川越style「小江戸川越きもの姿で七福神めぐり」毎年1月 川越の街にきもの姿を増やす会 | 「小江戸川越STYLE」

「小江戸川越STYLE」

「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

今年も安寧な一年が送れますように。

川越のお正月、1月の恒例行事として定着しているのが、「小江戸川越七福神めぐり」。

一年で最も川越の街に七福神めぐりに参加している人を見るのが1月。

参加して一年のスタートを切る、というのも川越人の生活スタイルとして続いています。

 

川越の「七福神めぐり」は、シルバー人材センター主催でも開催されていますが、他にも独自に、七福神めぐりを企画してみんなで楽しもうとする動きが活発にあります。

もちろん、1月以外でも七福神めぐりをする人は多く、川越では一年を通して参加者が途切れることがありません。

川越駅東口デッキに続々と着物姿の人が集まって来る。

この集合場所というのもポイントで、七福神めぐりの第一番である妙善寺が川越駅から近いこともありますが、さらに、着物の姿を多くの人に見てもらおうとする意図もあり、一般の人に向けて川越の着物文化をPRできるスポットでもあります。

駅に向かう人、出て来る人、街ゆく人の目に着物姿の人たちの集まりが映る。その姿に惹かれ、興味を持って何の催しなのか尋ねている光景も見られました。

毎年1月の恒例行事「川越の街にきもの姿を増やす会」が主催しているのが、「小江戸川越きもの姿で七福神めぐり」。

今年は2024年1月14日(日)に開催されました。

「川越の街にきもの姿を増やす会」
Instagram:
https://www.instagram.com/kimonokoedo2022/
Facebook:
https://www.facebook.com/groups/1728311384084279

毎年お正月ムードが残る時期に開催して今回で19回目。会として毎年続けているイベントで、川越のお正月の恒例行事ともなっています。

 

川越の「小江戸川越七福神めぐり」は、開運、諸願成就、健康増進を願い、市内第一番から第七番までの寺院を巡るもので、全長6キロの行程です。

駅周辺から蔵の町、時の鐘、菓子屋横丁など、小江戸の風情を楽しみながら、七福神めぐりが出来ます。

七福神めぐりであり、川越のお寺めぐり、川越散策であり、いろんな角度から楽しめる散策。

これをさらに着物で体験となると、さらに川越らしい雰囲気が高まる。

 

「小江戸川越七福神めぐり」

霊場会公式サイト:
http://www.kawagoe.com/7fukujin/

第一番 毘沙門天(妙善寺)
第二番 寿老人(天然寺)
第三番 大黒天(喜多院)
第四番 恵比須天(成田山)
第五番 福禄寿神(蓮馨寺)
第六番 布袋尊(見立寺)
第七番 弁財天(妙昌寺)

 

小江戸川越七福神めぐりは、巡る順番は決まっているものではなく、川越駅近くの第一番から巡るコース、本川越駅・川越市駅から第七番から巡るコース、それぞれの都合に合わせて進むことができます。

長時間歩くイメージがあるかもしれませんが、七寺院をゆっくりめぐって3時間ほど。

「小江戸川越七福神」のご縁日は、元日~7日及び毎月1日。
(受付時間 午前9時~午後4時(法事等で受付できないこともあります))

七福神の各寺ではオリジナルグッズも販売され、

絵馬3,000円(板(1枚)900円 ご分体各300円)

手ぬぐい各500円、切り絵 200円などがあります。

巡った記念として色紙1,000円(台紙(1枚)300円 朱印各100円)

川越style

色紙は川越のシンボル「時の鐘」をかたどった絵があり、その上に七福神それぞれの朱印を押します。

各寺院をめぐり、それぞれに朱印を集めるというもの。

(色紙については、ご縁日は各寺院で捺印しますが、ご縁日以外の日は完成品のみの対応となります)


