出国
出国は日本語でできるから、大した問題はなかったのだが、旅行案内の記述が曖昧なので、エピソードを書いておこうと思う。
手荷物整理中に妻が「マッチを持っていくか」と尋ねた。
「どうして?」
「ライターを取り上げられるかもしれないから」
旅行案内には「ライターを取り上げられることがある」と書いてある。
私はヘビースモーカーだから、ポケットのあちこちにライターが入っている。
搭乗チェックで、わずかな金属が反応すると嫌な気分になるから、それらのライターをポシェットに詰め込んだ。
これが引っ掛かった。
係の人曰く「機内持ち込みは1つだけ認めています」
『それならそうと観光案内書いておけば良いのに』
こんなことでトラブルを起こしたくないから、はじめからわかっていれば預ける荷物に入れる。荷物を預けてからではどうしようもないではないか。
さらに、今知ったのだから、係官がそう言えば自分で探して全部提出するのだが‥‥。
これがつぶやき。
因みに、北京、モスクワ、両空港では、全く問題はなかった。
「ライターがいくつか入っているようなのでもう一度調べさせてください。」
もう一度機械を通してライターを3つ見つけて、「おふたりだから、1つは持ち込めません」と、3つ目を没収。
あとで調べたら、まだ2つほどライターが出てきた。
「日本の搭乗チェックって大丈夫かしら」
これがエピソード。
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トランジット
旅程は、関西空港~北京がANA・中国航空共同運行便、北京~モスクワが中国航空である。
共同運行便だが、会社は中国航空。日本語の機内案内はない。
機内食のサービスが終わると、入国手続の書類が配られる。
日本で「トランジットに書類は必要ない」と聞いていたから、乗務員に「トランジットにこの書類が必要なのか」と尋ねた。
「Do I need to fill up these sheets for transit ?」
ワードでこう書くとトランジットに緑の並線が入る。「文法的におかしい」という意味だが、正確にはどう言うのだろう。というのは余談として、多分通じると思うのだが、これが通じない。
無意識に手は文字を書く仕草をしている。
だから、搭乗員はボールペンを持ってきてくれる。
私はトランジットにこの書類が必要かどうかを知りたい。
一生懸命説明するのだが通じない。別の男性搭乗員に尋ねたが、結果は同じ。
『ええい、ままよ』
「我去(ウォーチー)モスコウ。 トランジット。 要不要(ヤオ プー ヤオ) ツェイグ 書(ショー)」
多分ブロークンチャイニーズだろうが、これが通じた。
「オー トランジット。プーヤオ」 と、3枚の書類を取り上げて行った。
「やはり書かなくてよかったんだ」
斜め前で金髪の二人連れが質問している。
彼らは、ついには、天井から鞄を下ろして、航空券を見せている。
多分同様にトランジット客なのだろう。
同じ質問なのに理解できないのだろうか。と、素朴な疑問。
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北京空港 飛行機は大きいから列車のようにホームに横付けできない。飛行機の所まで移動して乗り込まなければならないのだが、この時、バスで移動してタラップを昇り降りするタイプの空港と、ウイングに飛行機を横付けして乗り込むタイプの空港がある。荷物を引きずることを考えると後者の方が遥かに楽である。
北京空港はタラップを降りてバスで移動するタイプ。荷物を引きずるとやや不便。
バスで移動するのだから入国管理は1階でやってくれると便利なのだが出入国管理は2階。トランジット客は2階でチェックを受けて、1階の待合室に入る。ここから又バスで移動である。トランジット客だけ直接1階の待合室に入れても良さそうなものだが‥‥。
「気をつけないと入国してしまうよ」等と言いながら歩いていくと、移動の列が左に曲がっている。
直進を妨げる手すりの切れ目に制服の女性が立っている。
何気なく通りすぎたのだが、なんとなく気になった。
戻って乗り継ぎの航空券を見せると、胸にシールを貼ってくれた。
これがトランジットの印。危うくと通りすぎるところだった。
危ない危ない。
この印をつけて、指示どおりに歩くと、同じような印をつけた人が2~30名集まっている。
列に並んで、カウンターの前で搭乗券とパスポートを見せると、無表情な男性職員が書類を見せる。
先程機内で配られた書類に似ている。
「なんだ、やはり書類が必要なのか」
「無い」という仕草をすると、「書け」という仕草。
薄暗い。文字が小さい。焦る。
通り掛かった制服の女性をつかまえて書類とパスポートを渡す。
『無理かな』とは思ったのだが「I have bad eyes.」か奏功。
なんと、彼女は署名まで書き込んでくれた。
署名はまずいかなと思ったのだが、そのまま書類は通ってしまった。
問題は3点ある。
日本の業者からトランジットに書類は必要ないと聞いていた。
機内で書類が必要か尋ねたら「不要」として書類を回収された。
後でわかったことだが、トランジットに必要な書類は機内で渡されていない。
3番目の問題については帰国の所で詳しく書くが、機内で渡された書類は機内でフィルアップしておいた方が良い。トランジットのコントロールで求められる書類も内容はよく似たものだから、あらかじめ記入しておくと要領がわかってあわてなくて良いからである。
ついでに書いておこう。
日本の業者はこんな情報も取れないのだろうか。
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機内
北京-モスクワ便とB777、通路2本、座席は1列2-5-2である。夫婦2人、中央5人席の通路側2席を与えられた。前にロシア人らしい若者が並んでいる。
若者が旅の気楽さで羽目を外している雰囲気。
酒をラッパ飲みする。
よく立ち歩く。
よく喋る。
とにかく騒がしい。
フライトアテンダントがトイレを覗いている。
あちらの扉を開けたり、こちらの扉を開けたり。
『何か故障かな?』
