刀剣外装の製作では、色々なところに柿渋を使います。
柿渋にはタンニンが多く含まれていて、防腐作用があることから最も触れる機会の多い柄前に多用します。
また、重ね塗りを繰り返して乾燥させると、強度が増すことも古くから知られていて、和紙に染み込ませることで和紙が硬くて頑丈になるばかりか防水機能も加味されます。昔は、和傘や団扇にも使われていました。
刀剣研摩で用いる地艶・刃艶の裏張りには、下処理として柿渋を塗った吉野紙を漆で貼り付けます。手間をかけて下処理をする理由は、上記の通り補強が目的です。
ちなみに柿渋を塗り重ねると、深みのある桧皮色に染め上がります。平安時代の人々も、この柿渋染めの色合いに美意識を感じたようで、とても多く用いられていました。
柄下地が完成した後、鮫皮を着せる前に、砥石に貼るのと同じ柿渋を塗った吉野紙を刻み煙草の灰を混ぜた続飯で貼り付けることによって、鮫皮の色を調整します。
時々、真っ白の鮫皮を用いている拵を拝見しますが、色合いの深みが感じられないばかりか、拵え全体のトータルバランスも崩しかねないかっこ悪さがあるので、避けたい手抜き工作です。
さてこの柿渋、昨今の研究で高い抗菌作用や解毒作用があることが立証されてきました。ある地方では、古来より伝承医学で薬用として用いられてきましたが、今になって効果・効能が証明されたことになります。
臭いさえ慣れてしまえば、万能な柿渋!臭いさえ慣れてしまえば、臭いさえ慣れてしまえば・・・(笑)。



