今回の「小江戸川越きもの姿で七福神めぐり」は、川越駅を出発し、第一番から順番に巡る行程。

小江戸川越七福神めぐりが定着している背景として、川越の「街の特徴」が大きな特色としてあります。

それは、川越駅・本川越駅という市街地から歩いて行ける距離圏内に歴史・由緒ある神社仏閣が点在し、ほど良い距離感で歩いて回れるため、七福神めぐりのし易さがあります。

他にも川越の神社仏閣を巡る企画が多く企画されるのも同じ要因が挙げられます。

これが、途中バスやタクシー移動を挟んでいたらこうはいきません。

「歩いて回ることができる」からこそ。川越の七福神めぐりの特徴であり、川越の恵まれた環境を活かした企画でもあります。

 

小江戸川越七福神めぐりの中でも、

「みんなで着物姿で巡ろう!」

とする企画は、川越の街にきもの姿を増やす会によるものが代表です。

「川越の街にきもの姿を増やす会」を主宰する和裁士の小杉亘さんは、川越市が委嘱している小江戸川越観光親善大使の一人。川越市から二人目に委嘱された大使です。

川越の着物文化を伝える存在として期待され、活躍しています。

「小江戸川越観光親善大使」
『「小江戸川越」を全国へPRしていただくため、川越市のイメージアップのために活動している民間団体及び市民の方を「小江戸川越観光親善大使」として委嘱しています。』

川越市:

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/smph/welcome/kanko_ta/shinzentaishi/kankoshinzentaishi.html

 

現在、川越の着物熱がこれだけ高まっているのは、着物を愛する市民が草の根的に活動してきた結果であります。

着物を着て楽しむなら、川越。

この流れはこれからますます大きくなっていくでしょう。

 

小杉さんが代表を務める川越の街にきもの姿を増やす会は、その名の通り、川越の街にきもの姿を増やそうと活動している会で、七福神めぐりをはじめ市内の催しに着物姿で参加しようと呼びかけ、輪を広げています。

会では他にも、川越を着物で散策するツアーも定期的に開催しています。

(「きもの姿で仙波の桜めぐり」川越の街にきもの姿を増やす会)
 

そして、会として毎年1月に開催しているのが、「小江戸川越きもの姿で七福神めぐり」。

川越市広報やSNSで告知が掲載されるので、毎年多くの人が参加します。

事前予約制ではなく、当日現地に集合です。また途中で離散するのも自由という運用で、参加しやすさも特徴です。

毎年のように参加している人も多く、ここが新年の顔合わせのようにもなっています。

着物好きだけでなく、近年の着物熱で着物が好きになった人も積極的に参加していて、初参加の人も毎年います。

着物で街歩きデビューとしていい機会になっています。

七福神めぐりが主ですが、一方で、着物が好きな人たちとの交流を楽しむイベントでもあり、歩きながらそこここで着物談義に花が咲いているのもよく見られます。

小杉さんは、

「自分が好きなように着物を着て、楽しんでもらえばいい」

という考えで、ゆえに、七福神めぐりの場でも着物の品評など野暮なことはせず、

「それぞれが思い思いの着物を着て、街を歩くことを楽しんでもらいたい」

という趣旨で開催しています。

 

今回も一行の護衛にあたるのは「川越藩行列保存会」の面々。

その名の通り、かつての川越藩の行列を今に再現している団体で、会長の金子正之さんも上記小江戸川越観光親善大使に任命されている一人。

川越藩の行列を魅せるのは、川越でというより、川越藩所縁の地に招待されるケースが多く、華麗で勇壮な行列で各地の人を魅了している。

 

集合時間の9時半になると、東口デッキには着物姿の人で埋まっていた。

小杉さんの挨拶のあとに川越駅を出発した一行は、まずは第一番寺、妙善寺へと向かいます。

 

歩きながら着物の話しや川越の話しで盛り上がる一行。

川越駅から歩いて3分ほどで辿り着いたのが、
第一番 毘沙門天(妙善寺)

