川越style「小江戸川越のらり蔵り」柳屋酒店とのコラボツアー志多町・喜多町編 | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

川越には、街を巡る散策ツアーがいくつも企画され、いろんな切り口で川越は日々紹介されていますが、
ただ、川越という街は大型観光バスで数十分立ち寄ればくまなく見られるという街でもなく、
掘れば掘るほど、歩けば歩くほど面白いものが見つかるというのもまた川越の真実。
なにせ、川越の地に生まれ育って数十年という人たちでさえ、
「川越にこんなところがあったんだ!」
と新たな川越を再発見することが多いと言い、
川越はこういう場所、とまだまだ完全に規定し切れない深さがあり、広がりは日々更新されている。

川越に残された『素の川越』に出会えるツアーとして、
小江戸川越のらり蔵りpresents「ちょっとディープな小江戸川越散策ツアー」は、

川越の中で独自のポジションを確立している異色の存在。
川越のディープな情報は日々「小江戸川越のらり蔵り」で発信され、

https://www.facebook.com/norakura.kawagoe0492

また、定期的に川越散策ツアーを企画しています。
2014年12月の時の鐘周辺ツアーから2ヶ月。
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11967704976.html

(時の鐘周辺編の様子)

早くも次回編が開催されました。
2015年2月14日、今回は時の鐘から北へ進んだエリア、

一番街?いえいえ、一番街の札の辻交差点を通り過ぎてさらに北へ入っていく。

一番街から北へ行くとさらに歴史は古くなり、そこは
明治の大火を免れ、明治・江戸の貴重な建物が残る喜多町、志多町エリア。
札の辻交差点を越えて広済寺を過ぎて脇道へ入っていく。
川越総鎮守氷川神社へ続く道の途中にあるのが、

今回のツアーのスタート・ゴール地点である

志多町の「柳屋酒店」です。
今回も10人近くの参加者が、ディープな川越散策を楽しみにしていました。


前回の時の鐘周辺編では、時の鐘近くにある大学いも・川越いわたさんとタイアップした企画でしたが、
今回は柳屋酒店とタイアップし、志多町周辺のエリアを掘り進めようという企画でした。
企画実現の裏話として、

実は前回のツアーに柳屋酒店の鵜野さんが参加していて、そのディープな散策に感動し、
次回はうちのエリアでぜひ!と話しが進んでいったという。

 

そして小江戸川越のらり蔵り(以下のら蔵)スタッフは、いつものようにすぐに企画書をまとめ上げ、柳屋酒店と打ち合わせを重ねていった。
柳屋酒店さんにとっては、

お店がある自分たちのエリアをもっと知ってもらいたいという思いを日頃から抱いていた。
一番街から北に隣接していてさらに歴史が古いにも関わらず、

注目度はそれほど高くなく、観光客もほとんどやって来ない。

ただそれは、興味がないというよりは知られていないというだけの問題で、
発信さえすれば興味持つ人はたくさんいるのではないか、と。
そこにのら蔵ツアーとの出会いがあり、

ツアーを通して志多町周辺を知ってもらいたいと考えた。
もちろんそれはのら蔵スタッフも共鳴するところで、

「喜多町、志多町は以前からツアーをやりたい場所だった」と話す。

大きな照明が当たっていないからこそ大事にスポットライトを当てたい、と
川越でも特に珍しい、志多町周辺散策という形が実現した。

 

参加者は、今回初参加の方に、
「今度はどんな川越と出会えるか楽しみ」と前回から引き続き楽しみにしていた方もいた。
川越で企画される散策ツアーで、こんなにリピーターが多いのはのら蔵以外にはほとんどないと思います。
参加するたびに新たな発見があり、川越がまた好きになるという循環があり、

何度も何度も参加している方が多いのが特徴。

 

ツアーの代名詞的決めゼリフといえば、「よーく見てみると・・・」というスタッフの言葉。

 

その言葉が出ると、参加者は一気にテンションが上がり、指で示された箇所をよーく見てみる。

見るからに観光スポットというより、

見慣れた川越の風景の中によーく見てみるとという視点で、

日常の中に意外なもの、面白いものが潜んでいることを紹介する決めゼリフ。

こんなところに・・・!というギャップの面白さがこのツアーの真骨頂で、

地元の人の参加が多いのはそこに魅かれているから。

 

