「スイッチフルバック学習法と高速大量回転法」。

前回の前ふりに続き、1回目です。


(以下、メルマガからの引用)



さて、今号は、


     ● 「スイッチフルバック学習法と高速大量回転法」 ●


  前号で少しご紹介した「スイッチフルバック学習法」なる勉強法につい
  て、高速大量回転法との比較をしながら、解説していきたいと思います。

  
  「スイッチフルバック学習法」とは、1988年に大陸書房から出版された
  『スーパー受験術―驚異のスイッチフルバック学習法』(小谷一著)
   → http://amzn.to/a8OpDJ で知られるようになったものです。

  この本は現在絶版ですが、先日、古本で手に入れて読んでみました。

  本書から少し引用すると、

 
     「スイッチフルバックとは、一日一日の目標を設定し、
      毎日毎日、目標を切り換え(スイッチ)ながら、そ
      のつど元の第一ページに戻って(フルバック)記憶を
      確認し、深めて行くという学習法のことである。」


     「かんたんにいうなら、一日5ページの目標を設定した
      ら、第一日目に1~5ページをやり、第二日目には
      6ページ目からでなく、また1ページ目から始めて
      10ページ目までやるというやり方である。」


  どんな方法かおわかりいただけましたか?

  おわかりいただいた方は、

   「これって、だんだんときつくなるんじゃないの?」

  という疑問をもたれたことでしょう。


  仮に1日5ページとすると、毎日、範囲が5ページずつ増えていくわけ
  ですから。

  そして、高速大量回転法をご存知の方であれば、


   「確かに繰り返すなかで、だんだんと読むスピードは上がって
    くるけれど、それで対応できるのだろうか?」


  という疑問を持たれたことでしょう。


  高速大量回転法の二大原理の一つ「1回目よりも2回目のほうが速く
  読める」がありますから、何回も何回も繰り返される最初のページ
  であればあるほど、そこは速く読めるようになります。

  ただし、毎日5ページずつ新たなページを増やしていくわけです。

  単純に考えれば、毎日必要な時間はどんどんと増えていきます。

  これについて、本書は次のように書いています。


     「もちろん、初めてのページについては時間を
      かけてじっくり覚えるための努力をするのだ
      が、二日目以降からは、時間をどんどん短く
      しなければならない。」

     「二日目以降は「なぞり」なのだから、時間を
      かけないでというより、内容把握の時間を意
      識的にどんどん短縮するのである。」

     「ページ数がどんなにふえても、一時間以内で
      終わらせるようにしなければ、いくらなんで
      根気が続かない。記憶確認の時間が速くなる
      一方で、意識的に速めていくことも必要なの
      である。」


  ここでは「1時間以内」という制限時間が示されています。

  本書では、大学受験の世界史対策として、世界史の教科書を
  1冊丸暗記することを例として挙げているのですが、そこに
  費やす時間は1日最低1時間以内だといっているわけです。

  おそらく、最初のうちは、余裕で1時間以内で終わるでしょう。

  ただ、だんだんときつくなってきます。そこはとにかく速く読む
  ことで対応するということのようです。

  ここは高速大量回転法ではどう考えるかといいますと、
  高速大量回転法のもう一つの原則


         「速く読むから理解できる」 


  を活用するのです。

  これは、もう少し詳しく言えば、


     「わからないところでとまらないで先に進む」


  ことです。


  細かいところ、瑣末なところに迷いこむのではなく、全体像を
  できるだけ速くつかみ、文脈を理解することで、部分を理解し
  ます。

  
  一方、「スイッチフルバック学習法」の場合は、1日5ページとい
  ったように、そこは速く進むというより、ゆっくりじっくりと
  進むことで理解をしていこうとしています。

  このあたりは、スイッチフルバック学習法と高速大量回転法の
  考え方の違うところだと言えます。

  ただし、この


    細かいところ、瑣末なところに迷いこむのではなく、
    全体像をできるだけ速くつかみ、文脈を理解するこ
    とで、部分を理解する。

  
  点について、「スイッチフルバック学習法」では、ある工夫でカバー
  しようとしています。

  それについては、次号以降で紹介したいと思います。


     ● 「スイッチフルバック学習法と高速大量回転法」 ●


  まずはいかがだったでしょう?

  このように、高速大量回転法とは違う勉強法と比較することで、
  高速大量回転法の特徴がさらに見えたり、場合によってはより
  改善するための方策も見えてくると思います。


  ぜひ読者のあなたも、ご自身の勉強法を確立するための参考として
  ご活用ください。

(メルマガ引用終了)