こんばんは。会津素子です。

千葉大学で「安保法制に反対する千葉大学OG・OBの会」が立ち上がったことを東京新聞で知りました。
集会そのものにも興味があり、「中東革命のゆくえ」の著者、栗田禎子先生(千葉大・文学部教授)が発言されるとのことだったので、急いで参加しました。
中東の複雑な歴史を紐解きながら、中東の、特にエジプトの人たちの心に寄り添いながら、テロリストが誕生した(報道ではほとんど取り上げられない)背景を分析する栗田先生にお会いしたかったのです。

栗田先生は9.11テロ直後に、このように執筆しています。
「ここでわれわれは、『イスラーム主義』なるもの自体が、実はアメリカとの密接な協力関係のなかで成長してきたものだということを確認しておく必要があるだろう。」



今日の集会では、栗田先生から以下のような発言が出ました。
・いつ世界大戦なってもおかしくない世界情勢。そして、安保法制により日本はいつでも戦争に参加できるようになってしまった。

ISは欧米が関与してつくった。宗教や格差が原因ではない。イラク戦争後、アメリカの植民地的支配がシーア・スンニ・クルド人を対立させ、旧フセイン政権の中からISが生まれた。

・ヨーロッパは特にシリアに介入したがっている。フランスは2013年のシリア化学兵器使用疑惑の時からシリアを狙っている。

・チュニジアやエジプトでは親米・新自由主義の政権に対し、民衆の怒りが爆発してアラブの春が起きた。欧米には都合の悪い出来事だったが、さすがに「民主化運動」には介入することができず、放置するしかなかった。革命は成功した。
一方、リビアとシリアでも民衆が立ち上がったが反米政権だったため、欧米は堂々と介入した。リビアにNATOが介入。特にムスリムを敵と見なして内戦に持っていった。市民が起こした革命は、欧米だけでなくいつの間にかサウジ・カタール・トルコにも介入され、泥沼化。市民はただ逃げ惑うだけとなった。ヨーロッパから続々と義勇兵がシリアに流れたのを、ヨーロッパは放置。ヨーロッパでもISが誕生し、行き来するようになった。

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パリで起きたテロもそうです。誰が何のために起こしたのか? 笑っているのは誰なのか? 冷静に考えれば、「空爆」という選択はないでしょう。

この後、教員OBや参加者からの発言があり、「『安保法制に反対する千葉大学OG・OBの会』は、現職、学生、院生、市民と世代を超えて交流をしていきます。」というアピールで閉じられました。

千葉でもこのような連帯が生まれたことを、心強く思いました。