川越まつりの街、川越。
川越まつりのさらなる発展のために、祭り人たちが一致団結すること。
国指定重要無形民俗文化財「川越まつり」は、江戸「天下祭」の様式や風流を今に伝える貴重な都市型祭礼として江戸時代初期より370年の時代を超えて続き、 川越独特の特色を加えながら独自の発展を遂げてきました。
川越氷川祭(川越まつり)の最大の特徴は、山車行事。精巧な人形を乗せた絢爛豪華な山車が、小江戸川越の象徴である蔵造りの町並みを中心に、町中を曳行される。何台もの山車が辻で相対し、すれ違うさまは、そのスケールの大きさに、見物客を圧倒する。
川越まつり最大のみどころは「曳っかわせ(ひっかわせ)」。向かい合う数台の山車が、囃子(笛、太鼓、鉦、踊り)で競い合い、まつり人たちは提灯を高々と振り上げ、歓声を上げる。とくに夜の「曳っかわせ」は最高潮の盛り上がりを見せる。
最近大きな話題となったのが、ユネスコ無形文化遺産登録に向けて申請をしていた「川越氷川祭の山車行事」を含む全33件の「山・鉾・屋台行事」は、2016年12月1日ユネスコ無形文化遺産登録決定。
これから2020年の東京オリンピック、2022年の川越市制100周年と、川越・川越まつりに寄せられる期待は高まっていくばかりです。
もちろんそれは、祭りを作り上げる祭り人たちも自覚していて、世界中の注目を集める中、これぞ川越まつりという熱狂を魅せようと覚悟を決めているのだった。
2018年、平成30年。今年は平成としては最後の川越まつりとなります。
10月20日(土)、21日(日)に川越市内で開催されるのが、「川越まつり」。
「川越まつり」
平成30年度 山車保有町 川越まつり参加一覧
旭町三丁目 信綱の山車
大手町 鈿女の山車
岸町二丁目 木花咲耶姫の山車
三久保町 賴光の山車
新富町一丁目 家光の山車
新富町二丁目 鏡獅子の山車
末広町 髙砂の山車
菅原町 菅原道真の山車
仙波町 仙波二郎の山車
通町 鍾馗の山車
中原町 重頼の山車
西小仙波町 素戔鳴尊の山車
松江町二丁目 浦嶋の山車
宮下町 日本武尊の山車
元町一丁目 牛若丸の山車
連雀町 道灌の山車
六軒町 三番叟の山車
脇田町 徳川家康の山車
川越市 猩猩の山車
川越まつりの見どころ、スケジュール
・神幸祭
氷川の神様が神輿に乗られて町を巡行することで、その御神徳をいただき、幸福と町の繁栄を祈請するという、現在の山車行事の原型となった伝統儀式です。
20日(日) 13:00 氷川神社出御
・市役所前の山車揃い
市役所前に山車が勢揃いし、囃子を披露します。ずらりと一列に山車が並ぶ様は迫力満点です。鳶職人による木遣りも披露されます。
20日(土) 14:30~14:50頃
・宵山の山車展示
山車に提灯が灯り、居囃子を披露。落ち着いて山車やお囃子をご覧いただくことができます。 各山車の場所は参加町の会所、宵山の山車展示位置情報でご確認ください。
20日(土) 18:00~19:00頃
・鳶のはしご乗り
蔵造りの町並みを舞台に、鳶職人の妙技が披露され、技が決まる度に観客からは大きな拍手と歓声が上がります。
20日(土) 18:20 埼玉りそな銀行
・市役所前の山車巡業
市役所前を山車が巡行します。1ヵ所で多くの山車を見られるチャンスです。
21日(日) 13:30~15:00頃
・曳っかわせ
山車が出会うと正面を向き合わせ、囃子の競演が始まります。周りの曳き方衆は激しく提灯を乱舞させ、祭りは最高潮に盛り上がります。
場所:市内各所、20日(土) 19:00~21:00頃
21日(日) 18:30~21:00頃
川越には、川越まつりを中心にして一年が回っているという、一般的な和暦・西暦とは違う川越独特の暦が古くからあり、そのサイクルで生活している人たちがたくさんいます。
川越まつりを迎えて一年が終わり、
川越まつりを迎えて一年が始まる。
誇張ではなく、本当にそうなのです。これだけの規模のお祭りとなれば、一年がかりで準備を進めるのが当然で、川越にとっては10月が一年の大きな節目、ここを基点に街の時間が回っている。ゆえに、川越まつりの中に身を置かないと川越のことは一向に分からない、という現実もあるのが事実。
では、今年の川越まつりに向けての一年は、川越はどんな時間を重ねこの日を迎えるのでしょう。
川越まつりを軸とした川越歴で、川越の中心市街地にある連雀町の一年を通して、川越の一年を俯瞰してみたい。
それではまず、川越の一年の始まりと終わりから振り返りましょう。
そうです、昨年の川越まつりです。
