川越style「平蔵」Gallery&Cafe 秋田の魅力が詰まったお店 喜多町 | 「小江戸川越STYLE」

「小江戸川越STYLE」

「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


「秋田県は山もあり、川もあり、海もあり、自然豊かで食材も豊富。

それに人柄が素敵だと思うんです。東北人に共通する気質で、情に深くて温かいんです」
遠藤さんの秋田愛は、どこまでも尽きることがない。。。

 



2015年3月に南通町にオープンし、2023年1月に移転オープンしたのが、「Gallery&Cafe平蔵(へいぞう)」さん。
お店があるのが、川越市喜多町。

一番街の札の辻を北に進み、「旭舎文庫」のあるT字路を右折してすぐ右手。

川越氷川神社に続く通り沿いにあります。

「Gallery&Cafe平蔵」
川越市喜多町11-18
11:00~17:00(16:00ラストオーダー)
定休日 日曜日・隔週月曜日

※月に数回金曜日の夜営業あり。その場合は翌日土曜日はお休み
049-202-2030
heizo.kunoiti@gmail.com
HP:
https://galleryandcafeheizo.business.site/
Instagram:

https://www.instagram.com/heizo0319/
Facebook:
https://www.facebook.com/heizocafe
 

平蔵さんは、秋田の素材を使ったお料理・秋田料理・デザートを提供しているお店。

以前は南通町にあり、人気店となっていました。


 

そして、2023年1月に喜多町という新たな場所で、新たな歴史を紡いでいきます。

今の喜多町の場所は、旭舎文庫があり、LEC COFFEEさん、Cafeプラグさんなどがあり、個性的なお店が点在していて魅力が増しています。

平蔵さんの店内は広々として、カウンター席とテーブル席があります。

 

平蔵さんと言えば、なんと言っても、秋田県。

平蔵の店主・遠藤さんは、
「秋田県の素材を積極的に使うようにしています」と話し、

ここに来れば秋田県を存分に感じられるお店となっています。
料理に使う秋田の食材は、秋田県から直送されているものです。

メニューはその時手に入る秋田の素材によって替わり、週替わりのペースで変化していきます。


ある時のメニュー

【御食事】

・秋田の夏冷やしスタミナ稲庭うどん

(じゅんさい、ギバサ、長芋、オクラ、ミョウガ、比内地鶏などがのっています)

・半蔵ランチ 秋田由利牛入り煮込みハンバーグ定食

(秋田由利牛とむさし麦豚の合い挽き肉で作っています。小鉢が1つ付きます。ごはんは秋田米サキホコレです。)

・特別ランチ 比内地鶏の親子丼

(小鉢が3つ付きます。ごはんは秋田米サキホコレです。)

【一品料理】

・秋田産じゅんさいの酢もの

 

【御飲物】

アルコール

・COEDOビール

・秋田の地酒

・クラフトチューハイ

ソフトドリンク

・ブレンドコーヒー(中浅煎り やや酸味あり)

・平蔵ブレンド(深煎りのオリジナルブレンド)

・紅茶(アッサム HOT)(ICEはアールグレイ)

・ウーロン茶

・仁手古サイダー(秋田のご当地サイダー)

・自家製青梅のシロップソーダ割り

・猫パンチコーラ

・たばちゃん農園のブルーベリーのお酢のソーダ

 

【甘いもの】

・秋田産メロンとヨーグルトのシャーベット

・秋田のスイーツ あさづけ

米粉とお酢を煮詰めてフルーツにかけています

・たばちゃん農園のブルーベリーベイクドチーズケーキ

 

他に、時期によって、様々なメニューが登場しています。

・秋田名物 きりたんぽ鍋

・秋田由利牛のすき焼き定食

一品料理で、

・いぶりがっこのチーズのせ

・ばっけ味噌

・象潟産筋子のおにぎり

・秋田産うるいの酢味噌和え

・たばちゃん農園の小松菜お浸し


稲庭うどんには「じゅんさい」に比内地鶏などが乗っていて、付け合わせに桜の木の皮で燻したたくわん、「いぶりがっこ」を。
平蔵さんでは、ただ秋田の食材を扱うだけでなく、その食材の旬までを意識して、美味しい時期に仕入れて料理に活かしています。

