長期に及ぶ脇差の修復作業が終わりました。








このたびのご依頼は、手をつけないところが一箇所も無いという、壮絶な状態で持ち込まれましたが、何とか完成です!




お客様のご予算の都合もあり、白鞘やツナギを作ることはできませんでしたが、ベストなコンディションにまで修復することができました。




また一つ、後世に残る刀剣が増えたと考えると、刀剣の修理は遣り甲斐のあるお仕事だと思います。

刀装具には下手物から上手物まで、様々な作品があります。

特に目貫に関しては、江戸期に技巧にこった素晴らしい作品が数多く世に出ました。


上手の目貫は、その肉置きの見事さも一つの見所なのですが、必ず使用を意識した作りこみになっています。



写真は、江戸中期の目貫を横から見たところです。


柄に巻き込んだ時にガタツキが発生しないように、柄成りに合わせて湾曲していることがわかります。


現代の金工作の中には、この部分が真っ直ぐに作られているものを見かけることがありますが、やはり実用の美という意味で時代物に軍配が上がります。


昨今、ネットオークションなどで素晴らしい刀装具を見かけることがありますが、信じられない安価で落札されているのを見ると何だか複雑な気持ちになってしまいます。

TVで、多摩川河川敷に暮らすのら猫とホームレスのドキュメント番組を見ました。




あるホームレスは、人生に絶望し自らの命を絶とうと首を括ると、制止しようと騒ぐカラスと足にしがみ付く猫に我に返ったといいます。


また、あるホームレスがかわいがっている老犬が、瀕死の子猫をつれてきて必死に看病を続けたといいます。


私たちがそのような状況に直面した時、とっさに適切な行動がとれると断言できるでしょうか?


どれだけ社会的な地位や財産があっても、カラスやのら猫以下の人間はたくさんいると思います。




これだけ貧富の格差が拡大した社会で、生活に苦しんでいる人たちはたくさんいますし、これからますます増えていくでしょう。


そんな社会的弱者の助けになる様な伝統工芸の立ち位置を確立できれば、衰退甚だしい伝統工芸にも新しい明日が開けるのです。


そのための布石作りのためにも、啓蒙活動を続けていきたいと思っています。

末備前系大摺り上げ脇差し刀身の研磨です。



働きが面白いので差し込み研ぎで仕上げてみましたが、どうにも刃中が決まりません。

こういう場合、刃先だけ化粧を施してごまかしても良いのですが、お刀の個性が死んでしまう様で悩みどころです。


ここ数日、確定申告のために毎日税務署へ行き、修正に修正を重ねているのですが、またもや記載漏れを発見してしまいました。

そんなこんなで気持ちがそぞろになっているのでしょう、精神状態が工作に影響を与えているとみえて、刀剣にあった砥石や技法の選択がどうも煮えきりません。


私の街では、税務署への行き返りは、電車で行くと乗り換えて2駅、自転車で行けば山一つ越えるだけ。

当然、自転車で行くわけですが、この山越えが割りと難関!ちかみちの舗装されていないがけ道を爆走したり、心臓破りの階段を自転車を抱えて登ったり、書類の不備が発覚するたびに山を越えて税務署と家を往復するのです。


しかし、税務署の人というのは、狙っているのか、ふざけているのか、聞いたことしか答えてくれないため、学習するたびにボロボロとミスが見つかります。昨日は2往復する羽目に・・・。