昨年、2017年の川越まつりは例年通り?雨に祟られ、特に二日目は山車曳行を最初から取り止めた町内も多かく、川越のまつりにとっては受難の年だった。
しかし、雨の中でも山車を曳き出した町内もあり、祭り自体はいつもの川越まつりとして熱気溢れる曳っかわせ含めた山車曳行を魅せたのだった。
ただ、雨だと山車に覆いを被せ、曳き手集も合羽を着ての運行になるため、通常時の何倍も大変になるのもまた事実。それに何より、言わずもがなですが、山車にとって雨は一番の大敵。
あの雨の中、よくあれだけの町内が山車を出したと今でも川越内で語り草になるほど。
(川越style「川越まつり」2017年10月15日夜の部 川越人意地とプライドの雨中山車曳行と曳っかわせ
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12321168321.html)
川越まつりから2週間後の2017年10月28日、連雀町の祭りの会「連々会」では、祭りの慰労を兼ねた「お日待ち」が連雀町の「蛇の目寿司」さんにて行われました。
2017年は雨の川越まつりでしたが無事に終わってなによりと乾杯。
祭り衆達は川越まつりの二日間を振り返り、あの雨の中、山車を曳いた時のエピソードなどを振り返っていました。
ただ、祭り人たちは不完全燃焼であることも事実。お日待ちは川越まつり並みの盛り上がりを見せ、これでようやく川越まつりの熱も消化できたでしょうか。
川越まつりが終わったのも束の間、もうすぐ2018年の川越まつりが待っています。
2017年12月3日は、連雀町にある熊野神社境内にある大鷲神社(おおとりじんじゃ)にて例大祭、「酉の市(とりのいち)」が行われました。
毎年、曜日に関係なく12月3日開催と決まっています。
酉の市と言えば熊手。熊手は「かき集める、かき寄せる」という意味から、福徳をかき集める商売繁盛の縁起物として親しまれています。
商売繫盛の縁起物だけあって、お店や会社を経営している人たちが川越市内だけでなく、遠方からも熊手を求めにやって来ていて、境内は日中から賑わっていました。
川越に焦点を当てても、川越には会社だけでなく個人店が多いこともあって、市内のお店の人たちが続々と集結することでも知られる酉の市。お店の営業が終わってから来るパターンが多く、夕方以降から川越のお店の人が集まり始めていきます。
そして、川越の酉の市と言えば、外せないのが境内で行われる奉納芸能も毎年の見どころで、大鷲神社・熊野神社がある町内の囃子連「雀會」が中心となって神楽などを奏しました。
■酉の市 奉納芸能
・午前10時15分~音出し(雀會)
・午後1時30分~創作神楽「狐と狸」(雀會)
・午後4時~創作神楽「狐と天狐」
・午後5時30分~里神楽「紅葉狩り」(江戸里神楽いろは中」
・午後7時50分~創作神楽「」「月がきれい 月に吠える」(雀會)
・午後8時50分~創作神楽「月がきれい 惜しみなく愛は奪う」(雀會)
・午後9時35分~福餅まき
・午後9時50分~市舞囃子(雀會)
上記の合間は山車にて居囃子が行われ、2017年10月の川越まつり以来、山車蔵から連雀町の太田道灌の山車が曳き出され、雀會が囃子を演奏し続けました。山車はそれ自体だけでなく、やはり囃子と一緒になって煌めくもの。多くの人が雀會が演奏する山車を見上げていました。
境内では、神楽殿で神楽、山車蔵では太田道灌の山車で囃子、という二ヵ所で交互に断続的に演奏が続き、次は神楽殿、次は山車へ、と二元中継的で参拝者を惹き込んでいきました。
酉の市の奉納芸能の知る人ぞ知る魅力と言えば、雀會の創作神楽でしょう。
今はこれを目当てにした人も多くなっている。
創作神楽はその名の通り、オリジナルで制作した神楽を奉納することで、実は雀會は毎年のように創作神楽を創っては酉の市の神楽殿で披露しています。神楽を創るというのも生易しいものではなく、どんなストーリーにするか、ストーリーに合わせた舞は、というまさにゼロから創り上げるもの。
雀會が今年のテーマに選んだのが・・・いや、今年は雀會の面々は意外にも悩まなかったのでは??と思うほど、これしかないというテーマに落ち着いていました。
2017年の連雀町、熊野神社と言えば、これしかないでしょう。
TVアニメ「月がきれい」です。
原作がないオリジナルTVアニメの「月がきれい」は、物語の舞台は川越のとある中学校。中学3年の始業式から始まるストーリーは、安曇小太郎や水野茜といったキャラクターたちの瑞々しい等身大の中学生の物語を描いていた。
