ゲスト参加の千尋と申します。 本日は! キャストビジュアルが全員公開となりました!!




壮観〜〜〜!!
わたしはゴスなビジュアル的にもキャラクターとしても少し浮いた存在? ヴィラン的な立ち位置でございます。
今日は全体稽古以外の時間に、他の登場人物たちとの関係性や台本の解釈について葭本さんと相談を重ねました。
「答え当てさせ」方式、「俳優の読解力に全責任を背負わせ、正解が出るまでダメ出しし続ける」稽古ではなく、気負わずに対話を重ねて解釈を擦り合せることができるためとてつもなく効率的に進んでいます。全現場こうであれ。
今作の脚本を読みながら、今までずっと考えたり話してきたことの点と点が繋がって源流へと近づいていくような思いです。
さて。葭本さんのこのツイート、
葭本さんのこのツイート、ピンと来た人もいれば来なかった人もいるのではないでしょうか。
実はわたくしこの夏、心理士から解離性障害のチェックを勧められ、簡易的なテストを受けました。
あまり知識のなかったわたしの解離性障害への認識は”いわゆる多重人格とか、知らない間にぜんぜん違う場所に行っていたりするようなものすごく大変なもの”でしたが……
チェックリストを読んでぶったまげました。
わたしは主にメソッド演技(※ロシア発・スタニスラフスキーシステムを源流とするいくつかのアメリカの演技法の総称)育ちなのですが、
俳優教育を受ける中で”自意識から解放された良い芝居”と褒められた時の状況が、解離を起こしている状況ーー自分自身の意識を俯瞰し、自分の思考を手放しながら別人格としてドライブしていくことと限りなく似通っていたからです。
『感情的なシーンほど、冷静な自分が隣から見ているような感覚で演じる』
『演技中の記憶が曖昧で、自分ではいまいちだったと思っている時ほどものすごく褒められる』
こういうアドバイスやエピソードは自分自身も周囲でも頻繁に見聞きしていました。
そして解離状態への対処法(呼吸法・グラウンディングによる心身のコントロール)もまた、俳優教育で学んだことと酷似していました。
わたしが受けていた演技教育は、「意識的に解離状態を起こしつつ、同時に心身のコントロールをギリギリの塩梅で保つ」方法でした。
教育者の多くは学生が演技中コントロールを失わないよう注意を払いながらメソッドを教えてくれましたが(とはいえ心理資格があるわけではないので、クラスはいつも綱渡りのような時間でした)、
現場においてほとんどの演出家は解離状態のパフォーマンスだけを強く望み、時に強制的に役柄と同じ感情を俳優から引き出そうとします。
怒りをぶつける、トラウマを引き出す、孤立させる、女優に最も強烈に影響を与えるのはーーレイプすること。
罠にかけ、感情を操作する。
強いストレスと混乱によって強制的に起こさせた俳優の解離状態はまるで『役に憑依した』ように見えます。
フラッシュバックのスイッチさえ握ってしまえば、何ステージも繰り返す舞台や、何カットも繰り替えす映画撮影にも耐えうる強固な再現性のある憑依ーー解離状態を引き起こすことが出来ます。
そういった演出者にとって、俳優のその後の人生は重要ではありません。
ドーピングで使い潰した俳優が消えたとしても、俳優の献身によって作品が評価されれば出世するのは自分ですから。
さて、わたしの母校であるスタジオには、マーロン・ブランド……ハリウッドのレジェンドたるメソッド俳優のポスターが当時掲示され、みな彼を崇拝していました(今はどうかわかりませんが、今もそうかもしれません)。
わたしが母校を卒業したのち、ブランドの主演映画『ラストタンゴ・イン・パリ』の撮影において、監督のベルトルッチはブランドと共謀し、相手役の女優に屈辱的なレイプシーンの撮影を事前に知らせず行ったことを明かしました。
観客が迫真の演技と評した場面は、本物の反応だったのです。
スプラッタ映画を見ていたつもりが、スナッフ・フィルムを見せられていたようなもの。
ベルトルッチとブランドは当作品でアカデミー賞監督賞・主演男優賞にノミネート。
さらにブランドは同年の『ゴッドファーザー』で主演男優賞を獲得。
また、ベルトルッチはレイプシーンの撮影について告白した数年後にもかかわらず、2018年の没後アカデミー賞で追悼されました。
そして、相手役の女優マリア・シュナイダーは注目を集めるも『スキャンダラスな作品に出た女優』のイメージを背負い、精神的な問題を抱え自死未遂も経験し、50代という若さでこの世を去りました。
性加害者に権威を与えてはいけないと発言するたび、現在の価値観を持って過去を裁くな、という言葉をぶつけられます。
しかし、ナチスに対し当時の支持率を言い訳にして反省せずにいたら、ドイツはいまどのような国になっていたでしょう?
間違っていたことを間違っていたと、現在の価値観を持って定義し直さない限り、加害と犠牲は繰り返されます。
『女の子は死なない 実録演劇犬鳴村/男尊演劇死滅譚』は、この再定義に挑む作品だと考えています。
な、ど、長々と真面目ったらしいブログになってしまいましたが、本編はギャルがギャルピで歌って踊ることで、明るく語り直す近代演劇史です!
劇場で、配信で、お待ちしております!

千尋 as 女1(悲しき名誉男性演劇人)
(NINTH HOUSE)

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