苦楽園神社は、西宮市苦楽園二番町8に鎮座する神社です。
現在は、越木岩神社の境外末社となっておりますが、古くから苦楽園地域の方々にお祀りされていた神社です。
国龍命・清瀧龍王、また南無阿弥陀仏と彫られた石碑には豊受大神・三玉大神・蚕玉大神と思われる神様の名が記されており、またお地蔵様がお祀りされております。(詳細については口伝となっており、はっきりとしたことが分かりません)
国龍命・清瀧龍王がお祀りされているのは、苦楽園神社を挟んで北側に滝があり、南には池があったために、その滝をお祀りしたのが起源と思われます。(現在は周辺は住宅地として様変わりし、滝・池ともに存在しません。)
宮司が苦楽園神社のお世話をされていた方からお聞きしたところでは、古くは西宮郷・今津郷辺りの酒造会社はその滝から水を汲み、お酒の仕込みの最初の水(に混ぜた)としていたそうです。
南無阿弥陀仏と彫られた石碑や刻まれた神名の神様が何故お祀りされたのかは分かりませんが、地域守護の神様として共にお祀りされ、また神仏習合の名残ではないかと考えられます。多くのお地蔵様がお祀りされているのは、地域の境やお宅でお祀りされていたお地蔵様がお祀り出来なくなったりする等の何らかの理由で、ここに一緒にお祀りされることになったようです。
苦楽園神社が鎮座する地域は、昔は苦楽園ラジウム温泉という小さな温泉街があり、関西経済界の別荘地のようなところとして、一時は繁栄したそうです。その地域の氏神様としても手厚くお祀りされていたのでしょう。
その後も別荘地の名残で高級住宅街となっていますが、今も変わらずにご鎮座されておられますが、ご時世かお守りされる方も少なくなり、当社がお預かりすることとなり現在に至っています。
今も苦楽園地域の方々にご崇敬賜り、地域の方によってお世話をいただいております。いつまでも苦楽園地域の氏神様としてご鎮座いただきますよう当社としてもお守り続けて参りたいと考えておりますので、どうぞお参り下さい。