TOKYO MXで4月から6月まで毎週木曜24:00~に放映され、人気を博しました。
ご存知のように、「月がきれい」では重要な舞台として熊野神社が取り上げられ、オープニングテーマでは連雀町の川越まつりが使われていました。
連雀町太田道灌の山車、雀會の天狐、連々会の面々の狂喜乱舞が描かれているOPテーマがこちらでご覧になれますので、ぜひどうぞ。第1話は公式に公開されています。
物語の導入部から1分45秒ほどでOPテーマ。一番盛り上がるサビの部分で連雀町の川越まつりです。
視聴回数なんと49万回。
TVアニメ『月がきれい』第1話「春と修羅」
https://www.youtube.com/watch?v=ygfsl0rQta0&t=179s
月がきれいの岸誠二監督は、雀會を中心に何度も取材を重ねて連雀町の川越まつりをリアルに表現しようとしてきました。
アニメ終了後も岸監督と連雀町の繋がりは途切れるどころか強まるばかりで、2017年7月の川越百万灯夏まつりでの「川越浴衣まつり」では、主人公・水野茜役声優、小原好美さんと共に特別審査員として登壇 岸監督は仕立てた連雀町の祭り衣装に身を包んで登場したことは伝えました。
さらに繋がりはこれに留まらない。アニメで川越まつりをフィーチャーしたからには実際の川越まつりにも足を運ぶのが自然だろう、となんと2017年10月の「川越まつり」にも岸監督は連雀町の現場にいて、町内の人たちと一緒に太田道灌の山車を曳いていたのです。
ここまで連雀町、雀會に対して愛を捧げるとは。。。
今までの経緯があり、アニメに使ってくれた雀會からの感謝として、アンサーソングとして、今度は雀會から「月がきれい」をテーマにした創作神楽を創って上演したのでした。
膨大な時間をやり取りしてきたお互いの結果が、2017年の最後にこんな結果になるなんて、なんとも感動的です。
2017年の年の瀬には忘年会が行われました。
祭りを成し遂げた仲間たちと今年一年を振り返り労い合いました。忘年会もまた祭りと同じくらい大事な行事であります。
連雀町の重鎮やレジェンドから最近会に入った人まで、様々な年代の人がいる大所帯の連々会。毎年新しい人が続々と入ってくる会は、幅広い層が大きなうねりを作り、川越一と謳われる祭りを作り上げています。
残念な雨、しかし、雨だからこそ盛り上がったとも言え、終わり良ければ全て良し、という2017年の川越まつりだったでしょうか。
2017年から2018年へ。
いよいよ今年の川越まつりまで、あと10ヶ月となりました。
今や川越の元旦と言えば・・・という存在が、市内の囃子連による門付。
連雀町の雀會が元旦に門付を行いました。
元旦~正月に行われる門付は、その町内の囃子連が町内の家々・店々を新年の御祝に回る行事・縁起で、以前と比べると川越内で実施する町内囃子連はぐんと増えました。
正月に川越の神社仏閣に初詣に来るとどこかしらから囃子の音色が聴こえてくるのはこのためです。
お囃子の音色で正月を迎える、一年が始まるというのも川越まつりの街川越らしく、川越を表している行事であります。
町内行事ではありますが、そんな狭いことに捉われず、初詣の行き帰りに門付に遭遇すれば、演奏がひと段落した後に獅子に頭を噛んでもらったり、大黒天と記念写真を撮ったり、そのご利益に誰もがあやかることができるので、一般的行事の側面もあります。
門付で演奏しているのは、その町内の囃子連の面々であり、ということはもちろん、川越まつりの山車の上で演奏している面々でもあるということ。
川越まつりで見上げる山車上の囃子を至近距離で見られるというのも門付の魅力であり、間近で聴くことができるという点で貴重で、年々門付目当ての人垣が大きくなっているように思います。
川越まつりのお囃子を支える町内の囃子連は、川越まつりの時にだけ演奏・活動しているわけではなく、一年通して活動しています。2018年の川越まつりに向けて新年から既に活動はスタート、それが門付です。
2018年も無事に正月の門付が終わり、一安心の雀會。
川越は川越まつりの街、お囃子の街。
2018年2月17日に行われた連雀町「連々会」の新年会。
一次会は新富町一丁目にある「CAFE HYBRID」さんを貸し切って盛大に行われました。
川越まつりを熱く盛り上げに盛り上げてきた連々会。
実は連々会は、今年が発足30周年になり、2018年6月には30周年記念式典を東武ホテルで開催予定になっています。
今年は節目の年で、連々会の面々は今年の川越まつりをさらに盛り上げようと決意しています。
