モダンロッジの路地を抜けて

サダルストリートへ。

いきなりの「バク・シー・シ」攻撃。

小さな裸足の子供達に捕まってしまい。

身動きがとれない。

「ルピー・ルピー」「パイサ・パイサ」

まるで呪文のような言葉で

私を金縛りに掛けてしまう。

「インドは与え続けるか、いっさい与えないかの

どちらかですよ」

日本で誰かに聞いた言葉が頭を過ぎる。

「私は与えない!」

そう決めた私は少し気が楽になって歩き始めた。

子供達が諦めて三々五々散り始めると、

ゴーロ、ゴロ、ゴーロ、ゴロ、ゴロ

と不気味な音が私についてくる。

振り向けない。いや振り向いてはいけない

と私の心が叫んでいる。

「ガ~ン!?×!」

「なんじゃこりゃ」

一瞬私の頭は思考停止状態に陥った。

「スケボー野郎や!」

不適切かも分からないが、声に出して叫んでしまった。

つづく