川越の歴史は掘れば掘るほど面白いだろう、というイメージは川越の人は誰しも持っていて、郷土史家も数多くいるこの街で、でも楽しく川越を伝えてくれる存在が少ないのも事実であり、その需要にのら蔵は見事にマッチしている。

一体どこで、何度、よーく見てみると、が出てくるでしょうか。

 

一行は柳屋酒店を出発すると、のら蔵スタッフ先導のもと通りを南へと進む。
江戸時代の木造建物など貴重な町並みを望みながら、ある横丁の入口で立ち止まった。
そこだけ異彩な空気を放っている看板は、

 

見る者の目を奪いつつも、容易に人を寄せ付けないようなオーラがある入口だった。
目にしたことある方はいると思いますが、
地元の人でも足を踏み入れたことがない方が多い横丁に一行は入っていった。
すぐそこは一番街。

そして一番街からすぐそこ開いている、異世界への入口。。。

参加者から「凄い!こんなところがあったなんて!」と声が上がります。
そこは弁天横丁と呼ばれる細道で、かつては飲み屋や小料理屋が軒を連ねた通り。

柳屋酒店さんも、この通りのお店とかつては取引があったといいます。
建物を見上げ、周りを見回し、雰囲気に浸る参加者。初めて歩く方が多いようでした。
通りの一角にトンネルがあり、本町通りに車が通るのが覗き見えます。

窓に飾られた木の意匠が風情を深める。


長屋の一つは改修工事により、ギャラリーなんとおりとして復活を果たしています。

弁天横丁に対する参加者の反応の高さ、食い付きの良さは、
のら蔵スタッフが「ここにそんなに反応あるなんて想定外」
とびっくりした表情で語るほどで、

この横丁はさらっと説明して通り過ぎる予定だったのを急きょじっくり時間かけるほどだった。
30年くらい前の素の川越がある、それも一番街のすぐそばという意外感も、

感動を増幅させているようだった。

改めて「喜多町、志多町は絶対面白いんです!」とスタッフも力説していました。

弁天横丁から裏宿通り、そして桜横丁へと進む。

通りの名から場所が分かる方はそれほど多くないと思いますが、

(地元の人も知らない人が多い)細道から細道へ、というまさにのら蔵的歩き方で進んでいく。

横丁の風情とネーミングの素敵さ、川越の横丁は奥が深いことを再認識できるようでした。

歩きながら、スタッフが指差し・・・ということはもしや・・・

え!あの決めゼリフがここでもう?と

一同の緊張感が高まって身構えていたら、

「皆さん、この辺を、よーく見て・・・おいてくださいね」という、なんと前振りが入りました。

 

今まで、よーく見てください、という紹介パターンだけだったに対し、見ておいてください、と前振りを入れる新しいパターンを用意。

言われた参加者は、のら蔵スポットがこの辺りにあるはず、と足元をくまなく確認しながら歩き始めました。

その様子は、単にガイドがあれこれ説明してくれるツアーとは一線を画する展開、

「これかな?」「いや、これじゃない?」参加者の目が変わり、

のら蔵スタッフのように指で指摘し合う姿が見られた。

謎解きに励むような参加者の光景を見ながら、スタッフは涼しい表情。

そして、

ふふふ、そう、そうしてあちこちを気にしながら歩くことが、のら蔵的散策であるのだ、皆さんだんだん染まりつつあるな、と笑みを浮かべて、また先導していくのだった。

一体どこにそのポイントはあるのか。それは一体なんなのか。

早く出会いたい思いに駆られながら、足元をキョロキョロしつつ進む参加者だった。


「このお店は・・・」「このラーメン屋は・・・」と歩きながらの雑談がまた楽しい。

参加者も川越の人が多いので、初雁中は自分の母校、といった話しが出てきて、

体育館にプロレスがやって来て見たなあ、など地元トーク満載です。

初雁中学校の北側沿いの細道に入り、

 

「さあ、いよいよですよ」とスタッフが参加者に振り返りながら声をかける。

 

一同の期待感が高まり、足元を注意深く見ながら歩く。

「皆さん、ここよーく見て・・・ください」いよいよ飛び出した決めゼリフ。

指差した箇所を参加者が目で追うと、そこにあったのは境界標。

昔、道と敷地を分ける標として設置されたもので、昭和初期の物が今でもそのまま残っていた。


「おお~!昭和の遺産がこんなところに!」と感嘆の声を上げる参加者。

よく観察していないと絶対見つからないような大きさで、

これはのら蔵的視点があってこその発見。

こういうツアーの様子は、川越的タモリ倶楽部と呼びたいくらいです。

ただ、これはスタッフもつい一昨日見つけたものなんだそう。

リハーサルで時間を計りながらルートを回った時に、本丸のポイントに辿り着く前に

あれここにもある!とこれを発見したという。

「この辺は大丈夫かなと歩いていたらこれを発見してしまった」と話し、日々発見が続く川越です。

ちなみに、一番街から細道を入ったところにある雪塚稲荷には明治の境界標が残っているとのこと。

そんな事実はこのスタッフ意外に指摘した人がいたでしょうか。。。

 

