こんばんは。会津素子です。

 

1月17〜20日まで、成田で上映会を主催した「標的の村」「標的の島 〜風かたか」の成田平和映画祭・実行委員を中心に、映画の舞台となった沖縄を旅しました。

私にとって、初めての沖縄でした。

 

 

初日は南部へ。

平和祈念資料館から見えた崖。

沖縄戦では大勢の市民が追いつめられ、ここから飛び降りて亡くなったそうです。

資料館には、殺された大人や子どもの写真や、証言の数々が展示されていました。

 

 

 

 

2日目。

嘉数高台公園から見える普天間基地。オスプレイが並んでいました。

私たちが沖縄に滞在した間はが軍用機もオスプレイも飛んでいませんでしたが、普段は爆音が響いているようです。

そして普天間第二小学校のように、落下物の恐怖とも隣り合わせです。

 

 

 

 

チビチリガマ。

沖縄戦では、写真左の洞窟に140名が隠れ、うち80名の方(その大半が子ども)が亡くなりました。

米軍に発見されることを恐れて殺された赤ちゃん。

米軍に殺されるよりは、と自殺した方々。家族同士殺し合った方々。

美しい自然の中に、恐怖や悲しみが沢山詰まっていました。

 

未成年の男子がチビチリガマの中を荒らしたことも記憶に新しいです。

戦争の恐ろしさ、命の大切さを次世代に伝えていく必要を感じます。

 

 

 

 

現代でも沖縄は犠牲を強いられています。

ここは数年前、当時20才の女性が米軍属に性暴力を受け、殺害され、遺棄された場所。

女性は、車通りの少ない、所々ゴミが不法投棄されているような森の中に捨てられていました。

女性やご家族の悲しみ苦しみを思うと、胸が締め付けられました。

 

 

 

献花代から花が絶えることはありません。

亡くなられたSさん、どうぞ安らかにお眠り下さい。

 

 

 

 

夜は、沖縄の女性たちと交流会。

長年、米軍基地建設に反対し続けている方々です。

沖縄人というアイデンティティに誇りをもち、琉球の民俗について様々なことを教えて頂きました。

バラ(無農薬)で彩られたサラダ始め、心のこもった手料理がとても美味しかったですキラキラ 

初対面にも関わらず、ぶっちゃけトークも飛び出し和気あいあい、賑やかな夜となりました。

「本土の人には沖縄の気持ちは分かってもらえないだろうと思っていたが、こうして心を寄せてくれる人がいることが、本当に嬉しい。これからも頑張っていきたい。」とお話しされた方もいらっしゃいました。

 

 

 

 

3日目。

朝5時起床。辺野古へ。

 

あいにくの雨でしたが、美しい海が迎えてくれました。

単純に、この美しい海を埋め立てることは罪であると思います。

 

 

 

こちらのお二人は、ゲート前で座り込みしていたところを車に轢かれました。

未成年の男子がノーブレーキで突っ込み、右の女性は自分の足の骨が折れた音を聞いたそうです。

それでもお二人は基地建設反対の声を上げ続けます。この日はお二人が復帰した初日。杖をつきながら参加されていました。

ゲート前で恐怖体験をされたお二人ですが、それは温かな明るい笑顔で迎えてくれました。

そして、「骨は折れたけど、心は折れていないわよ。」とニッコリ。

 

 

 

成田のメンバーを代表して、ご挨拶させて頂きました。

 

 

 

一日でも数時間でも工事を遅らせたい、と座り込みを行う方々。

この日は普段より人数も少なく、あっという間にごぼう抜きされていきました。

100台を超えるダンプカーが柵の奥へ吸い込まれていきました。

権力の力はあまりにも大きい。

しかし、自然を、命を、民主主義を守るために行動したい!という市民の思いは何よりも強い、と感じました。

 

 

 

沖縄県警の皆さんは優しい眼差しの方が多く、話し方も穏やかでした。

不本意ながら任務に当たられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

 

 

その後は、ガラスの床を張ったボートに乗り、辺野古の海を案内して頂きました。

世界でも希少な青サンゴや棚サンゴ、そしてサンゴに戯れる沢山の魚たち・・・まるで竜宮城の世界に大興奮!

・・・でしたが、途中から船酔いし、海を覗き込むことができませんでした(涙)

 

 

 

 

午後は高江へ。

やんばるの森と生き物たちに会うことを楽しみにしていたのですが、雨足がどんどん強くなり、写真すら撮ることもできませんでした。

 

奥間政則さんは、土木技師の立場から辺野古や高江の建設工事がいかにずさんであるかを訴え続けています。

高江のテントで説明を受けました。

特に高江は安倍首相が工期を前倒ししたため、相当無理な工事が進められたそうです。

 

 

 

まだまだ書き足りない出来事が沢山あるほど、充実した3泊4日でした。

今回の沖縄の旅では、粘り強く基地建設と闘い続ける沖縄の方々にお会いすることができました。

琉球の時代から虐げられ続けている沖縄。

沖縄を南から北に移動しましたが、米軍基地の間を道路が走り、沖縄の人々は基地に囲まれて生活しているのだということがよく分かりました。

 

私の友人知人には、沖縄大好きな人が多いです。

しかし、「今度、辺野古と高江に行くよ」と伝えると、「ああ、そっちね。」と線引きされたような反応が多いように感じます。

沖縄の海や自然を愛する方にこそ、基地問題に心を寄せて頂きたいと強く思います。

私自身も、成田での生活や仕事に追われていると沖縄のことをつい忘れがちになってしまいます。

しかし、沖縄で起きていることは日本の安全保障の問題でもあり、つまり日本全体の問題でもあるのです。

自然破壊に至っては、日本と海で繋がった世界中の問題でもあり、他の生物にも大きな影響を与える問題でもあります。

 

なぜか基地建設に反対する人は過激派と見られることが多いようですが、私が沖縄で出会った方にそのような方は見受けられませんでした。

私が想像していたより、はるかに深く穏やかで強く美しく、まるで沖縄の海のような方ばかりでした。

全国から沖縄へ支援を続ける方々は、きっと沖縄の自然や料理だけでなく、沖縄に集まる方々に魅せられているのではないか、とも思います。

 

今回の旅を一緒に企画・実行してくださった成田平和映画祭実行委員の皆さん、辺野古へカヌーを送る会の皆さん。

コーディネートしてくれたHさん、Mちゃん。

沖縄で出会った全ての皆さま。

沖縄のご先祖さま。沖縄の大自然。

泣いたり、怒ったり、感動したり、涙が出るほど笑ったりと、忘れられない旅になりました。

 

本当にお世話になりました。ありがとうございました。