毘沙門天は、もともとはインドの神様で戦いの神様だった。

仏教に取り入れられてからは、守護神で多聞天とも呼ばれています。

よろい、かぶとに身を包み、左手に持っている宝塔より無量の宝物を衆生に与えて福徳を授け、右手に持つ中国の武器、鉾で邪を払い魔を降す徳を示します。

心には勇気決断、暮らしには財という、物心ともどもの福を施す神です。

 

七福神めぐりの定番としては、お寺ごとの七福神の朱印を色紙に押して集めるのが定番ですが、さらに違った楽しい参加の仕方として、七福神の朱印だけでなく、お寺の御朱印を集めるのも楽しい。

川越の神社仏閣でも御朱印を集める人の姿はよく見られますが、七福神めぐりとセットにするというのあり。

 

一番寺を出発し、国道16号沿いにある、次のお寺へ向かう一行。

途中、警護を固める川越藩行列保存会が川越街道を歩く光景が、川越的歴史の再現を見ているようで一同惹き込まれました。

川越街道はかつての趣を今でもあちこちに残している道で、川越藩の行列が進むともうまさに。こうして川越藩から江戸まで川越街道を歩いていたことでしょう。

 

川越街道を越え、駅から離れていくと風景ががらりと変わるのも川越の魅力で、仙波町の農の風景が左右に少しずつ見え始めていく。歩きながら風景の変化が手に取るように分かります。

仙波はかつて、そして今でも農の地域であり、やる気溢れる農家があちこちにいる。

畑を進む着物姿の一行というのも、川越らしいものでした。


第二番 寿老人(天然寺)


寿老人は、中国の神様で、老人星の化身、福禄寿と同体異名であるともいわれ、
寿老人は彦根智教寺に安置されていたもので、長頭、長髭、右手に杖を持ち、左手に長寿のしるしの桃を持っています。
富財、子宝、諸病平癒とそのご利益は多岐にわたっていますが、なんといっても長寿の神として信仰されています。

右手の杖には、巻物がぶら下がっていて、人の寿命が書かれていると言われています。



天然寺から第三番の喜多院までは、歩くと少し距離がありますが、地元人しか知らないような畑道を進んで行く一行。馬頭観音、庚申塔、地蔵尊が道端にある。こういうところにも農の風景が残り、これが川越駅からほど近くということが信じられない面持ちの参加者。

駅という市街地、古刹、農の風景、少し歩くだけで川越のダイナミックな時間軸を体感できるのも七福神めぐりならではです。

新河岸川沿いを進んでから、三変稲荷神社へ向かいました。

 

着物を着ていると街の風景の見え方も変わるようで、古い建物などに意識的になる。

古い建物を見つけると話題にしたりと、着物ならではの散策でした。

道中、光西寺では川越藩行列保存会からお寺と川越藩との繋がりの話しを聞き、中院では「狭山茶発祥の碑」を見学。川越人にはお馴染みですが、狭山茶の前に「河越茶」があり、河越(川越)のお茶栽培から今の狭山茶へ繋がっていった歴史があります。

中院から仙波東照宮へ。

 

そして、仙波東照宮から喜多院へと向かっていきました。

第三番 大黒天(喜多院)

大黒天は古代インドの闇黒の神で、もともとはおっかない神様だった。
仏教での戦闘神です。平安以後、食を司る台所の神と崇められました。
また、日本の神大国主命を大国と混同させ、命のご神徳を合わせ、糧食財宝が授かる神として信仰を得ました。

台所の神様と言われ、食べ物を与えてくれる神様。
大黒というのは、真っ黒になって働けば富を得られるという意味もあるようです。

 

三番の喜多院と四番は、歩いてすぐの隣。
第四番 恵比須天(成田山)

鯛を抱いた福々しい相好はなじみ深いものがあります。
恵比須の名は、外国人を意味するエビスの言葉と同一で、本来は異郷から来臨して人々に幸福をもたらすと信じられた神様。
漁村では海の神、農村では田の神、山村では山の神、都市では市神、福利を招く神として、商人からも深い信仰が寄せられています。