・・・余韻に浸る間もなく、のら蔵スタッフが参加者に畳み掛ける。

 

「昭和くらいで驚いてもらっちゃ困る」と話し、

少し離れたところで、「皆さん、ここもよーく見てください」

と指差したところには、またまた別の境界標が。。。!

街のあちこちに残されているようなものではありませんが、特に初雁中学の近くは境界標の宝庫。

一本の通りにざくざくと出現します。


大正時代の境界標が出現しました。

そして、よーく見てみると名前が書かれている。この方がかつて住んでいたという標だった。

おお~、こんなところにも!と興奮する参加者。

 

さらにさらに畳みかけ、このすぐ近くにもスタッフは立ち止まる。

 

「皆さん、ここも、よーーく見てください」

そこにもあったのは境界標。

しかも・・・古いものと新しいものが一体となって新旧共演を果たしていました。

手前の四角が最新の境界標で、世代を超えた新旧揃い踏みが見られるかなりレアはポイントだった。

一同カメラで収め続けていました。

スタッフによるガイドも凝っていて、ホップステップジャンプのように3つ目に大物で締めるという憎い演出で紹介されて感動が深まりました。

それにしてもこれは凄い発見。こういうのは秘密の場所にしておきたい気持ちも反面ありつつ、

みんなで楽しみましょうと語るスタッフだった。

 

ここから、氷川神社方面に向かって歩いていく。

途中、柵がハートになっていることを発見して、バレンタインにちなんで盛り上がる一行でした。

のら蔵スタッフの視点を浴びていると、参加者もだんだん街の見え方が変わるようで、自分でものら蔵スポットを見つけたくなり、また、見つけたものを誰よりも先に言いたくなってくるのが面白い。

ツアースタートの時と比べると、足元をじっと目を凝らしたり、周りをキョロキョロ見回したりという姿が普通になり、凄いものを見つけた人が凄い、というある意味童心に帰って楽しんでいるようでした。

スタッフは、氷川神社に入るのかと思いきや、神社沿いにある細道に入っていく。

「ここが上尾往還です」

この道が伸びていって入間川や荒川を渡り、上尾宿(現在の上尾市)まで続いていた。

中山道の脇往還として大事な役割を担った道という説明に、

「へえ!この道が」と参加者は一様に驚いていました。

そして、氷川神社裏手にある新河岸川を指差しながら、

「ここは川越城の外堀だったのではないかと思います」と話しを展開する。

もともとの赤間川(現在の新河岸川)は、田谷堰から伊佐沼へ流れる川でしたが、

お城に沿って水を引き入れるために流れを変えたのではないか、と。

さらに昭和になると、川の各所に堰が設けられ利用されるようになった。

その堰にまつわる話も・・・と興味は尽きず、新河岸川だけの散策も企画が待たれるところ。

 

ここでようやく?氷川神社へと足を踏み入れる一行。

そこはのら蔵、正面ではなく裏手から入っていったのでした。

氷川神社は見所がたくさんある中で、スタッフが案内したのが、木が生い茂る境内の林だった。

「よーく見てください。ここは川越の出雲大社なんです」

と紹介したのが、全国の神社の末社が集まる一角でした。

「稲荷神社」【商売繁盛】

「子ノ権現(ねのごんげん)」【足腰健康】

「加太栗嶋神社」【婦人病の治癒、手芸の上達】
「日吉神社」【家内安全】
「琴平神社」【水に関わる人の安全を守る】
「御嶽神社」【悩み事の解決】
「三峯神社」【魔除け、盗賊よけ】
「春日神社」【健康長寿、家内安全】
「蛇霊神社」
「水神社」【水の守り神様 厳島神社】
「疱瘡神社」【伝染病の治癒】
「松尾神社」【商売繁盛(醸造業)】
「雷電神社」【落雷を避ける】
「嶋姫神社」【水害除けを願う方へ】
「八幡神社」【武道の上達、勝負祈願】