稲庭うどんなら夏は「じゅんさい」が乗せられています。
秋田県では酢の物やワサビ醤油、天ぷらにして食べられることの多いじゅんさい、川越の人にとっては初めて食べる人も多いでしょう。コリコリとした食感にさっぱりとした味は、まさに夏にぴったりの味。

平蔵では、じゅんさいの旬の時期には色々な料理にじゅんさいが使われています。

(白神山地からの湧き水で育てられているじゅんさい、ここからお店に直送されている)


シャキシャキとした食感に粘り、病み付きに方が続出。
秋田県の三種町はじゅんさいの一大産地で、町のあちこちにじゅんさい池があり、5月から8月くらいまでの期間に育てられています。
じゅんさいの他にも「みず」「アイコ」「シドケ」といった山菜などを煮付けにしたりし、「姫たけのこ」を煮物に入れたり、キノコ類などを煮付けにして稲庭うどんの上に乗せて山菜うどんにしたりと、秋田の旬に合わせながら料理も変わっていきます。

 

他にも、様々な食材を使ったメニューが週替わりで登場。
お肉なら由利牛や比内地鶏。

親子丼の肉は比内地鶏で、卵ももちろん比内地鶏。由利牛のハンバーグ定食もタイミングで提供しています。

 

 

 

 



寒くなり、11月くらいになって「せり」が出回る季節になれば「きりたんぽ鍋」がお目見えしていく。
きりたんぽに使用するお米はもちろん秋田県産。

 

デザートにも、秋田県の食材を積極的に使って様々なメニューを手作りしています。

 

さらに、状況で仕入れられる時に「ハタハタ」「ヒラメ」「真鯛」を使った料理を提供していたこともありました。

 

「秋田県にはこういう食材があることを知ってもらえたらと思います。

それだけでなく、秋田ではこういう食材をこういう風に調理して食べているんだということも知ってもらい、秋田県を感じてもらえたら嬉しいです」


秋田の人が秋田で日常的に食べているものを川越で提供する。
お肉の業者、卵の業者、ジュンサイ、一つ一つの食材を提供してくれる生産者を自分で開拓し、直で仕入れている平蔵さん。
そこには、新鮮な食材を手に入れることだけでなく、秋田県で頑張っている生産者を応援したいという想いがあります。

 

そういうお店だから、地域の人だけでなく、
「新鮮な秋田県の食材が食べられる」と、
秋田県人会の方々が団体でやって来たり、遠方からの来店も多い。
シャイな秋田の男性は、きりたんぽ鍋に感激しつつ控えめに
「せばまた!(じょあまたね!)」
と返してくれて、お店を後にしていったこともあった。
秋田県には素敵な場所がたくさんある、秋田県の魅力を発信するアンテナショップ的な場所で在りたいと話し、このお店を通して秋田に興味を持ってもらい、川越の人が秋田を旅してくれるようになったら嬉しい、という夢を遠藤さんは抱いている。

 

そして、川越の季節の素材も活かそうとする平蔵さんでは、川越市下赤坂の「たばちゃん農園」さんや川越市下松原の「なるかわ農園」さんなどのお野菜を時季によって使用しています。




平蔵さんでは、「Gallery&Cafe」と名の付く通り、定期的にGalleryとして企画展が開催されています。 




平蔵の遠藤さんにとって家庭の味といえば、秋田の料理のこと。
両親とも秋田出身で秋田に生まれた遠藤さんは、小さい頃から秋田の食に親しんでいました。
看護師をしていた20代の頃から、いつかお店を開きたいと夢を膨らませ、お店をやるなら自分が親しんできた料理、味を提供したいと思った。

