こんばんは。会津素子です。

 

 昨日は決算委員会の最終日でした。

 今年も市民感覚を大切に、審議に臨みました。

 

 私は成田市が大好きです。空の玄関口成田空港を抱え、豊かな自然も残り、魅力的な人が沢山住むまち、成田の市議会議員にさせていただいて、本当に幸せ者だと思っています。

 しかし、議員として成田市と向き合ってみると、疑問点がいくつも湧いてきたのです。

 

・なぜ、成田市は借金を増やし将来世代にツケを回し続けてもなお、大型公共事業を止めることができないのだろう?

 

・なぜ、成田駅前の再開発は、個性無くどこのまちにもよくある顔に仕上がってしまったのだろう?(かつ使い勝手が良くないと市民から声が上がっている)

 

・なぜ、「成田を売り込む」という名目で、アンパン開発や芸能人、ゆるキャラ音頭等の観光行政に多額の税金を使うのだろう?

 

・なぜ、一連の事業をほとんど市民不在のまま進めるのだろう?

 

・・・等々。

 

 今回の決算委員会で、謎が解けました。

 

 成田市には、数多くの計画が存在します。

 まず、総合計画。自治体を運営するための指針となる12年間の計画です。木に例えるなら幹の部分です。

 そして総合計画を基に、福祉、環境、教育、土木・・・様々な分野ごとに計画が枝のように別れて作られています。

 

 2015年度に策定された計画を見てみましょう。

 

 総合計画

 総合戦略

 公共施設総合管理計画

 庁舎改修等基本構想

 男女共同参画計画

 生活排水対策推進計画

 健康増進計画

 農業振興地域整備計画

 公営住宅等長寿命化計画

 下水道総合地震対策計画

 汚水適正処理構想

 都市計画マスタープラン

 学校教育振興基本計画

 

 一年間だけでも、こんなに多くの計画が策定されました。

 なんと、策定したのは全てコンサルタント会社です。そして、コンサルへの委託料として約8,000万円が支払われました。

 

 「やたらコンサルに依頼しているけど、一体いつからこうなってしまったのだろう?」不思議に思って、10年間全ての計画の策定者について、職員に資料を作って頂きました。そして、二度ビックリ。なんと、成田市は10年の間、全119計画をコンサルに作らせていたのです。どうりで計画を読んでも成田市の顔がハッキリ見えないわけです。

 

 長年築き上げてきた「お任せまちづくり」の体質を直さなければ、成田市はいつまでたってもお客様です。どこのまちとも同じような計画の下、理念や個性のない市政が行なわれてしまいます。私は危機感を募らせています。

 

 職員に質問すると「多忙で計画なんてとても作ることができない」という趣旨の答えが返ってきました。忙しいからコンサルに任せ、そのコンサルが作った計画を実行するためにまた忙しくなる・・・悪循環ではないでしょうか?

 

 もちろん、コンサルの専門性が求められることもあります。しかし、成田市には優秀で成田市政に並々ならぬ想いをもつ職員が沢山いらっしゃいます。そして、行動力と発想力で素晴らしい活動を行なっている市民も沢山いらっしゃいます。例えば調査などの必要な部分のみコンサルの力を借り、基本的には市内・庁舎内の豊富な人材を計画作りに活用して頂きたい。これは職員のスキルアップにも繋がり、ひいては成田市の人的財産が増えることになるのです。多額のコンサル委託料を支払わなくても、私たちが誇りに思えるような計画ができるのではないでしょうか。

 

 頭の中にもやもやしていた疑問がスッキリ解消されました。2015年度の一般会計決算には反対したものの、大好きな成田市をより良いまちにしたい!という想いは変わりません。問題点が明らかになるということは、解決への道が一歩前進したということです。もっと勉強していこうと思います。

 

 ちなみに、東京都武蔵野市の総合計画は素晴らしいです! 武蔵野市では職員と市民が恊働で計画を作っています。市民委員会が時間をかけて多くの市民と議論し、その過程も公開されています。

 武蔵野市の計画はボリュームがあり、飾り気のない言葉が続きます。つまり、自分たちで書いているということが一目で分かるのです。そこには、武蔵野市民と市政に対する熱い思いが込められており、読み応えがあります。計画の裏付けとなる、「財政」には10ページ程使っています。

お時間ある時にぜひ読み比べてみてください。