日本刀の柄下地がどのように出来ていくのか?を、一目で分かるようにしてみました!



写真は、工程が分かり易いように、柄縁側のみ造形したものです。

柄の下地は、長期間自然乾燥させたホウの木を角材状に裁断し、さらに二つに切り分けて刀身の茎に合わせて掻き入れたのち再度張り合わせ、刀身とのバランス・拵え全体のバランス・使用者の体型、使用法等を考慮しながら、柄成やサイズを調整していきます。

こちらのご依頼では、同時進行で刀身の研磨も行っています。



この刀身は、南北朝期の在銘小太刀で、名刀の部類に入るたいへん素晴らしいお刀です。

家伝の宝刀ということですので、子々孫々大切に伝えて頂くためにも、しっかり修復を施さなければなりません!
江戸時代の鐺(こじり)金具を、柄頭に加工します。



数百年を経て形を保っている作品に手を加えるのは、職人として気が引けます。
特殊なご依頼のため、泣く泣く加工を施しますが、絶対に安易な気持ちでは手を付けられません!

次の数百年を大切に扱って頂けるように、新たな価値を加味するつもりで加工を施していきます。
少しずつ少しずつ、穴を開けては広げ、広げては整形を施し、傷がつかない様に時間をかけて加工を施します。

着工から1ヶ月、一日の作業を少なくし、その分集中して工作に挑みました。
この手の作業は、「焦らないこと」が一番です!
江戸時代の鞘の修復です。



いわゆる後家鞘になりますが、大変貴重な江戸期確実の鞘で、反りの合う現代刀を納めるために加工・修理します。

この鞘は入手当初、鐺(コジリ)金具が脱落し所々漆が欠けていましたが、現代では到底再現できない程の厚手の塗りや絶妙な形状が魅力です。
何とか修復を試みるため、鐺部を加工して水牛の角で肥後風の泥摺を製作しました。
また、経年劣化による栗型のぐらつきを、思い切って一度栗型を外してからしっかり取り付け直しました。



柄前は、7~8年前に当工房で制作したものです。(gooブログ「徒然刀剣日記(拵工作を終えて思うこと)」

当時、武道に用いるための柄前をご依頼頂いたのですが、今日まで居合の稽古に使い続けられていらっしゃいます。
状態は・・・というと、全くの劣化も認められず、若干柄頭にぐらつきが出た程度でした。
これは、下地が痩せるという現象に由来しますが、すぐに修復可能です。

そして、何よりも長い間大切に使い続けて頂いていることがうれしくて、修復の手に力が入ります。
新しい創作工芸品が完成しました!



その名も『武蔵』!
写真だけを見ると、一体何?と言われますが靴べらです。

開発コンセプトは、巌流島の戦いです。
作品形状は、宮本武蔵が佐々木小次郎との決闘に選んだ得物、舟の櫂(かい)をイメージし、デフォルメして製作しました。
持ち手の部分には、緞子(どんす)を総巻きに貼り付け、正絹の柄糸を観賞用の刀剣外装などに用いる諸摘み巻きにし、引き締め効果を狙いました。
柄糸の色は、母材の孟宗竹の個々の色に合わせて調整予定です。

当初の作品名候補は、「巌流島」、「決闘」などを考えていましたが、一番ピ~ン!とくる?『武蔵』で決定です。



裏面は、あたり前ですが靴べら形状にえぐれています。
棘が刺さらない様に、竹の表面にはニスが塗ってあります。

私が代表を務めるLLP武士工芸 では、伝統工芸技法を用いた創作工芸品の開発に取り組んでいます。
特に、伝統工芸の最高峰と言われる日本刀関連の技術をふんだんに取り入れることで、武家文化の雰囲気を気軽に楽しんで頂こうと日夜活動しています。

以前製作した「短刀拵様式靴べら」 は、完全に刀剣外装の技法を投入して外見を似せることに注力しましたが、今回は伝統工芸を遊び・伝統工芸に遊ぶというおおらかなスタンスで取り組ませて頂きました。



伝統工芸技法を用いて制作した靴べら「短刀拵様式靴べら」。

この度の靴べら『武蔵』は、当方の武家文化推進活動 を後援して下さっている方々への御礼のプレゼントとして製作した作品です。そのため、残念ながら非売品です。
今後も販売は考えていません。理由は、商品化したところで大変高価になってしまい売れないだろうということと、一日一個程度しか作れない非効率性にあります。

既にお問合せを頂いておりますが、「ほしい!」と思ってくださる方は、伝統サポーターズの職人応援プロジェクト にご参加頂き、気長にお待ち頂けましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。
週末、恒例の勉強会をおこないました!



