こちらの地金をご覧になって、皆様でしたらどちらに極められますでしょうか?(毎度ながら、写真が下手糞です!刀の写真がうまい方は、本当に尊敬します。)

鑑定的な表現で紹介しますと、匂口絞まる直刃を焼き、地金は良く積んだ無地肌風となります。
ちなみに、内曇を入念に引いて拭いをかけています。写真時、後刃は拾っていませんが、後日化粧しました!結局数日かけて、鑑賞研磨を施してしまいました(笑)。
さあ、お判りになりましたでしょうか?
ヒントは、若干鉄が白けた感じを受けます(拭いで色合いを調整しているので、写真からは分かりにくいです)。本品は四字銘?ですが、一般的には受領名で呼ばれています。
ボチボチ解答です。

正解は、肥後守(肥後隆義)でした!近所の文房具店で、数百円で買える便利グッズです。
全く無意味ですが、下地を整形し、入念に研摩を施しました。茎がなくて折りたたむ形状の為、ハバキ元?周辺は砥石がとどきません(笑)。
解説には直刃と書きましたが、ひっかけです(ごめんなさい)。刀身に「本打割込」と刻印されている通り、実際は刃金と地金の鍛接面です。
そして、地金ですが何度見ても良く積んだ新々刀地金にしか見えませんが、これこそが無鍛錬の鉄に入念に砥石を当てた時の景色なのです!(軽自動車の板バネでも確認済み)。肌?だけ見たら新々刀期の大阪・肥前あたりに紛れます。
では、なぜただの鋼材が鑑賞の魅力あふれる鉄味を楽しませてくれるのでしょうか?それは刀剣研摩という技術が、鉄に高度な芸術性を付加する技術であって、そもそも肌など無いはずの鋼材でも鑑賞に堪えうる要素を加味してくれるからです。

上級テクニックですが、真の刀剣の美しさを鑑賞するには、表面の技巧的な美しさに惑わされないように、表層を頭の中で一枚剥いで鑑賞する技術を身につけることが重要だといいます。
最近、蕗鉄鍛えなる刀身(茎に銘記あり)を研摩しましたが、どう考えても無地肌の鉄板の様な研ぎ味でした。この蕗鉄なる材料は、おそらく溶鉱炉製の鉄という意味であろうと思いますが、玉鋼由来の鉄とは何か違うものの吸い込まれるような美しい地金でした。