遠藤さんが秋田のお店を開きたいと動き出すと、なんだか秋田の方から遠藤さんにまるで紹介されようと繋がっていったような感じで、南通町にあったお店オープン前に新潟県で開かれていた伝統工芸品の作品展で柴田慶信さんと出会い、
「いつかお店を始める時にぜひお弁当箱をお願いしたいんです」
と話していたことから二年後に秋田の工房に訪れて、実現してしまった。。。
それが、樹齢150年以上の天然の秋田杉で作られた曲げわっぱ弁当のお弁当箱でした。

この焼き印と合わせて、看板の店名の原書を書いたのが、書道家の七澤菜波さん。

秋田を魅力を発信する遠藤さんは、川越に来ていろんな場面で川越の人の人情に助けられたと話し、建築家の朽木宏さんと知り合えたのも、川越の人の紹介があったからこそ。
東北人の人情に親しんできた身にとって、川越の人の人情も温かく、
 

「秋田と通じるものを感じました」

だから、秋田LOVEと同時に、やはり今住んでいる川越のことが好きだという川越LOVEでもあります。

 

お店の象徴のように店内に掲げられていたのが、猫の平蔵の写真。

そうか、この猫から始まったのか、となんだか感慨深く見上げます。
平蔵。

目を引くこの店名の由来は、遠藤さんの愛猫の名前から付けられました。
生後4ヶ月ほどで遠藤さん宅にやって来た平蔵は、当初痩せて風邪をよくひくような猫だった。
 

「表情が凛として男らしく、和の感じで、すぐに『平蔵』という名前が浮かんだんです」
 

そして自分でお店を始めようと店名を考えていた時に、自分が目指す和の方向と平蔵の名前がピタリと一致して、店名が決まりました。

平蔵は、お店の名前になるだけでなく、さらに不思議な縁を引き寄せることになる。

 

そう、全ては平蔵という一匹の猫がいたからこそ、起きたことなのだ。

平蔵に惹きつけられた写真家の野寺治孝さんは、平蔵の写真をぜひ撮らせてもらえないかと遠藤さんに願い出ました。

遠藤さん宅を訪問して平蔵の写真を撮ろうとした時、家の中で2時間半自分と平蔵のたった二人きりにしてもらい、平蔵と心を結び、彼のポートレート写真を撮り続けたのだという。

出来上がって写真集にまとめられた一冊を受け取った遠藤さんは、

ドキドキしながらページを開いてみたら・・・息を飲んだ。。。

 

「平蔵が平蔵じゃないみたい。。。こんな表情をするんだ」

 

毎日見ているはずなのに、今までの見たことのないような平蔵が本の中にいた。

 

話しはこれで終わらない。

ここからが、劇的な展開が始まる。

かつて開催された「展覧会」が始まった経緯の話しを聴いた時に、こんなにも偶然のような必然のような、奇跡的な話しが川越に、いや世の中にあるものなのかと、信じられない思いでした。

現実に起こった奇跡の前に、ただただ胸が熱くなる。

それは遠藤さん自身がなにより一番感じていたことで、壁に掛けられた絵を見つめながら、

 

「こういうことってあるんですね。。。信じられません」と感慨に浸っていました。

 

ここからの話しは、信じられないような、でも本当のお話し。

 

それは、平蔵が南通町にオープンして、初めての展覧会を予定していた時のことだったと、遠藤さんは振り返ります。

お店に置かれた平蔵の写真集を見ていた知り合いのお客さんが写真に感動し、遠藤さんはそんなに感動してくれたのならと、数冊あるうちの一冊を手渡したのだそう。

この時は一冊どうぞと渡しただけだった。

その一冊を大事に抱くようにして持ち帰ったのが、郭町の旧富士見櫓にある御嶽神社の伊藤さんでした。


「あの写真に感動して、みんなが描いたらどうなるんだろう」
 

と伊藤さんは密かに思っていたらしい。
平蔵の写真集を持ち帰った伊藤さんは、素敵な写真だから見てごらんと息子さんに見せ、あいアイ美術館の先生にも見せたのだった。

息子さんの伊藤大貴君はあいアイに所属していて、あいアイでお馴染みの富士山の絵を描いているのが伊藤君。

川越style

川越style
実は、平蔵の第一回展覧会は、この伊藤君の作品展を予定していました。
NPO法人あいアイは、障害を持っている方の創作活動などを支援するNPO法人。

特に伊藤さんの富士の存在感は圧巻で、襖一枚をキャンバスにして昼の富士、夜の富士を描いた作品は目を奪われます。

 

