あなたの学習回路を起動、加速させる学習コンサルタントの宇都出です。
今日は読書、勉強に役立つ新刊本の紹介です。
もう7年前になるんですね……。ベストセラーになったこの本、覚えていますか?
著者は、当時「ロボットは東大に入れるか?」と銘打たれたAI(人工知能)プロジェクトを率いておられた新井紀子さん。
その新井さんが、「RST(リーディングスキルテスト」という「読解力」に関するテストを用いた調査・分析を行う中で発見された「教科書が読めない子どもたち」(実際には大人たちも含む)の実態を紹介された本です。
あれから7年がたち、AIはChatGPTなどの生成AIの出現で、一気に進歩が加速しました。
そして「読解力」について、新井さんは「教科書が読めない子ども・大人たち」が教科書を読めるようになるトレーニングを開発し、実践、実績を積み重ねられてきました。
それをまとめられたのが、こちらの本です。
では、この「シン読解力」とは何か?
ただ、私の「シン読解力」が低いのが、本書を読んでも、明確に「シン読解力とは…」という定義を真正面から解説された箇所が見つけられなかったんですよね…。
第2章「シン読解力」の発見 に書いてあると思うのですが……。
で、新井さんが主宰する「教育のための科学研究所」のホームページから、「シン読解力」の定義を引っ張ってきました。
「シン読解力」とは、教科書や辞書、新聞などで使われる「知識や情報を伝達する目的で書かれた自己完結的な文書」を読み解く力のことです。
ただ、この定義を読んでも???と思いますが、このあたりは、ぜひ本書を読んでみてください。
なお、本書の前半、第4章までは、私にとっては正直、冗長に感じました。
「シン読解力」を測定するRST(リーディングスキルテスト」による以下の2つの研究成果をこれでもか、これでもかと伝えるものだったので。
- シン読解力は、学力に直結する。
- シン読解力は、進学しうる高校や大学の偏差値に直結する。
5章の「シン読解力」の土台を作る では、読解における語彙の重要性、およびワーキングメモリの限界と、「認知負荷」を下げることの必要性が書かれています。
このあたりは、ストックの重要性、そしてワーキングメモリをいかに有効的に使うかをお伝えする私としては、「その通り!」と同感することが多かったです。
「認知負荷」については、このブログで何度か取り上げているので、右上の検索窓から「認知負荷」で関連記事を読んでもらったり、下記のブログ記事などもチェックしてみてください。
KTK(高速大量回転)法の実践の土台としても、この「シン読解力」はとても大事なので、私としてもさらに「シン読解力」、および、それを判定する「RST(リーディングスキルテスト)」については、学んで、実践していきたいと思います。
チェックしてみてください!
ただ、巻末にある「大人のためのトレーニング」の最初の「同義文判定」の問題の解答・解説がピンとこなかったんです。
以下の2つの文章が「同じである」か「異なる」かという問題です。
「水星・金星・地球と火星は地球型惑星である。」
「水星・金星・地球や火星は地球型惑星である。」
あなたはどっちだと思われますか?
「と」と「や」が違うので、全く同じである、ということはないと思いますが、一つ目の文章に関する解説が、私には???でした。
「(前略)ひとつ目の文は、水星と金星と地球と火星「だけが」地球型惑星であることを意味しますが(後略)」と書かれていましたが、「だけが」とは限らないように思えるんです。
私の「シン読解力」の低さのせいかもしれませんが……。
あなたはどう思われますか?
それも含めて、チェックしてみてください!
今日はこのへんで。
ご意見、ご感想、ご質問はお気軽にコメント欄まで。
宇都出
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