ツトムの家に転がり込んで、1ヶ月余りが過ぎた。
近くの、建設会社でバイトをしながら、とにかく【新しい何か】を見つけるために、生きていた。
そんなある日、突然、ツトムから告げられた。
『俺、東京に戻らんといかんのや。』
実は、ツトムは数年前まで、東京で暮らしていた。ところが、会社の仲間と一緒に、無免許なのに社長の車を盗んで、事故を起こしてた。その、借金の返済の為に、東京の会社から、戻ってくるように言われたようだ。
ツトムは俺に言った。
『すまんな……。』
『べつにええよ。俺こそ、世話になりっぱなしで、長居してしもたな。すまんな……。』
『帰ってきたら、また連絡するから、もう無茶してパクられるなよ。』
『またな……。』
こうして、ツトムと俺は再び、【それぞれの場所】に戻った。
俺は、古巣の街に戻り、鬱々とした日々を送っていた。
そんなある日、俺は【タケル】と出会うことになる。
タケルは、俺の弟の同級生で、以前から俺のことは知っていたようだ。
ただひとつだけ、厄介なことがあった。それはタケルが、【正真正銘のジャンキー】だったこと……。まぁ、俺も似たようなもんだったが……。
こうして俺は、再びタケルと薬漬けの日々を送ることになるんだが、どこかしら、今までとは違う気持ちだった。これまでは【もう、どうでもいい】と思ってた気持ちが、【このままじゃあマズい。本当にヤバい。】と言う思いが、強くなってきてた。
心の中の【何か】が、自分自身を捨てきれなかった。心の中の【どこか】が、諦めきれなかった。
葛藤が始まった。
抵抗する俺……。流されまいと、心の中で必死にもがく俺……。
諦めようとする俺……。投げやりになろうとする俺……。
なんとかしたかった。変えたかった。
【環境】じゃなく【自分自身】を変えたかった。
【俺は、何の為に生まれてきたんだ?】
その【意味】を、知りたかった。