青サブを着けて大阪ヒルトンへ。白デイトナが手元に来るまで。
僕のところに、白文字盤のデイトナがやってきた。

ロレックスのコスモグラフ デイトナ、126500LN。ステンレスの白文字盤。

箱に収まった時計を見て、まず思ったのは「良い時計が来たな」ということだった。

欲しかった時計が、ようやく自分のものになる。時計が好きでいろいろ見てきたけれど、やっぱりこの一本を迎える日は特別だった。

ただ、振り返ると、思い出に残っているのは受け取った瞬間だけではない。青サブを着けてヒルトン大阪へ向かったあの日から、もうこの時計の思い出は始まっていた。

きっかけは、来店予約の抽選だった。

レキシア新宿の通常枠と、ヒルトン大阪のデイトナ枠。その二つに、同じタイミングで当選した。

こんなこともあるんやな、と思った。
当たってほしい時にはなかなか当たらないのに、重なる時には重なる。

僕が選んだのは、ヒルトン大阪だった。目当ては、白文字盤のステンレスのデイトナ。

そして当日、腕に着けて行ったのが、ホワイトゴールドの青サブだった。

僕はこの青サブが好きだ。

時計は見た目だけでなく、着けた時の重さや感触も楽しみの一つだと思っている。腕にしっかりと重みがあって、ふと目を落とせば好きな時計がある。それだけで、少し気分が良くなる。

そんな一本を着けて、新しい一本に会いに行く。
今から思えば、時計好きらしい一日だった。

とはいえ、店での話が最初からすんなり進んだわけではない。

正直なところ、最初は「なんか、うまく店員さんとかみ合わんなぁ」と思っていた。

こちらには欲しい時計がある。でも、会話をしていても、すぐにそこへたどり着く感じではない。自分の希望がどこまで伝わっているのか、少し探りながら話しているような時間だった。

店員さんは、iPadで過去の購入モデルを入念に確認していた。

その間に、時計の話をしたり、車の話をしたり。希望を伝えるだけではないやり取りが続いた。

もちろん、店側が何を見て、どう判断していたのかは僕には分からない。青サブを着けていたことに何か意味があったのかも分からない。

ただ、僕にとっては、好きで持っている時計を着けて、次に欲しい時計の話をしに来た。それだけだった。

その日は、いろいろな時計を実際に見せてもらった。

白文字盤と黒文字盤のデイトナを見比べ、ホワイトゴールドのデイトナも試着した。コンビのGMTマスターⅡの提案もあった。

店員さんが商品を持ってきて、その都度交換してくれる。途中でバックヤードへ戻る場面もあった。

写真で眺めるのと、目の前に置いてもらうのとでは、やっぱり違う。さらに腕に載せてみると、印象はまた変わる。

同じデイトナでも、文字盤や素材が違えば、感じ方も違う。一本ずつ見る時間は、それ自体が楽しかった。

それでも、僕の希望は白文字盤のステンレスだった。

ほかの時計を見せてもらったからこそ、自分が今回欲しいのはこれなんだと、あらためてはっきりしたように思う。

そして、話は白デイトナの予約へと進んだ。

最初のかみ合わなさを思えば、最後は拍子抜けするくらい、すっと話がまとまった。

「ああ、予約できるんや」

欲しいと思っていた時計が、いつか買えたらいい時計から、入荷を待つ時計になった。

この違いは大きい。

まだ手元にはない。でも、自分の一本を待っているという実感がある。帰ってからも、思い出すたびに楽しみが一つ増えたような気分になった。

案内された入荷の目安は、6か月。

時計を待つ6か月は、なかなか長い。ただ、予約できた以上、あとは待つしかない。

仕事をして、普段の生活を送って、手持ちの時計を楽しむ。その合間に、ふとデイトナのことを思い出す。

そんな時間を過ごしていると、予約から約100日で入荷の連絡が来た。

思っていたより早かった。

そして迎えた

この日は、シャンパンと箱、そして青サブと一緒に写真を撮った。

新しく迎える白デイトナと、それまで楽しんできた青サブが並ぶ。時計そのものの写真でもあるけれど、僕にはその日を残す記念写真になった。

実際に白デイトナを着けてみて、印象に残ったのは軽さだった。

見た目にはしっかり存在感があるのに、着けると軽い。

重さの好みだけでいえば、僕は緑サブのような、もう少し重みを感じる着け心地も好きだ。そこは、欲しかったデイトナだからといって、何もかも無条件に一番になるわけではない(笑)。

でも、この軽快さは白デイトナの良さだと思った。

眺めて楽しめるし、腕に着けても楽しめる。手に入れた時の喜びに加えて、これから使っていく楽しみがある。

ブレスレットは受け取りの時に2コマ追加して、その後、バックル側を2穴分短く調整した。

こういう微調整をしている時間も、時計を買った実感につながる。少しずつ自分の腕に合わせて、自分の時計になっていく。

この時、「時計好きの頂点」という言葉が浮かんだ。

世の中には、もっと高価な時計も、珍しい時計もある。それでも、欲しかった白デイトナを正規店で迎えられたことは、僕自身にとって大きな節目だった。

時計には価格が付くけれど、自分が買った日の記憶には、相場表には載らない価値がある。

青サブを着けて向かったこと。
最初は少しかみ合わなかった会話。
何本かの時計を腕に載せた時間。
最後にはすっとまとまった予約の話。
約100日待って届いた連絡。
そして、白デイトナを迎えた日。

今、腕にあるのは一本の時計だけれど、その背景には、そういう出来事が全部付いている。

将来、時計は子どもたちに譲れたらと思っている。

その時には、型番や値段だけでなく、こんな買った時の話も一緒に渡せたらいい。

「これな、青サブ着けてヒルトンに行った時のやつや」

そう言いながら、また少し長い話をしてしまう気がする。

白デイトナを見るたびに、あの日を思い出す。
買えて良かった。そして、これからたくさん着けていこうと思う。