こんばんは。会津素子です。
今日は坂田昌子さん(環境NGO 虔十の会 代表、国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表)に会うために、丸ノ内へ出かけました。成田空港の拡張と生物多様性についてお話を伺い、大変参考になりました。一般質問で生かしたいと思います。
ちょうどアメリカから先住民族のマイロンさんとパトリックさんが来日し、坂田さんと共ににダコタ・アクセス・パイプライン問題を伝えるために都内に滞在されていたので、ご一緒させていただきました。
日本から運動を支援し続けている青木はるかさん(Japan stands with Standing Rock)もお会いすることができました。
(左から)
・マイロンさん(デジタルスモークシグナルズという先住民族メディアのオーナー。映画「水の守り人」の監督)
・会津
・青木はるかさん
・坂田昌子さん
・パトリックさん(スー族を構成する7つの炎の評議会「オセティサコウィンオヤテ」の精神的指導者とともに人権問題に積極的に取り組む。)
ダコタ・アクセス・パイプラインとは
(TBSの番組で取り上げられました。こちらをご覧ください。)
ノースダコタ州からイリノイ州までを繋ぐ約1,900kmの石油輸送のためのパイプラインで、総額約4,000億円のプロジェクトです。
このパイプラインが通るルートには、スタンディング・ロックス・スー族の居留地が隣接しており、工事は彼らの聖地やお墓がある土地を掘り返して行われました。反対する住民に対して、犬や催涙ガスを使い暴力的に追い払いました。
また、スタンディング・ロックス・スー族にとって唯一の水源である川が汚染される、という危険性もあります。
特に彼らは水の守人として、水を何よりも大切にしているのです。
石油・ガスのパイプラインの漏洩事故は日常茶飯事で、アメリカ運輸省の統計では、この10年間で16万7,000件の事故が起こっており、住民は決してこの建設を受け入れることはできません。
2016年から、スタンディング・ロックス・スー族とアメリカ先住民族が中心となり、大規模な抵抗運動が起こりました。
パトリックさんは私に、抵抗する人たちの動画を見せてくれました。
見渡す限りのテントとティピが張られていました。・・・この時、全米及び国境を越えてスタンディング・ロックスに集まった抵抗者は7,000人。1万人を超える時期もあったようです。
人々は祈りを捧げ、平和的にスタンディング・ロックスにとどまり続けました。
しかし、ある夜、警察が突如彼らを攻撃し始めました。
パトリックさんの動画には、暗闇の中、催涙弾を撃ち込まれて逃げ惑う人々。
氷点下の中、放水車からの水を掛けられる人々が映っていました。
翌朝のキャンプにはつららが下がっていました。
死者が出なかったことが幸いですが、ゴム弾を撃たれて片目を失明した男性、腕を切断した女性、他にも多くの重症者が出ました。
病院に行く道は警察によって封鎖されたため、治療も遅れてしまったそうです。
それでも人々は非暴力を貫き抵抗を続けました。
抵抗運動の様子は、こちらでもご覧いただけます。他にも沢山の動画がありますので「ダコタ・アクセス・パイプライン」でyoutubeを検索してみてください。
動画は世界に広がり、スタンディング・ロックスに心を寄せる多くの環境活動家や退役軍人も抵抗運動を支持し、ついにオバマ前大統領はパイプライン建設を中断しました。
喜んだのもつかの間、トランプ大統領が建設を強行的に押し進め、キャンプ地は排除されてしまいました。
私たちのお金が建設に???
実は、このパイプライン建設に対して日本からの投資は最も多いのです。
(アメリカの銀行より多いのです!)
頂いた資料によると、
みずほ銀行は5億9,000万ドル(約600億円)と、パイプライン建設に投資する17の銀行のうち最多の金額。
三井住友銀行は3億8,500万ドル。
三菱東京UFJ銀行は5億4,800万ドル。
日興証券は1億2,000万ドル。
私たちが預けているお金が知らないうちに、人権侵害や環境破壊を伴うプロジェクトに使われていることは、ほとんど知られていません。
こちらは三菱東京UFJ銀行本社前。
私は参加できませんでしたが、一行は銀行にスタンディング・ロックスで起きた暴力について訴え、投資は止めて欲しいと話し合いを行いました。
話し合いは穏やかで、先方も時間を時間を過ぎても真摯に耳を傾けてくれたようです。
スタンディング・ロックス・スー族はパイプライン建設自体には反対していません。
彼らの住処や聖地を避けてくれれば良かったのですが、他のルートを通せばそこに住む白人が反対するので、スタンディング・ロックスが狙われたのでした。この構造は沖縄の基地問題と同じだと思います。
私は、アメリカ先住民の精神を尊敬しています。
・7世代先の子孫のことを考えて行動すること。
・地球は両親から与えられたものではなく、私たちの子どもから貸し出されていること。
・地球上のものも宇宙も全て調和しているということ。
アメリカ先住民を代表するマイロンさんとパトリックさんにお会いできたことはとても幸運でした。
「次に日本に呼ばれる機会があれば、ぜひ女性の先住民族に会ってもらいたい」とお話しされていました。
アメリカ先住民は母系社会であり、女性が前面に出てくることが多いそうです。
それから私が緑の党のメンバーであることを話すと、
「スタンディング・ロックスに緑の党のジル・スタインが来たよ。彼女の話はとても良かった!」とおっしゃっていました。
ジルさんはアメリカ大統領選挙に立候補した方です。
もし、ジルさんやバーニー・サンダースさんのような大統領が誕生していたら・・・と想像せずには入られません。。。
日本にいるとスタンディング・ロックスの情報はほとんど入ってきませんし、
日々忙しい皆さまは環境や人権問題が存在することは分かっていても、行動を起こす時間がないかもしれません。
そんな時は、銀行口座について考えてみませんか?
地球にやさしい銀行選びを応援しているサイトがありますので、一つの参考にしてみてはいかがでしょうか。
アメリカではいくつかの都市が、パイプライン建設に投資している銀行との契約を終了しています。
それほどパイプライン建設に反対する声は広がっているのです。
市民の声が行政を動かしています。
口座を変えると社会が変わる
ぜひ、心をお寄せください。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。