海尊「これは、私が弁太郎とともに修行の旅で出会った、不思議なお話。」
弁太郎が泣いて、あやしながらはける海尊。
(暗転)
頼朝の右腕として働いていたが、打倒頼朝の蔵丸・比企・宇佐美に裏切られて重傷をおいながら逃げる影助。
斬られ、万事休すの時に影助の目の前に妖怪が立ちはだかった。
(暗転)
地面に横たわっている影助。そこに通りかかった泰衡。
泰衡「お~い、起きてくださいよ~。こんなとこで寝てたら、たぶん風邪ひきますよ~」
起こすためにそばにあった地蔵で影助の頭を殴る泰衡(笑)。
もっと大きい地蔵を持ってきて、それで頭を殴ろうとする。
泰衡「こんなんで殴ったら頭ぺっちゃんこになっちゃうかも(笑)」
が、1回目の殴られた衝撃で起きる影助。
影助が逃げ込んだのは黄金が眠っていると言われる、奥州半平泉藤原家の郷。
「黄金の郷」と呼ばれる場所だった。
心やさしい、というか世話好きな泰衡は影助の傷の手当てをしようとするが、泰衡を信用することができない影助は治療を断る。
それでも泰衡は信用しなくてもいいからケガの治療だけでもさせてほしいと諭す。
影助「なんで俺なんかを助けようとすんだよ」
泰衡「ケガをしている人を治療するのに理由がいるのですか?…あなたはキレイな顔をしている。…僕の初恋の人にそっくりなんです」
影助「…まぁ、確かに綺麗な顔だとはよく言われるけど」
泰衡「自分の顔を綺麗だとよく言えますね!顔は綺麗だけど性格は0点☆」
治療をしたいために初恋の人に似ているという嘘をついた泰衡だったが、
影助「嘘が下手な奴の嘘ぐらい、わかるさ。俺は嘘つきだからね」
そこに薬草を持って走ってくる源太。
源太「泰衡さま~!!」
泰衡「源太!」
源太「!綺麗な顔…」
泰衡「顔は綺麗でも、性格は0点☆」
源太「薬草あったよ!」
泰衡「これはどうやって使うんだ?」
源太「えっと…潰して煎じて…どうだったっけ…じい!じい!!これどうやって飲むんだっけ!」
そこにじいがやって来て、薬草の飲み方を教える。
海尊「こんなんもありましたよー!」
と、毒々しい花を手に持って走ってくる海尊。
影助を見つけ、驚く影助と海尊。
その花を嗅いでラリる泰衡。
じい「それは数分で死に至るという猛毒じゃよ!」
海尊「うわあぁぁぁ!!」(投げ捨てる)
泰衡「じゃあ俺、半分いっちゃってるよ?」
影助「そんなもん俺に飲ませようとしたのか!?だから信用ならねぇんだよ!!」
征伐軍がこの黄金の郷に攻め込もうとしていることにピリピリしているじい。
あやしい奴らと関わるのは止めてほしいと注意される泰衡。
泰衡「すみません。見苦しいところを」
海尊「私たち皆さんにとってはあやしい奴らですからね」
海尊は泰衡に、影助とは半年前の戦いで出会ったことを説明する。
呪術を使って傷を治そうとするが、上手くいかない。
泰衡「海尊殿、1回失敗しただけではないですか。1回、2回、3回、4回、5回と挑戦していく。続けていくということが…継続です」
海尊「…続けることが大切ってことじゃないですか?」
泰衡「続けることが継続と2回同じことを伝えただけです☆」
もう一度呪術を使って、影助を爆笑王に変える海尊。
泰衡「知ってます?爆笑王って私がテーマを言ってなんかするんじゃなくて、何をやってもいいんです!何をやっても笑いが起きちゃうんですよ?あ~、腹抱える準備しないと」←
影助「いぃ、いぃ、いぃ、いぃ…」(まじ断り)
泰衡「『いぃ、いぃ、いぃ、いぃ』とかいぃ、いぃ、いぃ、いぃ☆」(手で×)
一発ギャグを3回させられる影助…というか池谷。
素で笑ったりリアクションする森木(笑)。
3日前にこの地に来ていた海尊。
影助「3日前?すげぇ馴染んでんじゃん!!」
泰衡「海尊殿とは、こう…昔からの付き合いみたいな気がして、ねー♪」
海尊「そうなんですよねー♪」
キャッキャ言いながらじゃれ合う海尊と泰衡。
影助「気持ち悪いんだよ!」
泰衡「気持ち悪いとか、そこまで言わなくていいでしょ!」
影助「あの音の正体も坊主、お前か?」
海尊「音?…あなたも見えるんですね!?」
影助「・・・え?」
草むらが動きだし、それぞれの草むらから山地血、タンタンコロリン、さとりが出てくる。
彼らは妖怪で、いい人間にしか見えない。
しかし、妖怪を信じれと言われても…となかなか信じない影助。
そんな影助のために妖怪たちが泰衡になつくまでの再現がスタート。
台本を読みながらナレーションをする海尊。台本を渡され、セリフをアテレコするように言われる影助。
ジェスチャーだけで演じる泰衡、テンテンコロリン、さとり、山地血。
つまり、塩を被って弱ってしまったテンテンコロリンを貴重な水を使って助けた泰衡。
その様子を見ていたさとりと山地血。