七福神は、インドと中国の神様が多いですが、恵比寿様は唯一日本の神様です。
もともとは海の神様。だから右手に竿、左手に鯛を持っています。
関西では商売の神様として崇められていますね。
大黒様は穀物・主食を与えてくださって、恵比寿様はお魚・副食を与えてくださるという言い方もします。

 

成田山川越別院を出発した一行は、川越街道から立門前通りへ、川越織物市場を通って蓮馨寺へ進みました。


第五番 福禄寿神(蓮馨寺)


福禄寿神は、幸福、高禄、長寿の三徳を具えて、これを人に与え、方位除災、商売繁昌、延寿福楽等のご利益を現わされる方。
尊像は右手に霊芝(れいし。さるのこしかけのこと)、左手に神亀を持たれ、癌や脳卒中を早く治しなさい、そうすれば、福禄寿が得られますと教えています。

 

ここまでくればあと二つを残すのみ。蓮馨寺から少し歩いたところにあるのが、妙昌寺。

近い方にある第七番から先に訪れました。

第六番が一番街近くにあるため、帰りのことを考えて毎回ゴールに設定されています。

第七番 弁財天(妙昌寺)


(尊像は外から見えないので写真を)

弁財天様は、七福神唯一の女神で、弁舌、芸術、財福、延寿を授ける神として、古くから、商人や芸人などの幅広い人々の信仰を集め、運を開き、福を招く女神です。

弁財天は戦いの神様。腕が8本あっていろんな武器を持っています。
しかしこの神様は水の神でもあるんです。境内には水琴窟があります。
水のせせらぎの音から音楽の神様になったり、芸能・商売の神様にもなっている。
妙昌寺の行事と言えば、土用丑の日に行われる「ほうろく灸」が知られています。

 

七福神めぐり、最後の目的地は菓子屋横丁近く、赤間川沿いにある見立寺。ついにゴールの地です。

見立寺に向かいまでに、赤間川を橋で渡るなどコースに趣向が凝らされています。

第六番 布袋尊(見立寺)

布袋尊は中国唐代の禅僧で名は契此(かいし)。
小柄で太鼓腹、大きな袋を担って各地を放浪し、吉凶を占い、福を施していたといいます。
また、未来仏たる弥勒菩薩の化身ともいわれ、昔から崇められてきました。

布袋様は唯一、実在の人物です。
中国のお坊さんで契此(かいし)という方が、恵まれない人に食べ物などを配って歩いていました。

 

一番から七番までゆったりと三時間近くかけ、巡った七福神めぐりでした。

 

「どこか出かける時には、『そこは着物で行けるのか、行けるならぜひ来て行ってみて欲しい』」と話す小杉さん。

ここで解散となり、最後の見立寺なら菓子屋横丁も一番街も近いので、さらに川越観光へと引き続き楽しむことができます。

七寺を歩いてみると、独りよりまとまって巡った方が楽しく、話しながら歩いていると6キロといってもあっという間。

そして、着物姿の一団で歩くことで、たくさんの人に着物を見てもらうこともでき、自分も着てみたい、と誘われるように思った人もいたことでしょう。

 

着物姿が似合う街、川越。着物姿で出かけるなら、川越。

 

川越の街にきもの姿を増やす会は、川越に着物姿を増やすために、いろいろな催しを企画していきます。

 

「川越の街にきもの姿を増やす会」
Instagram:
https://www.instagram.com/kimonokoedo2022/
Facebook:
https://www.facebook.com/groups/1728311384084279
 

「小江戸川越七福神めぐり」

霊場会公式サイト:
http://www.kawagoe.com/7fukujin/

第一番 毘沙門天(妙善寺)
第二番 寿老人(天然寺)
第三番 大黒天(喜多院)
第四番 恵比須天(成田山)
第五番 福禄寿神(蓮馨寺)
第六番 布袋尊(見立寺)
第七番 弁財天(妙昌寺)

 

​​​​​​​