難しい顔をした男性職員が前の若い夫婦らしいロシア人の前でたばこを吸うジェスチャーをする。
恐い顔をしてにらんでいる。
トイレで喫煙したのを叱責しているような。
ロシア入国審査の場に彼らはいなかった。
飛行機を降りた後、彼らはどこかへ連れて行かれたそうな。
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入国
モスクワには空港が5つあると聞いている。私たちが到着したシェレメチボ第2空港は国際便が主に使用する空港である。10年前もほとんどこの空港を使った。シェレメチボ第1空港を使ったのはウズベキスタンへ行ったときだけ。シェレメチボ第2空港は飛行機横付けの空港である。飛行機を出たらそのまま一気にパスポートコントロールに直行できる。
階段を降りたパスポートコントロールの前に300人ほど人がいる。
ボーイング777はその程度乗れるから、多分一緒に来た人たちである。
パスポートコントロールは10個ほどのブースがある。少なくとも5つ6つは開いているからそんなに時間はかからないだろうと思ったのだが、この列がなかなか進まない。
1時間ほど並んでいたが、まだ前に人が溜まっている。
その内に次の便がついたのか、新しい入国者が後ろに並びだした。
私たちの後ろに並んだ人は日本人で、「前は中国人ですか」と尋ねる。
「私たちは中国航空で来たから、中国人が多いと思います」
「時間がかかるんですよね」 と、その人。
『むむむむむ、チェックが厳しいのか』
『今日はホテルに入るだけだから、まあ、良いか』
と、のんびり構えていると、ガラスの外に「OBE」と書いた札を持って行ったり来たりしている女性が見える。
手を振ると、『何をしているんだ』というような表情。
『こちらへ来い』という仕草。
近づくと、ロシア人用ゲートを指さす。
こちらは既に皆通過しているから無人。
担当官が何か言っている。
私たちを呼んだ女性が担当官に大きな声で何か言っている。
「私たちの客だ」というような言葉が聞こえる。
シェレメチボのパスポートコントロールは係官のブースが背中合わせに並んでいる。
ブースが並んでいる手前の床に赤い線が引いてあって、そこからは一人ずづブースの前で審査を受ける。
普通家族は同じ列に並ぶから、同じブースで順に審査を受ける。
先に審査を受けると、ブースを通過した所で後から通過してくる家族を待つことになる。
今回は一寸事情が違って、
ロシア人用のブースは、もう入国者がいないから、背中合わせのブースの両側で、妻と私が入国審査を受けることになった。
案内した女性が「スパシーヴァ」と言っているから、無理を頼んだのかな?。
こちらのパスポートコントロールは上半分がガラスで遮断されている。胸の高さに書類を渡す空間があって、そこからパスポートを差し出す。
書類を受け取った係官がこちらを凝視する。
10年前、私はこの瞬間が嫌いでなかった。
係官は皆女性である。
ロシア人女性は綺麗だと思う。
特に制服を着たロシア人は綺麗に見える。
じっと見つめていても文句を言われない。
平成8年に出国したとき、このブースにコンピュータが登場した。
それまでは手書きで書類を作っていた。
前で見ていると係の女性がせっせと何か書き込んでいる。
ビザのコピーを渡すと処理時間が短縮されると聞いた。
ガラスの隙間からのぞき込んで、せっせと書類を書いている女性に尋ねたものである。
「ビザのコピーを渡すと貴方の仕事は早くなるのですか」
「あまり変わらないですよ」
平成8年、コンピュータが登場してから、係官はコンピュータに打ち込むようになった。
今回も係官は、そんな作業をしたが、あっけないほど簡単に終わってしまった。
となると、今まで長時間、私たちの前で動かなかった集団は何なんだ。
これは、出国の時に又考えることにする。
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まあ、こんな感じである。
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税関
私たちの入国を援助した女性はイントゥーリストの職員である。普通こういう時に便宜を図ってくれると名前を聞いたりお礼を言ったりするのだが、彼女はとても急いでいて、早口で、そんなゆとりを与えない。
パスポートコントロールで審査を受けて入国すると、飛行機に預けた荷物を受け取って税関を通過する。
日本の観光案内に、コンピュータや高級カメラは申告しないと没収されることがあると書いてある。
この書類は日本で貰ったから念入りに記入してある。
税関で申請しようとすると、この女性が急かせる。
「いくら持っていますか」「一人3000ドル以下なら申請はいりません」
「コンピュータとカメラがあります」
「それは必要ない」
「日本円で5万円あります」
「何のことかわからない」(ジャパニーズ エン」は通じてないような‥‥)
とにかく、何でも良いから、早く来い、という仕草で、あっと言う間に税関を通過してしまう。
係官も何も言わない。
そう言えば10年前にもそんなことがあった。
モスクワに住んでいた時のことだから、これは任国外旅行から帰った時の話である。
飛行機が遅く着いたら、さすがにパスポートコントロールは働いていたが、税関職員が見当たらない。
こんな時の空間は広々と、そして寒々としている。
「いいのかな」「誰かいませんか」などと言いながらそのまま入国したものである。
困るのは税関申告制度。
持ち込んだという証明を貰った以上の金品を持ち出そうとすると問題になると書いてある。
要は出稼ぎ労働者対策か?
もっとも「1000ドルは金じゃない」と言ったロシア人がいたから、彼らが警戒しているのもそんなちっぽけなものではないのかもしれない。
コンピュータは日本の書物にも申告した方が良いと書いてあったから、一寸不安。
彼女は、質問を許してくれそうも無い慌ただしい雰囲気でイントゥーリストのブースに入る。
ガラスで仕切られたブースの、スリットの間から私たちに指示。
私たちの横に来た中年の男性を指さして「彼がドライバー」
ブースの後ろを指さして「行きなさい」「それで終わり」