源太が病気で生死をさまよっている時に金がない泰衡に対して、妖怪たちは片手いっぱいサイズの黄金を泰衡にあげた。
黄金を手にしても、妖怪たちの姿が見える(=いい人間のままで居られる)泰衡に対して信頼するようになった、というもの。
妖怪たちの名前と妖怪になった経歴、妖怪たちの年齢を説明する海尊。
テンテンコロリン→泰衡「大柄で潔癖症。『もったいない』が口癖なんです」
山地血→泰衡「見ての通り…なんだかイラッとします」
さとり→泰衡「…」(笑顔でスルー)
そうして、説明は終了。
泰衡「代弁してくれてありがとー♪」
海尊「いーんですよぉ♪こういうのは得意な人がやったらいいんですから♪」
と、またキャッキャ言いだす海尊と泰衡。
源太が病気で死にそうなのに、妖怪が黄金を渡しても受取ろうとはしなかった泰衡。
泰衡「黄金を手にしたら、なんだか自分が変わってしまいそうで…。…何が正義かわからなくなってしまっていたんでしょうね」
そんな心やさしい、芯のある泰衡を助けてやってほしいと海尊と影助にこっそりと懇願する妖怪たち。
実は妖怪たちの姿は泰衡と海尊、そして影助にしか見えない。
さとり「…その、証拠、見せる。見とけ」
そこに伊佐四古がやってくる。
伊佐四古「殿!何をやってるのですか!」
伊佐四古はこの地に眠る黄金を元手に軍事力を高め、戦うことを希望していた。
そんな伊佐四古に妖怪たちの存在を説明する泰衡。
伊佐四古には見えないため、信じられずにいる伊佐四古。
そんな伊佐四古にリアルげんこつをするさとり(笑)。
それでも信じない伊佐四古。
伊佐四古「殿!妖怪の話は辞めてください!妖怪なんて、まともな存在じゃないんですよ!?」
と、ここであることないこと言いだす伊佐四古。
(2回目公演→最近話題の海老○が殴られた事件、その犯人が妖怪グループ。3回目公演→ヒ素が入れられたカ○ー事件、その犯人が妖怪。)
伊佐四古は征伐軍と戦おうと話すが、
泰衡「…手紙を書きましょう。話し合いで解決するかもしれません」
と、流暢なことを言われ、出ていってしまう。
泰衡は戦いは無駄な殺し合いで、ただ歴史を繰り返すものだと考えていた。
戦おうと考えている伊佐四古・じいの2人と泰衡との間に小さな溝ができ始めていた。
そんな2人に話し合おうと追いかける泰衡。
妖怪3人と影助、海尊だけになってしまう。
「ふん」っと自分も去ろうとする影助。
石を投げて影助に当て、振り向かせてからさとりも真似して「ふん」と言う。
そこから石投げ合戦。
最終的に雷を自在に使えるさとりが雷を落とし、山地血がその隙に影助の血をすって身体を動かなくさせて、その間にさとりが影助に石をぶつける。
影助「そんな能力使うなんて、ずりぃぞ!!?」
さとり「最後、俺、やった。俺の、勝ち」
海尊「そんな小学生みたいなこと…」
悪い気、いやしい気は身体の中から無くなることはあるのかと影助が問う。
どうやら、そのことに対して後悔をすれば無くなるらしい。
さとり「後悔、人間だけにしか、できない」
影助「そっか…じゃあ、もうひとつ質問していいか?」
さとり「だめだ」
影助「え?!」
さとり「さっき『1つだけ質問ある』って言ったから、答えた。もう、1つ答えた。だから答えない」
影助「え、だって…」
さとり「だめなものはだめだ」
海尊「じゃあ!私の1回分をあげますから、」
さとり「じゃあいいだろう」←(笑)
場面は変わり、草むらに隠れて征伐軍の様子を偵察してる源太。
その背後にじい。
じい「背後をとられるようじゃ、まだまだですよ?」
比企「そうだな。背後をとられるようじゃな?」
じいと源太の背後に比企・宇佐美・蔵丸の3人。
じい「しまった!!」
名前を名乗り始める比企。
源太「あいつ、なんか生理的に受け付けない!!」←(笑)
蔵丸と戦うじい、しかし、ぎっくり腰になってしまう。
源太「まぢ!?まぢ、じぃ~~~~…」
源太を気絶させ、人質にとって3人とも行ってしまう。
じいは泰衡に源太が人質にとられたことを伝える。
じいや伊佐四古は戦を始めようと泰衡の背中を押すが、しぶる泰衡。
じいと伊佐四古はそんな泰衡に愛想を尽かし、決起しようとする。
泰衡「戦いは許しません。これは命令です」
と、強く言っても泰衡を置いて行ってしまう。
弟のように可愛がっている源太を人質に取られて、一番つらいのは泰衡だと妖怪たちは知っていた。
なかなか戦おうとしない泰衡に業を煮やす影助。
正義なんて、どっちが正義なのか時代によって変わっていく。そんなものに執着する意味がわからない。
戦わないのは臆病だからだ、と言い、去っていく。
海尊「あなたは嘘つきだから言葉が軽い」
影助「俺は嘘で固められているからな。今までも…これからもな・・・」