明日も税務署の外まで続く行列に並ぶのか~と思うと気持ちが重くなります。

毎年、この時期になると同じことを繰り返す自分にも不甲斐なさを感じますが、密かにこの納税トライアスロンを楽しんでいる自分が芽生えつつある確定申告3日目でした。

昨日今日と、関東は強い寒気の影響を受けて、寒い日が続いています。



昨日は、徒歩圏になる舞岡公園を散歩中、突然の吹雪に見舞われてビチョビチョになってしまいました。

最近の異常気象は、全く予想がつきませんね。


早く資料をまとめて、確定申告を済ませなければ!っと、気ばかり焦ってしまいます。

無事確定申告が終わるまで、私の心も晴れません。

あぁ、晴天が待ち遠しい・・・。

先日、ご来訪頂いた方が、試斬用にとお持ちになった白鞘のお刀。


上を見ると、大変特徴のある上手の作、消去法で数銘の刀匠が浮かびます。

下も長銘に切っており、上下全く違和感がありません。

超一流の新刀期の刀匠による、注文打ちと感じる反りの深い名刀一振り。

後々お伺いすると、日刀保の保存鑑定が付いていた・・・とのこと。

安かったということですが、偶然が重なった結果かもしれませんが、う~ん本当に藁斬りに使うのでしょうか?


かたや、他の方が「鑑定してくれ」とお持ちになった拵入りのお刀。

抜刀してみると、模造刀身(涙)。


このギャップが面白い!

「ものつくり」を仕事にしていると、一日一言も発しないことがあります。


そんなときに電話がなろうものなら、開口一番声が出なかったり・・・裏返ったり・・・と、恥ずかしい思いをしてしまうわけですが(笑)、それはさておき刀剣の修復をしていると妙な精神状態に陥ることがあります。


それこそが、日本刀に取り憑かれた状態なのか?定かではありませんが・・・。


例えば、刀剣研磨で、刀身の肉置きや仕上げの化粧を自分勝手に仕上げてしまったり、刀剣外装の製作で、自分が使い易い形状に体配を整えてしまったりと、失敗するたびに修復という仕事の奥深さと次元の高さを思い知らされてしまいます。


ちなみに、自分がおかしな状態にあると感じるときには、直ちに工作を中断して出来るだけ散歩や読書、買い物などに出かけるようにしていますが、そんな時他の職人さんたちはどうやってリセットされているのでしょうか?



こちらは言わずと知れた、有名な修復例です。


こうなったら最悪ですが、こうなったお蔭で知名度が上がったり観光客が増えたという現象もあるようなので、経済効果はあるようです(笑)。


また、ある常軌を逸した鍛冶職人が、四文字の刀身彫りを依頼された折、「麻婆豆腐」と彫って返品を喰らい逆切れしていましたが、伝統工芸である以上お笑いの要素は要らないと思います。


これからも、実用の美にこだわって、工作を続けていきたいと切実に感じます。

It is snowing today in Japan.



関東は、とにかく雪に弱い・・・。

先週に続き、首都圏は大雪の影響を受けて、交通機関は麻痺状態です。


今年は例年に比べて積雪が多いですが、異常気象との因果関係はあるのでしょうか?


雪を見ながら、一日家でゆっくり過ごすことも楽しいものです。

今日は、貿易学校時代の恩師の米寿のお祝い会に出席するため、みなとみらいへ来ました。

先生は、一昨年まで現役で後進の育成に努め、今までに指導した生徒数は優に1000人を超えるという超一流の指導者です。私の目標でもあり、尊敬する教育者です。



そんな本日の会場の前には、日本丸が展示されています。偶然にも、無料公開日だったので、乗船させていただきました。



帆船の甲板は、独特な趣があります。



刀剣の拵えの様な、曲線の美の集合体です。



ブリッジにある計器類の美しさが目を引きます。



機能性よりもディテールに拘っているのか?実用の美なのか?実際に使ったことが無いのでわかりませんが、本当に美しい!



甲板から、本日のイベント会場「横浜パラダイス」が見えます。

何でも驚くべきことに、日本丸は建造されて84回目の進水記念日を迎えるそうです。

斬新なデザインですが、実はとても古い船だったのですね。

しかし、私の恩師が日本丸よりもお年を召していらっしゃることに、改めて驚きました!

今日は、地域の小正月行事、斎燈焼(さいとやき)へ行ってきました。



この行事は、地方によって呼び名が違い、地域によっては「どんど焼き」とか「左義長」などと呼ばれているようです。



積み上げられた正月飾りや門松の炎が弱まってくると、枝の先につるした餅を焼いて食べます。

土着信仰の流れを汲む、無病息災を祈る伝統的な催しです。