一次会の後はホームの連雀町に戻り、二次会は「居酒屋UTA」さんにてカラオケで盛り上がりました。こうした親睦の積み重ねが、川越まつりの一体感に繋がることは言わずもがなです。
歌い尽くして二次会が終わったのが深夜0時半頃。
・・・と、ここで終わらないのが連々会。
三次会のお店でも川越まつりについて語り合い、さらに良い祭りにするために熱い議論を交わし、四次会の〆のラーメン店でも川越まつりの話しを深め、お店を出たのが、午前3時過ぎ。。。
みな連雀町が好き過ぎ、川越まつりが好き過ぎなんです。
新年会で改めて絆を深め、30周年を迎える今年も熱い祭りを作り上げようと誓い合ったのでした。
2018年の川越まつりまで、あと8ヶ月。
2018年3月18日から熊野神社で始まった、「春詣(はるもうで)」。
3月18日(日)~5月6日(日)
・「むすびの庭」お披露目
・なぎの輪くぐり
・人形で清め祓い
・なぎの葉 短冊でのお願い
3月18日には熊野神社岡本宮司による式典が執り行われ、早速なぎの輪くぐりに参加する人が多数いました。
春詣はGWまでという長期間開催され、連日多くの参拝者で賑わいました。
他にも見どころが多い熊野神社、最近の参拝者の多さは目を見張るものがあり、川越のパワースポットとしても定着しているよう。
また、2017年から続いていた熊野神社境内にある神楽殿の改修工事は、2018年1月に工事が終了して綺麗に生まれ変わりました。
全く新しいものを建てたかのような雰囲気ですが、時の鐘の工事同様、時間が経てば渋みが出てしっくりしてくるはず。
毎週第三日曜日の縁日では、神楽殿にて連雀町囃子連「雀會」によるお囃子や神楽が楽しめます。
GWになれば、恒例となっている熊野神社の「太田道灌の山車の展示と居囃子」。
2018年5月3日(祝日)・4日(祝日)
川越まつりの実際の山車、連雀町の太田道灌の山車が間近で見ることができるまたとない機会。山車の上のお囃子も川越まつり同様、連雀町の雀會が行いました。
3日に関しては、連雀町交差点~仲町交差点~札の辻まで交通規制がかかりました。4日、5日は仲町交差点~札の辻が歩行者天国に。
GWが来ると川越人としては川越まつりの足音がだんだんと聞こえてくる季節でそわそわし出してくる頃。
川越まつりまであと5ヶ月です。
2018年6月2日川越東武ホテル光琳の間で開催されたのが、川越まつり「連々會創立30周年記念式典」。
平成元年の発足から今年でちょうど30年。前年の昭和63年は昭和天皇の体調を気遣い川越まつりを自粛。翌年に、それぞれ個人で楽しんでいた祭りを地域一体となって盛り上げるものにしようと設立されたのが、連々会でした。
あれから30年。節目の年を祝し、これからのさらなる川越まつりの発展を祈念し、催された記念式典。
会場には連雀町の川越まつりを作り上げている連々会の面々が集結。設立メンバーの世代から新規の会員まで、幅広い年代が属しています。現会長が第五代目で、連々会を立ち上げた初代から第四代までの会長も列席していました。また、連雀町自治会長や連雀町の道灌の会、雀會も参加しています。
特に明記したいのは、各町内の祭りの山車曳行の会があっても活動が川越まつりに限られることが多い中で、連雀町の連々會は年間を通して活動があり、毎年春頃には親睦旅行も企画している。昨年は、群馬県へ観光&BBQに出掛けていました。
会の仲の良さもありますが、なにより、祭りはみなが気持ちを一つにしてこそ成り立つという想いのもと、年間行事を通して連帯感を深め、一年の集大成となる毎年10月の川越まつりを迎えています。
2018年8月18日には、アトレマルヒロ屋上のビアガーデンにて「暑気払い」を行いました。
暑い夏を吹き飛ばし祭りに向けて英気を養うために開催し、大いに呑み、食べ、祭りについて語り合い、結束を強めた連々会。
この一致団結で今年の川越まつりも盛り上げていきます。
気が付けば、今年の川越まつりまであと一ヶ月と少し。
2018年9月29日、熊野神社社務所にて、2018年「連々会定期総会」を開催しました。
今総会をもって連々会は、正式に新会長、新役員が決まり新しい体制となって、歴史のバトンを受け継ぎまた歩んで行くことになりました。
やる気みなぎる若き期待の新会長、役員により連々会はさらに発展していくものと思います。
あっという間のようで確かな軌跡を経て迎える今年の川越まつり。
今年は一体どんなドラマが見られることでしょう。
2018年10月20日(土)、21日(日)川越市内で開催、川越まつり。
「川越まつり」