霜月へ | 越木岩神社ブログ

越木岩神社ブログ

兵庫県西宮市にある「越木岩神社」の日々をブログでお伝えします。

『 霜 月 へ 』

 11月は霜月。いよいよ秋が深まり、冬への準備が始まります。

 23日は勤労感謝の日となりますが、戦後国民の祝日が定められた際に「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨で定められました。

 勤労感謝の日が制定される以前は「新嘗祭」(にいなめのまつり)が行われていました。この日を制定するにあたっては、元々の「新嘗祭」として祝いたいなど様々な意見があったようです。しかし「労働」とは本来「農業に従事して生産を行うもの」だけを言うのではなく、今日のサービス産業なども含めた幅広い意味を持つことから新嘗祭の日という考えは却下され、現在の勤労感謝の日が制定されました。

 


『 新 嘗 祭 』

 新嘗祭は古くからの国家の重要な行事であり「瑞穂の国」の祭祀を司る最高責任者である大王(おおきみ・天皇)が国民を代表して、農作物の恵みに感謝する式典でした。「新嘗」とはその年収穫された新しい穀物のことをいいます。農業中心の時代、この行事はとても重要な儀式でした。現在でも宮中・神宮をもとより、全国の神社で新嘗祭が執り行われます。

 当社では11月30日午後2時より斎行致しますので、是非ご参列下さい。

 

『 神 様 は お 留 守 ? 』

 この時期になると、「神様はお留守なので、お参りしても仕方がないのでしょうか?」というご質問をいただきます。

 これは、出雲大社の「神在祭」が、17日~24日まで行われるからでしょう。出雲では旧暦十月を「神在月」、一部の地域を除いて一般的に「神無月」と言われる所以です。

 全国の村々里々にお鎮りの神々が、一年に一度、目には見えない「神事」を司られる「大国主大神様」がお鎮りになられる出雲大社にお集いになられ、人々の「しあわせ」の御縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」がなされる故事に由来します。

 では、当社でも神様はいらっしゃらないのでしょうか。もしかすると重要な議り事があって会議に向かわれていることもあろうかと存じます。しかし、そこは神様ですので、参拝者の祈りはしっかりと受け取っていただいておられるでしょうし、また眷属や神使がお留守を守っておられるでしょう。

 また、全ての神様が出雲に出かけてしまうのではなく、留守番をする神様がおられるともいわれています。代表的な神様が「蛭子大神・恵比須神」、えべっさんともいわれています。当社のご本殿にお鎮まりになられるご祭神です。


 そして、何よりも当社は大国主西神社ともいわれていました。大国主大神様は出雲大社のご祭神です。地上地下万物の生育発展、人間及び生物の生命を司っている偉大なる神格・神徳をお持ちにならして多くの神名でお祀りされています。大国主西神社は、特に大地を司る神・大地主大神として末社「土社」にお祀りされています。石で組まれた大変古いお社であり、大国主西神社の姿を今も残しています。そのようなご縁のある神社ですので、神無月でもご守護いただいていることでしょう。


来月も相変わらずに、お参り下さいますようお待ちしております。