こうして、遠藤さんが何気なく渡した一冊の写真集は、伊藤大貴君に渡り、あいアイ美術館の先生に渡っていった。

もちろんこの時は、あの一冊がどう渡っていったなんて遠藤さんは知る由もない。

そして、あいアイ美術館の先生は、子どもたちにあの写真集を見せたのだという。

その瞬間。。。

みんなの瞳が輝いた。

この一冊の写真集には何か人を動かすものがあったのかもしれない。

先生は本をほどいてバラバラにした。

それぞれが、自分はこの平蔵、自分はこのページ、気に入った平蔵の写真を手元に置いて、子どもたちは写真を見ながら、絵筆を持ち思い思いに絵を描き出す。

夢中になって創作に没頭するあいアイの画伯たちの姿、

平蔵の豊かな感情表現と、それを汲み取るあいアイの子どもたちの感受性、

両者の感性の火花がぶつかったような作品が次々に生まれていった。

人によっては「まだダメ、まだ満足できない」と何回も描き直し、3枚、6枚と平蔵の絵を描いていった。

たった一匹の猫が、こんなにも多様に展開して一つに繋がるなんて。。。

出来上がった作品を前に、子どもたちは充実感いっぱい、平蔵もさぞかし喜んでいるだろう、

みんな上手に描くことができました、とここまでで終わるのが現実。

さらにここからが信じられないような展開を迎えることになる。

 

いよいよ、遠藤さんにここまでの話しが届けられる時が来たのだ。

 

「こんな素敵な作品たちが生まれました」

 

先生や伊藤さんたちは遠藤さんのところに出来上がった作品のことを伝えにきた。

その時の遠藤さんの反応は、想像できるでしょうか。

一冊渡しただけの写真集が、人の手を巡っていくだけでなく、たくさんの絵となって帰ってきたのだ。

それも、みんな独特な世界観の平蔵で、平蔵の全てを表してしてくれているような絵ばかりだった。

こんなことになるなんて。。。

遠藤さんは展覧会の予定を変え、急きょ、伊藤さんの了解を得て伊藤君の作品展を延期し、
伊藤君含めたあいアイの画伯たちが制作した平蔵の作品の展覧会を開くことを決めた。

それが、「展覧会・ねこの平蔵展」でした。



一枚一枚違う平蔵がいて、どれも魅力的な平蔵がいた。
見る者を引き込んでいく絵の力、絵の前で涙を流す方もいたという。

たくさんの猫の絵を描いたんですねというお客さんの感想から、いえ、一匹の猫をみんなで描いたんですと伝えた時の反応が一様に目を丸くしていた。

ここに至るまでの経緯を話すとみな、黙り込むほど感動に浸っていたという。

お店は喜多町に移り、きっとこの先にも奇跡のような展開が広がっていくはず。

そんな力を持っているのが平蔵なのかもしれない。

 

 

カフェであり、ギャラリーであり、川越から秋田県の魅力を伝えるお店。

 

新たな地で、新たな歴史が始まります。

 

「せばまた!」

 

「Gallery&Cafe平蔵」
川越市喜多町11-18
11:00~17:00(16:00ラストオーダー)
定休日 日曜日・隔週月曜日

※月に数回金曜日の夜営業あり。その場合は翌日土曜日はお休み
049-202-2030
heizo.kunoiti@gmail.com
HP:
https://galleryandcafeheizo.business.site/
Instagram:

https://www.instagram.com/heizo0319/
Facebook:
https://www.facebook.com/heizocafe