怪談話を嫌がる訳 | のんびりな日常

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怪談話か…。

あまり俺は葉月の提案に
乗り気ではなかった。

「ユウちゃんもしかして
怪談.怖いの?」

俺が嫌がっているのが
わかったのか
真子は不思議そうな顔で
俺を見つめている。

「いや.怪談も怖いんだけど何より怖いのは夏季と葉月なんだよな…特に葉月」

「え?夏季ちゃんと葉月ちゃん?」

「あぁ.真子は知らないと
思うけど.あの二人って
霊感があるだよ」

俺は真子に話しながら
小さい頃の事を思い出していた。

『ゆーくんゆーくん』

『ん?なぁに葉月ちゃん』

『ゆーくんの後ろに
知らないおばさんがいます』

『っ!?誰もいないけど…』

『あ.ユウレイさんでした』

『っ!!!!』

夏季は俺に気をつかって
言わないでくれるけど
葉月ははっきりと
言うから.小さい頃は
何回.葉月に泣かされたか…。

「なんか.昔.葉月ちゃんとあったみたいだね…」

俺の様子を察して真子は
苦笑してる。

「まぁな」

「だったら.ヤバいじゃねぇの?」

俺達の話を聞いて
ザックスが真っ青な顔を
している。

「いや.前に双子の弟から
聞いた話だとだいぶ
見えなくなってきては
いるらしいけど
なんか.昔の思い出のせいで…」

俺はガックンっと肩を
落とす。

「それほど.辛かったんだな」

ザックスは俺の肩をポンっと
叩いてくれた。

「あぁ…」

「では!!何も意見が
ないのでまず
私から何か怪談を」

その時.葉月はガタンと
立ち上がる。

っていきなり葉月か!!

「おぉ!!葉月ちゃんいっちゃって!!」

ネオンもすごくノってるし…。

そして.葉月の怪談話が
始まった。

最初は何もなかったんだがお話が後半になるとつれて…。

カタン…。

「あれ?何今の音…?」

ミラノは物音に怯えている。

「誰かがたってたんじゃないの?」

怯えているミラノを
ヒロは優しく抱き止めいる。

なんか.嫌な予感…。

ガタガタガタカダガタガタガタガタ
急にまるで誰かが
テーブルを揺らしているような
物音が聞こえてきた。

「な.何が起きているですの?」

「わかんねぇよ!!」

「やだぁ…怖い」

アビスとザックスは戸惑いネオンは今の状況に
怯えている。

「久々に呼び寄せたか…?」

さっきまで平気そうだった夏季も真剣そうな顔で呟いている。

「あらまぁ.久々に
きちゃいましたね」

葉月は大変な状況にも
関わらず.のんびりと
周りを見ている。

「なんか.楽しいそうやな」

「いやいや.楽しくないから」

俺は真子を抱きしめながら呑気なハジをツッコんだ。
しかし.その状況を
止めたのは意外な人物だった…。

ガタガタガタカダガタカ…。

さっきまでクッキーや
スコーンを食べていた
姫乃がいきなり立ち上がり首にかけていた十字架の
ネックレスを外し
物音が聞こえる方へと
十字架を向けたとたん

ピタっと音が止まった。

「あ.止まった」

物音を止まったのを確認した
姫乃は再びクッキーを
黙々と食べている。

その光景を俺達は
呆然と見つめた。

この女…どこまで
マイペースなんだ…。

「ねぇ.ユウちゃん」

「なんだ?真子」

「案外.夏季ちゃんと姫乃ちゃんって
お似合いのコンビかもしれないね」

「そうか?」

「そうだよ.ほら」

真子が指を差しているところを
見てみると

夏季が呆れながら
クッキーを食べている姫乃に

「お前なぁ.こんな状況で
呑気にお菓子食べれるな…」

「だって.すごく
美味しいんだもん
それにすごくうるさかったから」

「うるさかったってお前なぁ…」

「確かに」

俺はそんな二人のやり取りを
見て納得した。