お昼は、恩師のご提案で関内の中華飯店へ行き、場所を移して横浜刀剣会へ。



今回は持ち寄りの刀装具鑑賞会ということで、2時間程で会場をあとにし、我が工房兼住居へ。



本郷台駅前では、地域のイベントが・・・。
屋台やJazzの生演奏など、ゆっくり滞在しても楽しめそうでしたが、今日は刀剣三昧の一日なのでさっさと移動です。

私たちの会の特徴は、刀剣を美術品としてばかりか武器としての性能についても探求することです。
そのため集まって下さる方々は、武道各流派の猛者揃い。今回も、武道家兼愛刀家諸氏にお集り頂きました!
外装の修復と刀身の研磨にてお預かり中のお刀です。



所々に錆が発生しており、全体に霧がかかったような状態です。



この手の錆は、持ち主が思っている以上に深いです。
場合によっては、刀身を貫通してしまう程のダメージの場合もなります。

出来るだけ刀身を減らさないように、修復を施していきます。
刀身の研磨は、修復=破壊行為でもあるため、極力研がない!が基本です。
そのためには、錆びさせない!につきます。

先祖代々錆びさせない努力が稔って、今日手元になる奇跡を楽しんで頂きたいと思います。
来る秋の情景をカタチにしました。



武道の添え差しに、季節感を表現して、目貫に秋草と鹿の図、柄糸に金茶を選択!

演武会や奉納などで、自然との調和を季節拵で表現する武道家をお見かけすると、何か清々しい気持ちになります。



刀剣外装をキャンバスに、日本の美意識をカタチにすることは、武家の粋な遊び心を感じます。
長らくお預りしているお刀の柄前が完成しました!



写し拵の作成には、大変な労力と技術が要求されます。
その一番の理由は、本歌が存在することにほかなりません。

「似せよう、似せよう」と意気込むと、若干大きくなったり、作為的に偏ります。
最後は、拵師のセンスということになるのでしょうが、「実用の美」を意識する事で、おのずと納得のいくものに仕上がるように感じます。



今回は、大目貫であったことも、大きな悩みのタネでした。

何度も下地まで戻って、形状を検討したり、柄巻きを何度もやり直しました。
高価な革を用いたため、何度か安価な革紐で巻いて本番の柄巻きに備えました。
革巻きは基本的に片摘みを施しますが、目貫を留めている箇所は諸摘み、目貫の下は平巻きと、場所と力の加わり方や用途に合わせて、巻き方を工夫したことも特徴です。

次は、鞘下地の仕上げに取り掛かります。
本日は天候に恵まれ、大変気持ちの良い一日でした。

予てよりご案内させて頂きました、有燐堂様主宰の公開無料講義を無事、執り行う事が出来ました。

人数制限のある中、多くの方に足を運んで頂きましたことを、この場をお借りしまして御礼申し上げます。

ご夫婦でご参加くださった気品溢れる御二方、予てより交流を楽しませて頂いている歴史研究家の御二方、今回始めてお会いさせて頂いた戸塚在住の刀剣研ぎ師の好青年、高い人格を兼ね揃えた武道家の御仁などなど、もっとゆっくりお話をお伺いしたい方々にお会いすることができました。

また、講義終了後は、恒例のお茶会を開催し、大変高度な刀剣の話や製鉄の話題で大盛り上がりと相成りました。

この度の講座は、試験的な運用を模索する場でもあり、実際の開催についてはまだまだ未知数の部分もあります。そのため、定期開催のカタチを取るか?は、もう少し検討が必要であろうと思います。

とはいえ、戸塚で開催されたはじめての刀剣講座ということで、大変貴重な体験をさせて頂きました!

ご参加くださいました近隣の皆様、ご協力くださいました有燐堂戸塚店の皆様、この場をお借りしまして御礼申し上げます。
10月度より、有燐堂戸塚店様にて、日本刀の定期講座を受け持たせて頂くことになり、初回の講義を無料公開いたします!



本講座は、題して「日本刀に見る伝統工芸講座」です。
日本刀を中心軸に、付随する文化や伝統、歴史や工芸といった多岐にわたる武家の美意識を、初心の方にも分かりやすく楽しくご紹介いたします。

通常の刀剣に関する講義では、鑑定法を学習する美術鑑賞に重点を置いていますが、この度の講座では、刀剣に関する逸話や身近な地域との関係を紐解いていきます。

講座開始は、10月17日(土)~ですが、先立ちまして10月3日(土)に無料公開講義をおこないます。
ご参加は、無料です。ショッピングのついでや、 お出かけの合間にご都合が合いましたらお気軽にご来訪ください。

開催時期が迫っておりますので、インターネットを見たと言って頂ければ、予約なしでも受講頂けることになりました!もちろんお試し講義のみの参加も大歓迎です!



近隣刀剣ファン・真田ファンの受講をお待ちしております!