といった神社が居並ぶ壮観な光景に、圧倒される。


そして境内の手水舎へと案内すると、明治八年に奉納されたとの記録を紹介。

こういうところに目をつけるところがさすがのら蔵です。

皇紀二千五百三十五年との記載に、

「これは前回のツアーの『あれ』よりさらに古いんだ!」と盛り上がった。

前回の、時の鐘周辺編でも年代物の遺産が紹介され、

幻の東京オリンピックの国旗掲揚台が今でも初雁球場に残されていることが話題になりました。

(前回のツアーより。初雁球場にある国旗掲揚台)

 

神社を出ると真っ直ぐ道を進み、柳屋酒店に戻ってきてゴール。

ぴったり一時間という、予定通りに帰ってくるところものら蔵らしい。

一時間の中でどうルートを巡ると良いか、

効率だけでなく面白さも追求して組み立てられていた行程でした。

お店に帰ってくると、柳屋酒店の鵜野さんから甘酒やCOEDOビール、河越茶が振る舞われました。

これはお店とタイアップしているからこそで、ツアーの楽しみでもある。

また、柳屋酒店さんの好意で、飲み物の試供品プレゼントも参加者全員にありました。

さらには、のら蔵スタッフから参加者特典として記念グッズがプレゼント。

 

お店の前にテーブル・椅子の特設セットが組まれ、お疲れ様ー!と乾杯してひと時を過ごしました。

話しというと、回ってきたばかりのルートを振り返って、あそこがよかった、あそこは知らなかったと話しに花が咲く。

特に参加者が口にしていたのは、弁天横丁と境界標。

弁天横丁の異空間に驚き、境界標が三本続き、しかも最後は新旧共演という意外な展開に、

興奮冷めやらぬ表情で語り合う皆さんでした。

あの境界標の意外感は、言葉では言い表せないような、参加した者にしか味わえない体験でした。

こんなところに見るものなんてないだろうな、という風景に、実はこんなものが・・・!というギャップが今回は特に大きく、「前回よりディープで感動的だった」と口々に話す参加者だった。

それでも、これでこのエリアは踏破したのかというと、「全然だよ!」と語るのら蔵スタッフ。

 

お店の脇を通る細道も実は面白いものがあるんだ、と話し、

何があるんですか?と訊ねると、

「ふふふ・・・それはね・・・よーく見てみな?」という、

また新たなパターンの決めゼリフで返されてしまいました。

紹介に、前振りに、投げかけに、決めゼリフもバリュエーションがどんどん増えていきます。

喜多町、志多町エリアは面白いものがまだまだいっぱいある、と最後にまた力を込め、今後も柳屋酒店と小江戸川越のらり蔵りのコラボは実現していくでしょうか♪

のら蔵のツアーは、当初は知る人ぞ知る存在でしたが、

回を追うごとに認知され、合わせて開催頻度も多くなってきました。

来月には、再び「大学いも・川越いわた」さんとのコラボツアーが開催されます。
3月8日(日)本川越駅近く新富町にある川越いわた本店から、時の鐘店まで銀座通りを歩くという内容。
そして本川越駅近くにあるお店「ティーベリー」さんとのコラボ企画が、

3月14日(土)「喜多院一周、再発見の旅」

ティーベリーからスタートして西小仙波町側より喜多院外周を一回りし、
その周辺に眠る忘れられた川越を古地図とともに呼び起こす。

「どんな隠れた名所に案内していただけるか、とっても楽しみですね♪ 

ツアー終了後には、美味しい紅茶とホワイトデーのミニスイーツのサービス付きです!」とのことです。

 

さらに翌日3月15日(日)には、大正浪漫夢通りにある

「沖縄物産 真南風」とコラボツアー開催。

真南風を起点に、ディープな川越を巡る約1時間程度のお散歩ツアーイベント。
「ツアースタート時には、沖縄三線教室の生徒さん方により『出発激励沖縄民謡演奏』あり。

終了後には、真南風から少しばかりのお土産が!」とのことです。

今や川越のいろんなお店に引っ張りだこで、どこのお店に呼ばれても、その周辺の地域で面白いものを紹介して歩く地域興しののら蔵。

今年は活発にツアーが組まれていくので、今年注目の動きになると思います。

 

「小江戸川越のらり蔵り」

https://www.facebook.com/norakura.kawagoe0492

 

合言葉は・・・

 

「よーく見てみると・・・」