が始まった。もっと勉強して人生の花道を飾りたい」と読み上げた。
写真=夜間中学校への思いを朗読で伝える市立丸山中西野分校の生徒たち(神戸市須磨区で)