ハバキ近くの峰に鍛え割れから発生した朽ち込みが見えます。
このまま放置すると、錆はドンドン広がって鍛え割れを押し上げ、奥へ奥へと進んでいきます。



そこで錆を除去し、周囲の肉を叩いて集め、亀裂を最小限にしてから仕上げの研ぎを施します。

完全な修復はできませんが、ある程度の補修になり、錆の進行も食い止める事ができます。
所用で、横浜の東急ハンズへ行きました。
何年ぶりでしょうか?久しぶりの東急ハンズは・・・ありませんでした!

横浜西口をトボトボと駅方面へ向かう途中、東急ハンズの袋を持った人とすれ違いました。
ある!きっとある!どこかで営業を続けているのです。
というわけで、ありました!場所を変えてモアーズに出店していました!
規模はものすごく縮小していますが、珍しいものがありました。



トンカチです。ラバーグリップを柄巻き状に加工してあります!

たまに来たハンズで、柄巻き風トンカチに出会う~の巻でした。
やっと出来ました!



この夏一番、力を注いだお刀です(笑)。



見てよし使ってよし、それが日本刀です。飾りではありません!

「実用の美!」以上なのです。
現在進行中の拵工作です。

刀身の研磨を除いて、外装の最終工程になります。



外装製作は、最後の最後まで気が抜けません!
打刀拵を、打刀拵ならしめているものは、柄巻きかもしれません。
それほど、柄巻きが日本刀に表情を与えていると言えます。

作りながら完成が楽しみになるので気持ちが逸るのですが、ここは落ち着いてしっかりと巻いていきたいと思います。
今日はここまで!お疲れ様です。
日本刀の柄には、鮫皮と呼ばれるエイの皮が巻かれています。



鮫皮は、日本近海では良いものが入手できず、平安の頃から(おそらくもっと以前から)輸入に頼っていました。特に鎖国下の江戸期では大変な貴重品であったため、写真の様な大粒の鮫皮は献上鮫などとして、大名間の贈答品に用いられていたほどです。

鮫皮の良し悪しは、粒の大きさや形、並び方で大きく価値が変わります。
さらに、鮫の表面をたわしの様な硬いブラシで、何度も何度も擦って輝かせます。
柄下地に着せた後も、一度水がついて光沢が変わる?落ちる?ので、再度磨きをかけます。

こうして、手間隙をかけて献上拵などのフォーマルな刀剣外装は、作られています。
この小刀は、刀剣外装の職人にとって、なくてはならい工具です。



通常の切り出し小刀などには、刃先にふくらがありません。
このような形状のものは市販されておらず、職人が各々自作しなければならないのです。

私の場合は、鋼材(工具鋼)を鍛造して作ります。
工具鋼では炭素量が高すぎるのでは?と思われるかもしれませんが、鍛造の過程で調整しています。
焼き入れは、油焼きです。ちなみに工具鋼製刃物の焼き戻し温度は、タマハガネや刃物鋼よりも若干高めの方が、経験上良い刃物になるように感じます。

マイノリティーな職人の工具は、今も昔もほとんどが自作です。
これからますます伝統工芸受難の時代ですから、「特殊な工具がないからできません」というのは、甘えだと思います。
柄前の新規作成です。

拵えの製作には、事前の設計が重要です。
当工房では、柄前のみの新規作成依頼が多いのですが、そういった場合は鞘など他の外装に合わせて柄前を再設計します。



この度のご依頼は、柄の作り変えなのですが、鍔と刀装具の変更により下地の再利用ができない為、新たに下地を作成します。

ビフォアの柄下地は、一見して最高峰の職方の作域を感じます。
しかしながら、持ち込まれた時には鞘が作り替えられており、刀装具一式も変更になることから、元々の拵えの設計が分からなくなっています。
そのため、鞘や鍔に合わせて刀装具を選択し、拵え全体の設計を新たに検討しました。



現状の柄成りでも悪くはないのですが、上図のようなシルエットにもっていくために、柄の形状を変更しました。

元々の拵えは、おそらく常指であったろうと想像しますが、今回は献上拵風の一段格式の高い拵えを目指します。
本日は、即席の刀剣修復体験会を開催しました!



武道用途のお刀をご持参頂き、状態の確認と修復を行ないます。

この度のお刀は、使い込まれて一部柄糸が弛んだ出来合いの柄前と、モノウチに微細な刃こぼれのある刀身が印象的です。

まず、弛みのある柄巻きをニカワで補修します。柄下地のぐらつきは以前調整済みなので、今回は柄糸の応急処置に専念します。修復の理由や破損の原因などを解説しながら、実際の作業をご覧頂きます。

次に、刀身の補修です。
刃こぼれは、直ちに切れ味に影響が出るほどの破損ではなかったことから、整形は将来の本格的な修復時に回します。今回は、物打ち周辺の肉置き調整と、長切れする様に寝刃を合わせます。



はじめての刀剣研磨に挑戦!理想的な肉置きと寝刃合わせの理論を学び、体験します。

修復をただご依頼頂くのではなく、ご自身が作業を体験し修復前後でお刀が息を吹き返していく様をご覧頂くことで、ますます愛刀への愛着が深まります。
打刀拵の柄前は、ホウノ木で出来た柄下地、刀装具(縁頭と目貫)、鮫皮(エイの皮)、柄巻き(柄糸と菱紙)でできています。

今回のご依頼内容は、柄前の新規作成です。同時に、鍔の交換も作業に含まれています。
刀剣外装の価格は、ほぼ材料費といっても過言ではありません。そのため、極力元の拵えを分解して、部品の再利用を試みます。それが、ご請求にモロに反映するからです。



この柄前は、鍔の交換の時点で、目釘穴がずれてしまい下地の再利用は絶望的です。刀装具に関しても、目貫以外は新しい物を当工房にて用意することから、使用不可。残る素材は鮫皮だけですが・・・、分解してみると継ぎ接ぎの鮫皮でした。

結局、再利用できる材料はありませんでしたが、分解して細部まで調査することで、破損し易い部位や使用時の負荷のかかり方などを分析し、新しく作る柄前に反映します。

より良いものを、気持ちよく・長く使っていただくための方策です!
拵工作時に、最も持ち込まれる刀装具は、ズバリ「鍔」です。

大切に落箱に入れてお持ちになった刀装具を、何とか拵えに組んであげたい!と毎回思うのですが、何だかチンプンカンプンな拵えになってしまうことがほとんどなので、アドバイスやご提案を差し上げながら拵えに合う刀装具を決めていきます。

今回は、細身の刀身に合わせて柄前を作りますが、同時に鍔も変更したいというご依頼です。


Before work

若干小振りの鉄鍔ですが、埋忠の工房作です。
さすがに埋忠、日頃見る量産鍔とは一線を画した造形美に唸ります。

このまま使うには、茎孔が広すぎますので、責金を施します。



材料は、分厚い銅板。
名工作の鍔だけに、傷つけない様に茎孔には一切の加工を施しません。


After work

隙間に圧をかけて留まっているだけの状態です。
無理をすれば外れてしまいますが、その時はその時。また責金を施します。
用は、名品をいかに現状維持に努めるか!に重きをおきます。



ちょっとした努力で、良いものを次世代に残していきたいと思っています。